(有)村田牧場通信

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【血統・配合】オーシャンフリートの2021(ローレルクラブ募集馬 牝 父パイロ)

2021年09月30日 | クラブ募集馬
前回はローレルクラブ募集馬であるアメージングムーンの2021について書かせていただきましたが、今回はもう1頭のローレルクラブ募集馬オーシャンフリートの2021を紹介させていただきます。









本馬は、当場における離乳組の第1陣として、8月10日に当場の繁殖分場からアメージングムーンの2021たちと一緒に高江第1(1歳)分場に移動しました。

移動してしばらくは手入れを嫌がったり、放牧時には人間の歩くスピードより速く行きたがる面があったりと、離乳馬に多い仕草を見せていました。

それでも1ヶ月以上経過した現在では、検温や手入れなど普通にさせるようになり、放牧時の歩様も我慢が利くようになって様々な面で成長を感じさせます。

本馬は、全兄テーオールノワールが2019年のセレクションセール上場時に最高価格で落札されたのを機に、その翌年に配合して誕生した馬です。

パイロ産駒は気性面が激しいなどと聞きますが、テーオールノワールに関しては勝ち気な面があったものの、セレクションセールに向けてのセリ馴致は非常に順調で扱いやすかったです。

ただ、3歳になってから去勢手術を受けることになったので、トレセンに入厩してからは激しい気性が出てきたのでしょう。

結果、去勢してからのほうがレース振りは安定して3歳未勝利を2着するなど好走していますが、勝ち上がるまでには至ってません。

本馬は牝馬というのもありますが、全兄とはまた違った印象で、パイロ産駒らしい気性の激しさは感じられません。

放牧地でもマイペースで少しおっとりしてるところがあり、馬房内でもあまり余計なことはしないことから、気の強さはあるものの当歳馬ながらどこか大人びた面も見受けられます。

本馬の半姉ベルキューズ(牝、父ヘニーヒューズ)は同クラブ募集馬の先輩で、JRAで3勝してくれました。

ベルキューズはヘニーヒューズ産駒にしてはそれほど重心が低いタイプではなく、どちらかと言えば母オーシャンフリートのスラッとした馬体の影響を受けたつくりでした。

本馬も1歳分場に移動して間もない頃は母似の素軽さを感じさせましたが、環境に慣れて馬体がふっくらしてきた現在は、父や全兄に似て程よい肉付きをした力強い馬体に成長してきた印象です。

オーシャンフリートにパイロを配合した当初から「ダートのマイル以下で活躍するような馬を」と思っていましたが、馬体的にもそのあたりに適性があるような馬になると考えています。




本馬の血統に関しては、テーオールノワールの全妹ということで、彼のセレクションセール上場時の紹介記事で、この血統についてはある程度紹介させていただきました。

ただ、今回はセール上場ではなくクラブ提供・募集ということで、改めて本馬の血統・配合についてご紹介したいと思います。

父のパイロは、今年も含めて6年連続でJRA種牡馬ランキングで20位台に位置している堅実な種牡馬です。

産駒の勝ち鞍は約9割がダートで挙げられたもので、平均勝ち距離からすると1400~1600あたりを得意とする産駒が多いと言えます。

賞金獲得順で見ると、牡駒のほうが活躍傾向にあるように見受けられますが、中央平地重賞2勝のうち1勝は牝駒のビービーバーレル(G3フェアリーS)が挙げたものです。

また、交流G2関東オークス勝ちのラインカリーナや南関東牝馬2冠のアクアリーブルなど、パイロは牝駒からも活躍馬を出しています。

9月30日現在、パイロ産駒のなかで収得賞金ベスト50(netkeiba調べ)の産駒に焦点を当てて調べてみると、次のような血統傾向が見受けられました。


①産駒から見て、5代内に母方のほうにHail to Reasonの血が存在する… 28頭 / 50頭中 
※このうちサンデーサイレンスの血を通じてのものは22頭 / 28頭中

②産駒が5代内にMr.Prospectorクロスを持つ… 19頭 / 50頭中

③産駒から見て、5代内に母方のほうにNasrullah / Princequilloのニックから成る(もしくはそれに類似した)血脈が存在する… 21頭 / 50頭中

