(有)村田牧場通信

(有)村田牧場から情報を発信するブログ

クラブ提供馬を視察してきました

2017年07月31日 | クラブ募集馬
本日、育成場のファンタストクラブに行って、ターファイトC提供馬のスルターナ、クライオブザソウルそしてローレルC提供馬ダンケシェーンを視察してきました。

霧雨のなかの視察でしたが、こういう天気だったからこそ牧場の仕事を一休みして視察できた面もありますので、暗めの写真はご容赦ください。


【スルターナ】


前走の1000万下特別を勝って、馬体的にも充実気を迎えているスルターナ。

次走は、8月17日に開催される交流重賞ブリーダーズゴールドC(JpnⅢ)ということになりそうです。

このレースの出走予定馬はこちらをご参照下さい。

大きな骨折を乗り越えた後は、500万下と前回の1000万下特別を勝ってくれました。

今の勢いならば、重賞メンバーの中でも好レースを演じてくれると期待しています。

今後は、当レースを目標に今週中にも札幌入厩する予定があります。


【クライオブザソウル】


当初は札幌開催も視野に入れていたクライオブザソウルですが、先日熱発を患い、一度馬体が緩んだ関係で現在は未定の状況です。

久々に見た彼女は随分立派な馬体(熱発前で530kg台)に見えたのですが、熱発前に比べると馬体の張りが少し足りないとのこと。

ファンタストクラブ内でも素質は高く評価されているようなので、私としても非常に楽しみにしています。

ここで入厩予定が一度未定になったので、おそらくは秋開催になるのかなと馬体を見ながら個人的には感じました。

暗めの写真で恐縮ですが、こうやってスルターナとクライオブザソウルの姉妹を見比べると、同じ目つきで睨まれているのがわかります。(苦笑)


【ダンケシェーン】


一度函館入厩したダンケシェーンですが、飼い食いが少し落ちたようで、こちらに短期間のリフレッシュ放牧に来ています。

とは言っても、函館からこちらに来た日の馬体重が481kgだったとのこと。

この時期の2歳馬としては、十分な数字だと思います。

このまま順調に行けば、当初予定していた8月下旬の札幌開催に向かうことになりそうです。


こうやって写真を見比べると、胸が深くて心肺機能が高そうなスルターナ、半姉に比べて全体に伸びのある馬体が父似のクライオブザソウル、やや胴長に見せる馬体が父譲りのダンケシェーンと、それぞれ馬体的特徴が出ています。

みんな同じモガミヒメ牝系出身になるのですが、こうやって枝葉が分かれながら馬体に個別の特徴が出ているのを見ると、なかなか興味深いものです。



【サマーセール上場馬 №895】ファーストチェアの2016(牝)

2017年07月28日 | セール上場馬





当場からサマーセールへ5頭上場予定ですが、先日写真とビデオ撮影を全頭分終えたので、番号順から紹介したいと思います。

なお、これら5頭はすべて8月24日(木)に上場予定となっています。

さて、最初に紹介するのは、上場番号№895ファーストチェアの2016(牝)です。



クロフネ産駒の活躍馬と言えば、ファーストチェアの2016と同様に、母方にサンデーサイレンスの血が入っているパターンが多い印象です。

例えば、中央におけるクロフネ産駒の重賞勝ち馬18頭のうち、実に11頭が母方にサンデーの血を持っています。

特に、今年のG1NHKマイルC勝ち馬のアエロリットは、同じクロフネの牝駒というだけではなく、血統背景もファーストチェアの2016と類似点が多いのが特徴です。



同じ父を持ち、母方にはNureyevを持ち、さらにはサンデーとKrisを持つ点でも共通しています。

特に、アエロリットがサンデー×Kris牝馬のネオユニヴァースを持つ一方で、ファーストチェアの2016も同じ組み合わせのマイケイティーズを持っています。

ファーストチェアのようにトニービンを持つ繁殖牝馬とも、クロフネは相性の良い種牡馬です。

重賞勝ち馬のなかには、スプリントG1を2勝したカレンチャンや最優秀障害馬のアップトゥデイトなど、大物が出る印象があります。

また、前述アエロリットがそうですが、母方にNureyevを持つクロフネ産駒も活躍傾向にあります。

最たる例は、G1スプリンターズS勝ちのスリープレスナイトですが、彼女はファーストチェアの2016と同牝系です。



このように、ファーストチェアの2016はクロフネ産駒として成功パターンと言える血統背景を持っています。

馬格があって、気性も賢さとピリッとした面を持ち合わせている点が長所だと思っています。

なお、サマーセール第4日目である8月24日(木)に上場されるクロフネ産駒は、本馬だけです。是非ご注目下さい。

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。



【血統・配合】ダンケシェーン(牡 ローレルクラブ提供馬)