④母方にNijinskyの血が存在する… 12頭 / 50頭中

⑤母方にDanzigの血が存在する… 7頭 / 50頭中


以上のような血統的特徴が、パイロの活躍産駒に見受けられました。

本馬は6代まで遡るとCaerleonを通じてHail to Reasonを持っていますが、正確に言えば①には該当しません。

ただ、本馬はMr.Prospector4×3を持っているので②には該当します。

Hail to Reasonの血はMr.Prospectorと相性が良く、血統的にはHail to Reason≒Gold Digger(Mr.Prospectorの母)による相似クロスが形成される関係になります。





Royal Charger≒Nasrullahの3/4同血クロスができるほか、Nothirdchance≒Miss Dogwoodによる相似クロスもできる関係で、Hail to Reason≒Gold Diggerの血統的親和性はかなり高いと言えます。

実際、本馬の母オーシャンフリートの配合時にも試した相似クロスであり、結果として彼女はJRAのダートで5勝してくれました。

パイロ産駒の活躍傾向に話しを戻すと、本馬の血統は③の項目にも該当します。

パイロの血統は、その父PulpitがSeattle Slew、Secretariat、SIr GaylordそしてStateと、Nasrullah / Princequilloのニックから成る(もしくはそれに類似した)血脈を4本持つ血統です。

パイロと配合する際には、繁殖牝馬側が同様の血脈を持っていると相似クロスを形成することができるので、それが産駒の活躍につながるのでしょう。

本馬の場合、母オーシャンフリートがVenice、kalamounそしてForeseerと同様の血脈を3本保有しているので、③の項目に該当する血統の持ち主です。

④に関しては、パイロが父Pulpitを通じてNijinskyの血を持つことから、母方にもその血があるとクロスを形成できる関係になります。

本馬は母方にNijinskyの血があるので④にも該当します。

⑤については、本馬の母方にDanzigの血がないので該当しません。

本馬の配合を考える際には、Mr.Prospectorをクロスさせたり、Hail to Reasonの血と絡めることで相似クロスを形成したり、あるいはパイロの母父Wild Againとオーシャンフリートが持つトニービンの血を合わせることで、Hyperionの血脈の強化を図るなどしました。


【Wild AgainとSevern Bridge(トニービンの母)】



Mr.ProspetorやHail to Reasonといった血は米血脈らしい力強いスピードを伝えますが、そこにHyperionのような欧州血脈らしいスピードを持続する要素を加えることで、競走能力の強化を狙った配合です。

もう一つ、本馬の配合でこだわったのがPreach(Pulpitの母)≒キソティック(オーシャンフリートの2代母)による相似クロスでした。





互いにWhat a Pleasureの血を持ち、State≒Caerleonの相似クロスもできる関係です。

また、Preachの父Mr.ProspectorはRaise a Native×Nearco系牝馬の配合ですが、キソティックの2代母Where You Leadもまったく同じ血統背景を持っています。



本馬もアメージングムーンの2021と同じく母が元ローレルクラブ募集馬であり、さらに本馬の場合は半姉ベルキューズも同クラブでお世話になったので、馬体の成長具合が良ければ本馬をローレルクラブに提供したいと考えていました。

ここまで順調に成長してくれていますし、父にパイロを迎えたことで、母オーシャンフリートよりも馬体的にダートのスペシャリスト感が強まった印象です。

彼女の成長具合についてはこのブログで定期的に報告する予定ですので、ローレル会員の皆さまには出資検討も含めて今後も是非ご注目ください。



pacalla 重賞制覇レポート『ディープボンド』村田牧場編(フォワ賞)

2021年09月25日 | セール上場馬
昨日、当場も参加しているファンと牧場をつなぐサイトpacallaの編集長から、当場生産馬で先日の仏GⅡフォワ賞に優勝したディープボンド号の「重賞制覇レポート」を掲載したとの連絡を受けました。


pacalla 重賞制覇レポート『ディープボンド』村田牧場編(フォワ賞)


重賞制覇リポートでディープボンドがお世話になるのは3回目ですが、過去2回は望田潤さんが担当されていて、今回は初めて橋本樹里さんが執筆を担当してくださいました。

凱旋門賞の前哨戦となるフォワ賞を勝ってくれたディープボンドは、1週前追切りとなる今週の動きも上々だった模様。

まずは無事に本番の日を迎えて、当日は馬主様のために好パフォーマンスを発揮していほしいと願っています。

今回の記事も競馬ファンの皆さんに当場のことを知っていただく契機になれば幸いです。

是非ご一読ください。



【関連記事】
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pacalla 重賞制覇レポート『ディープボンド』村田牧場編(阪神大賞典)