2017年07月26日 | クラブ募集馬


お蔭様を持ちまして、ローレルクラブへの2歳世代の提供馬ダンケシェーン(現2歳)が満口となりました。

ローレル会員の皆様におかれましては、ダンケシェーンに出資下さいまして感謝申し上げます。

7月15日に函館競馬場に入厩したダンケシェーン。

7月20日には、ゲート試験に合格しました。

その後、7月25日にはリフレッシュ放牧に出されたようですが、8月下旬の札幌開催の新馬戦に向かう予定であることに変わりはありません。

2歳になり、春先に本馬を育成場まで視察に行った際には、立派な馬に成長していました。

牡馬とはいえ、初仔でしたので体高のほうはそれほどでもなく、2歳になっても大柄のほうではないのですが、それでも馬体重は500kg近くありました。

当歳時から骨量と筋肉量が豊富で、父譲りの柔らかい動きをする馬でしたが、その特長を損なうことなく順調に成長してくれたと思います。

母が2歳時に北海道で勝ち上がっているだけに、本馬にもそう期待したいところです。

その母ゼフィランサスは、当場がこだわってきたキングヘイロー×モガミヒメ牝系の最たる配合です。

彼女の血統に関しては、こちらのほうで詳しく書いたつもりですのでご参照下さい。

父のヘニーヒューズは、7月24日時点ですでに3頭の中央勝ち馬を送り出しています。

現時点では、前評判通りのスタートと言って良いでしょう。

ヘニーヒューズの父はヘネシーですが、この血はゼフィランサスの2代父ダンシングブレーヴと血統的に相似な関係にあります。



互いにNorthern Dancerを持ち、Secretariat≒Sir Gaylordの近親クロスの関係があり、さらにはTom Cat≒Cap and Bellsという4分の3同血クロス(父がTom Foolで母父がMahmoud)があります。

ヘニーヒューズの2代父Storm Catは、ゼフィランサスの2代母モガミポイントと相似クロスを形成する関係です。



Storm Bird≒Nijinskyの相性は良く、当場では同クラブに提供しているオーシャンフリートの2016や、引退して当場で繁殖牝馬として繫養しているクロワラモー(中央3勝)にも用いた配合手法です。

血統表を見てわかるように、Storm Cat≒モガミポイントの関係ではSecretariat≒ボールドラッドの4分の3同血クロスも特長的です。

このように、ゼフィランサスとStorm Catの血を持つ種牡馬とは相性が良いことが予想されることから、昨年はキズナ(母父がStorm Cat)に配合して、今年は立派な牡馬が生まれています。

少し遠い世代に目を向けると、母ゼフィランサスがBuckpasser5×5を持っていたわけですが、その母BusandaとヘニーヒューズがもつBusherによる近親クロスがあります。



両者は父がWar Admiralであり、2代母が名牝La Troienneである点で共通しています。

もう少し細かく相似クロスを探すならば、ヘニーヒューズの母Meadow FlyerのなかにあるEight Thirty≒War Relicの相似クロスを、ダンケシェーンの代ではEight Thirtyをクロスさせることで強化しています。



Friar RockとMan o'Warを持つ点で共通する両者ですが、血統表を見てわかるように、実はFriar RockとMan o'War自身が近親クロスを形成する関係にあります。

さらに深く掘り下げるならば、Busher≒Busandaの父であるWar AdmiralとEight Thirtyの2代母Seaplaneは、近親関係にあります。



このように、遠い世代とはいえ、幾重にも米血脈による相似クロスを形成しているのが、ダンケシェーンの血統的特長です。

育成場や厩舎方面からは素質を評価されているダンケシェーン。

個人的にも、母のゼフィランサスには大きな期待をしているので、なんとか初仔のダンケシェーンから結果を出してほしいものです。

ソイルトゥザソウル号が2歳未勝利戦を勝利!