【血統・配合】アメージングムーンの2021(ローレルクラブ募集馬 牝 父キズナ)

2021年09月24日 | クラブ募集馬
今年は、当場からローレルクラブとターファイトクラブに当歳馬を2頭ずつ提供させていただきました。

ローレルクラブは今月からすでに当歳馬募集が開始していて、ターファイトクラブのほうは来月から募集開始となります。

今回は、ローレルクラブの当歳馬募集馬として提供させていただいたアメージングムーンの2021(牝、父キズナ)をご紹介します。









父のキズナについては、この記事を書いている9月24日現在(netkeiba調べ)で2021年度における産駒のアーニングインデックスが1.63という高い数字を記録している種牡馬で、JRAの種牡馬リーディングにおいても名種牡馬ハーツクライに次ぐ4位という状況です。

それと同じくらい素晴らしい数字なのが勝ち上がり率であり、これまでのJRA競走において306頭が出走して137頭が勝ち上がっていて、これは約45%の産駒が勝ち上がっていることになります。

コンスタントに重賞勝ち馬を輩出して、産駒の勝ち上がり率も高いという種牡馬成績は、いかにもサンデー系種牡馬らしい特徴だと思います。

また、中央・地方あわせて勝ち上がっている馬の性別を調べると牡牝ほぼ半々という状況であり、牡牝問わず産駒は走る傾向にあります。

産駒デビュー当時からコンスタントに活躍馬を出し続けていることもあり、今春のキズナの種付料は大台の1,000万円でしたが、その権利も即満口になるほどの人気でした。

そして、現時点での産駒の活躍や種牡馬リーディングの状況を考えると、来年はさらに種付料が上がることが予想されます。

現4歳世代がキズナの初年度産駒ですが、すでに産駒から重賞勝ち馬が9頭(Jpn3北海道2歳優駿の勝ち馬キメラヴェリテを含む)が出ています。

これら9頭の血統を調べると、うち7頭の母方にNijinskyの血があることがわかります。

この相性の良さは、キズナの持つStorm Birdとの絡みによるStorm Bird≒Nijinskyの相似クロスによる影響でしょう。





どちらも父がNorthern Dancerで、母父がBull Pageもしくはその息子という関係です。

特に、本馬の2代母ビッグテンビーはNijinsky3×4を持つので、彼女の娘アメージングムーンとStorm Birdの血を持つキズナとの配合は相性が良いはずです。

そして、母方にNijinskyを持つキズナの重賞勝ち馬7頭のうち、3頭はNijinskyの息子Caerleonを通じたものでした。

Caerleonは父がNijinskyで、母ForeseerはPrincequillo / Royal Chagerの組み合わせを持っています。

このうち、NijinskyがStorm Catの父Storm Birdと相似クロスを形成する関係であることは上記の通りですし、Caerleonの母Foreseerに関しては彼女の持つPrincequillo / Royal Chagerの組み合わせがNasrullah / Princequilloの派生形なので、Storm Catの母父Secretariat(Nasrullah / Princequilloのニックを持つ)と同じ血統傾向であることがわかります。





このように、似通った血統背景を持つことから、Storm CatとCaerleonの組み合わせは相似クロスと見なせます。

キズナ産駒で母方にCaerleonが入るパターンが成功するのは、これが血統的要因の一つなのかもしれません。

そして本馬の血統も、母アメージングムーンがテンビーを通じてCaerleonを持っているので、キズナ産駒の成功パターンに合致します。

そのキズナですが、彼の代表産駒の一頭ディープボンドは当場生産馬であり、また本馬とは近親関係にあります。





どちらも父がキズナであり、母系は当場を代表する牝系モガミヒメに遡ります。

この母系の牝祖であるモガミポイントは、血統的にStorm Birdの仔Storm Catと相似クロスを形成する関係にあります。





Storm Bird≒Nijinskyの相似クロスのほか、Secretariat≒ボールドラッドによる3/4同血クロスもあります。

当場においては、モガミポイントの娘モガミヒメの代から繫養しながらこの牝系を育ててきましたが、モガミヒメを通じる牝系にStorm Catの血を持つ種牡馬を配合することで好結果が出ています。