2017年07月23日 | 情報


本日、福島第1R芝1200の2歳未勝利戦で、当場生産馬のソイルトゥザソウル号が見事な差し切り勝ちを収めてくれました。

ご購買頂いた馬主様、厩舎関係者の皆様おめでとうございます。


ソイルトゥザソウルの父のローレルゲレイロも、当場生産馬です。

ローレルゲレイロの産駒は気性が勝ったところがあり、うるさい面を見せる馬もいますが、この気の強さをレース活かせれば今日のソイルトゥザソウルのような差し馬も生まれます。

同父の現役馬のなかでは、準OP馬アイライン号も差し馬ですが、両馬の共通するところはインブリード配合という点です。



ソイルトゥザソウルがCaerleon4×3、Halo4×4を持っているのに対して、アイラインはダンシングブレーヴ3×3を持ちます。

勝ち気な気性に加えて、このようなインブリード配合が直線での切れ味にアクセントを与えているのかもしれません。

配合という点では、当場では種付料の高低や繁殖牝馬の実績の有無にかかわらず、血統面や馬体面を考慮して、すべての配合に何かしらのアイデアを反映させるように努めています。

ソイルトゥザソウルも、単にCaerleonやHaloをクロスさせて生産したわけではありません。

キングヘイロー×モガミヒメ牝系の配合~ローレルゲレイロ編~』でも書きましたが、ローレルゲレイロの血統的特長の一つとして、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionから成る相似クロスが挙げられます。





上記で色分けした通り、これら4つの血脈はNearoやPharamond、さらにはBull Dog=Sir GallahadやMahmoudを持つ点で共通しています。

ローレルゲレイロが持つこの血統パターンを素直に生かすために、ソイルトゥザソウルの代ではHaloをクロスさせて、さらにはNijinskyの息子であるCaerleonをクロスさせる配合にしました。

また、キングヘイロー産駒の中央勝ち馬には、

①産駒自身がNorthern Dancerクロスを持つ

②産駒の母がNasrullahの血脈を持つ

③産駒の母がNearco/Prince Roseのニックスから成る血脈を持つ

という3つのパターンのいずれか、もしくは複数に該当する血統パターンを持つことが多いことを、ローレルゲレイロの記事では指摘しました。

この血統パターンは、孫のソイルトゥザソウルの代でも継続しています。

すなわち、母ローレルディライトはNorthern Dancer4×4を持つので①の条件を満たしており、Nasrullahも4本持つので②の条件もクリアしています。

さらに、ローレルディライトはNearco/Prince Roseのニックスから成る血脈としてMill Reef、Foreseer(Caerleonの母)そしてRivermanを持つので、③の条件にも当てはまります。

結果として、ローレルディライトはキングヘイローの血を持つ種牡馬とは相性が良かったことになります。

その意味では、今日のソイルトゥザソウルは配合通りの実力を発揮してくれました。

関係者様のお話しでは、もう少し距離が伸びてもやれそうとの話しもあり、次走がどこになるのか今から楽しみにしているところです。



セレクションセール上場馬2頭をご購買頂きました

2017年07月19日 | セール上場馬
7月17、18日に開催されたセレクションセールですが、当場から上場した№51ゼフィランサスの2016と№157ハーランズルビーの2016は、2頭ともお客様に落札して頂きました。

№51ゼフィランサスの2016は、日本中央競馬会様に1,050万円(税別)でご購買頂きました。

№157ハーランズルビーの2016は、㈱キャピタル・システム様に1,150万円(税別)でご購買頂きました。

この場を借りて御礼申し上げます。

セレクトセール同様、セレクションセールも大盛況でした。

売却率80%越えは初めてのことです。

この流れで、次のサマーセールも盛況であってほしいものです。

さて、そのサマーセールには当場から5頭上場予定ですが、うち3頭はコンサイナーさんにサマーセールの2か月前からセリ馴致のために預託に出しています。

残り2頭は当場でも馴致できる頭数なので、すでにセリ馴致を始めている状況。

これら5頭の血統情報なども、当ブログから発信していきたいと思っています。