具体的にはディープボンド(JRA重賞2勝、海外重賞1勝)、ダンケシェーン(JRA現3勝)、アヴォンリー(JRA3勝)そして本馬の半兄アメージングサン(JRA現1勝)と、この牝系にStorm Catの血を持つ種牡馬を配合するパターンではJRAですべて勝ち上がっています。

Storm Catとモガミヒメの関係は、既述のStorm Cat≒モガミポイントのほかにもBolero Rose(Storm Catの3代母)≒Jester(カコイーシーズの母父)の相似クロスもできるため、血統的相性が良いのでしょう。





このように父キズナと、母とりわけ2代母ビッグテンビーとの血統的相性が良いと考えているわけですが、本馬の母父アドマイヤムーンとキズナとの相性も良いようです。

今年で言えば、オークス3着で矢車賞を勝っているハギノピリナは、このキズナ×アドマイヤムーン牝馬の組み合わせから生まれています。

この組み合わせではサンデーサイレンス3×4のインブリードができるほか、アドマイヤムーンの母方にあるWar Relicの血がキズナの母系に流れる血と相性が良いと考えます。

血統面では細部にわたってこだわりを持って配合したつもりですし、近親馬ディープボンドを含めたキズナ産駒の活躍や、生まれてきた本馬の馬体の出来を含めて、当場としても彼女には大きな期待を寄せています。



当場の当歳世代のなかでも最も早く生まれていることもあり、馬格は牡牝あわせても一回り大きな馬です。

キズナ産駒らしく、生まれた当初から四肢に筋肉を纏ったしっかりとした馬体をしていて、ここまで順調に育ってきました。

気性面はこの牝系らしいピリッとした面があり、この気性が将来競走馬として勝負根性につながってくれるのではと期待しています。

脚も程よい長さがあるので、母アメージングムーンよりも距離適性は少し長めになると予想しています。

柔軟性とバネを備えた馬体のつくりからダートよりは芝向きだと思っていて、イメージとしては芝の1600~1800あたりに適性がありそうな印象です。

彼女の成長具合についてはこのブログで定期的に報告する予定ですので、ローレル会員の皆さまには出資検討も含めて今後も是非ご注目ください。




【セプテンバーセール】上場馬1頭をご購買いただきました

2021年09月23日 | セール上場馬
9月22日のセプテンバーセール2日目に、当場生産馬の№414ゴシップクイーンの2020を上場しました。

結果、当馬は(有)ノルマンディーファーム様にご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

これにより、当場生産馬の1歳世代のうち売却予定の馬はすべて売却という結果になりました。

改めて馬主様ならびに関係者の皆さまには御礼申し上げます。

それにしても、今回のセプテンバーセールにおけるシルバーステート産駒の評価は非常に高いものがありました。

1日目、2日目ともに最高価格は同産駒でしたし、セプテンバーセール全体で見ても落札額トップ10のうち最高価格を含む3頭がシルバーステート産駒でした。

日高地区繫養の種牡馬のなかでも、シルバーステートのように2歳戦の芝で勝ち馬を量産できる種牡馬は少ないので、そのあたりの希少価値や期待感が価格に反映されたのかもしれません。

当場生産の1歳世代には不受胎だったのでいませんが、当歳世代にはターファイトクラブに提供するメリオールの2021(牝、父シルバーステート)がいます。

素軽くバネのある馬体をしているので、他のシルバーステート産駒同様、彼女の今後の成長も非常に楽しみです。




【セプテンバーセール №414】ゴシップクイーンの2020(牝 父ベーカバド)

2021年09月17日 | セール上場馬
9月22日のセプテンバーセール2日目に、当場生産馬である№414ゴシップクイーンの2020が上場予定です。

本馬の牝系解説文はこちらからご参照ください。








【9月8日現在の測尺】体高151cm 胸囲181cm 管囲18.8cm 馬体重430kg


それほど大きくはない馬格ですが、一方で胴回りがあって四肢に力強さがあるという馬体的特徴はベーカバド産駒らしいと言えます。

気性的に気の強い面を垣間見せる点も父の産駒らしいと言えますし、母父フレンチデピュティの影響も少なからずあるでしょう。

本馬は、同じ町内の育成公社さんにセリ馴致のために預がっていただいてます。




父のベーカバドは仏G1バリ大賞典勝ち馬で、産駒に対しても少なからず芝適性を伝えているようで、JRAにおいても勝ち鞍の半数以上は芝における勝利です。

一方で、勝ち鞍の40%以上がダートによるもので、ベーカバド産駒の場合は芝・ダートどちらの適性もあり得ると考えられます。

実際、ベーカバド産駒の馬体は素軽さよりも力強さを感じさせる馬体が多く、芝は芝でも欧州の芝で活躍した種牡馬の産駒らしい馬体と言えます。

血統的にも、Cape Cross~Danzigに遡るこの父系はパワーが必要な欧州のような芝路線で活躍する傾向にあるので、ベーカバド産駒も日本では力のいる芝もしくはダートで適性を示すのでしょう。

ベーカバド産駒の勝ち馬で、収得賞金上位50頭の血統を調べると、次のような血統傾向が見受けられました。


①母方にHaloの血が入っている 31頭 / 50頭中

②5代内にNorthern Dancerのクロスを持つ 30頭 / 50頭中

③母方にNasrullah / Princequilloのニック(もしくはその派生形)が存在する 24頭 / 50頭中

④母方にMr.Prospectorの血が入っている 18頭 / 50頭中


①に関しては、日本においてはサンデーサイレンスの血を持つ繁殖牝馬と配合すると、そのベーカバド産駒が必ず持つ血統パターンになります。

ベーカバドはSir Ivorの血を持っていて、これが母方のHaloと絡んでSir Ivor≒Haloの相似クロスを形成するのが血統的要因かと思われます。

本馬は母方にHaloの血がないので、①には該当しません。

②については、Northern Dancerクロスということで、とてもポピュラーなクロスと言えるでしょう。

ただ、このクロスは力強いスピードを伝える傾向にあり、これはベーカバド産駒の馬体や活躍パターンに合致するものなので、意味のあるクロスだと思います。

本馬の場合は、母馬がNorthern Dancer4×3を持っていて、結果として本馬は5×5・4のクロスを持つに至りました。

③は、ベーカバドがSir GaylordやMill ReefといったNarullah/Princequilloのニック(もしくはその派生形)から成る血脈を持っているため、母方に同様の血脈が存在することで相似クロスを形成することができます。

本馬の血統においては、フレンチデピュティの母Mitterandがこのニックを持つ血脈になります。

④に関しては、ベーカバドがスピード優位の種牡馬であること、また血統的にMr.Prospectorの2代父Native Dancerのクロスを持っていることが関係しているかもしれません。

ただ、本馬はこの④には該当しません。


このように、本馬はベーカバド産駒の活躍傾向4つの項目のうち、2つを満たしている血統ということになります。




一方、本馬の母ゴシップクイーンは近隣の牧場さんを買い受けた際に、併せて購買させていただいた繁殖牝馬です。

彼女はOPクローバー賞の勝ち馬ウインゼノビアをはじめ4頭のJRA勝ち馬のほか、地方でも複数の勝ち馬を出しています。

彼女の最大の血統的特徴は、Northern Dancer4×3のインブリードで間違いないでしょう。





ただ、彼女の血統表を見ると、Bold Ruler4×4があることもわかります。

この血は、相似クロスを形成できるNative Dancerと相性が良い傾向にあります。





いずれも母父がDiscoveryであり、上記の血統表ではわかりづらいですがSickle≒Pharosの相似クロスもできるため、Native DancerとBold Rulerは血統的親和性が高い関係にあると言えます。

そして、本馬の父ベーカバドがそのNative Dancerを6×5で持っていることで、ゴシップクイーンとの配合では彼女の持つBold Ruler4×4を活かすことができます。

このような米血脈を豊富に持つ点からも、本馬はパワフルなスピード血統をしていると考えます。



本馬の馬格はそれほど大きくはありませんが、首差しや四肢などは力強さを感じさせます。

また、血統的にも力強いスピードが期待できる血統背景を持っているので、馬体面を併せて考えると、やはり力のいる芝やダートのほうに適性があるのではないかと考えます。

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入いただきますようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。