ハーランズルビーの2018につづき、今回もクラブ提供馬のメジェルダの2018を紹介させていただきます。
元ターファイトクラブ提供馬の母メジェルダにとって初仔となる本馬。
メジェルダに関しては、当場の想定よりも早い引退となってしまって出資会員の皆さまには申し訳なく思っております。
2歳時のうちはG3ファンタジーSで2着するなど能力の高さを見せてくれましたが、3歳以降は馬体に大きな成長が見られず、それが競走成績にもはっきりと出ている状況でした。
長く休養を挟むことで馬体が成長してくれることを期待しましたが、それでもこちらが期待するほどの大きな成長が見られず、4歳時には新潟直線の芝1000なども試しましたが着外に終わったことにより引退という決断に至りました。
引退した年はじっくりと休ませて翌年からの繁殖供用を想定していましたが、引退後すぐに「良い発情が来ている」という獣医のアドバイスもあり、一度だけ種付することにしてその一度で見事に受胎してくれました。
種付相手には、初仔であることと少し遅い予定日の誕生が予想されるタイミングということで、やや小柄な産駒が生まれることも予想されたことから立派な馬格のアジアエクスプレスを選びました。
結果として生まれたメジェルダの2018は、予想通りやや小柄な馬体で生まれましたが、アジアエクスプレス産駒の評判が良いように本馬も良い雰囲気を持った馬体をしています。
母メジェルダにとっては初仔だった本馬は、離乳前まで母が本馬を相当可愛がっていたこともあり、離乳後に1歳分場に移動してからも気性的に我儘な面が強かったです。
ただ、繁殖分場から1歳分場に移動して1か月が経過して環境に慣れてきたり当歳牡馬の仲間たちと昼夜放牧されるなかで、以前のような我儘でチャカついた面もなくなってきて気性面の成長が見られるようになりました。
早生まれの馬たちと比べるとまだまだ体格差がありますが、この馬だけで見れば馬体、気性ともに順調に成長しています。
母メジェルダはG3ファンタジーSで2着するなどの芝馬、彼女の母メリュジーヌはJRAでダート3勝したダート馬、さらにその母メジェールはJRAの芝で2勝のほかダートでも3勝したように、この牝系は配合によって芝・ダートいずれにも出る血統です。
本馬の3代母メジェールは、その母カスパースカイゴールドを米国の繁殖馬セールで購買した際に受胎していた持込馬でした。
カスパースカイゴールドを購買した最たる理由は、その好馬体とSeeking the GoldやNureyevといった日本で実績のある血を持っていた点にあります。
当然、受胎していたタバスコキャット×カスパースカイゴールドの配合も調べましたが、非常に良い血統パターンだと感じていました。
カスパースカイゴールドを輸入して牝馬が生まれたときは、やや小柄ながら品の良い好馬体の持ち主で、競走馬としてはもちろん将来の繁殖牝馬としても期待していたので、ターファイトクラブにお世話になることにしました。
メジェールの血統における最大の特徴は、タバスコキャット≒ビベの組み合わせでしょう。
米2冠馬のタバスコキャットと、加3冠馬Peteskiの母ビベとの組み合わせです。
いずれもNorthern Dancer系×Graustark(His Majesty)系の配合であり、5代表ではわかりませんが母方にLavendulaやBull Leaを持つ点でも共通しています。
この米血脈による組み合わせと、日本のスピード馬場で実績のあったSeeking the Goldの血が加わるなどして、メジェールは芝・ダートどちらの馬場でも勝ってくれました。
これら米血脈のスピードを素直に活かしたのがフレンチデピュティ×メジェールの配合であり、その結果生まれたのがメリュジーヌでした。
母メジェールがターファイトクラブでお世話になった関係で、メリュジーヌも同クラブで募集することになりました。
メリュジーヌは配合通りのダート短距離のスピード馬でしたが、血統的特徴の最たるものはフレンチデピュティ≒Storm Catにあると考えます。
いずれも父系がNorthern Dancer系であり、Bold Ruler系×Princequillo系のニックを持つMittelandとSecretariatの関係も存在します。
また、Eight Thirty系を父に持ち母方にSir Gallahadを持つ点で共通するBlue Moon≒Bolero Roseもあるなど、フレンチデピュティ≒Storm Catは比較的高い相似関係にある血脈同士です。
短距離馬らしい発達した筋肉を持っていたメリュジーヌでしたが、体質的にもう少し柔らかめの種牡馬を付けたら母馬よりも距離が持つ産駒が生まれるのではと考え、高額な種付料でしたがディープインパクトを配合することにしました。
実際、ディープインパクトは米血脈の強い牝馬との配合から活躍馬を出している傾向にありますが、この配合で生まれたのがメジェルダでした。
母そして祖母も元ターファイトクラブ馬だったのと、名種牡馬ディープインパクトの牝馬ということで将来は繁殖牝馬として帰ってきてほしいという願いから、彼女もターファイトクラブでお世話になることにしました。
ダービー馬マカヒキに代表されるように、メジェルダの持つディープインパクト×フレンチデピュティ牝馬の組み合わせは、ディープ産駒の成功パターンと言えるでしょう。
これを血統面から推察すると、ディープインパクトの母父AlzaoとフレンチデピュティがいずれもNorthern Dancer系の種牡馬×Nearco/Princequilloを持つ牝馬である点が最大の理由だと思われます。
そして、この血統的特徴は既述のようにStorm Catにも当てはまります。
そのため、ディープインパクト×Storm Cat牝馬の配合からも、キズナやリアルスティールのような活躍馬が出ています。
特に、Alzao≒Storm Catという関係においては、Attica≒First Roseの組み合わせもあるので血統的な相似性は高いと思われます。
メジェルダのこの血統的特徴を活かすべく、思い切ってStorm Catクロスのできるアジアエクスプレスと配合して生まれたのが本馬です。
アジアエクスプレスはヘニーヒューズの代表産駒の一頭ですが、その血統はヘニーヒューズ産駒の成功パターンを踏襲しています。
すなわち、Eight Thirty≒War Relic≒Good Exampleによる相似クロスを持つ点です。
これら3者の血統的な関係性は、前回の記事【血統・配合】ハーランズルビーの2018(ローレルクラブ提供馬 牡 父ヘニーヒューズ)で紹介しています。
ヘニーヒューズ自身がEight Thirty≒War Relicを持っていますが、そこにWar Relic≒Good Exampleを持つランニングボブキャッツと配合されたことで、本馬の父アジアエクスプレスが誕生しました。
コンスタントに勝ち馬を出しているヘニーヒューズを父に持ち、質の高い血脈を豊富に持つ母ランニングボブキャッツから生まれたアジアエクスプレスは、日高地区でも指折りの人気種牡馬です。
供用初年度の種付頭数は175頭でしたが、それによって生まれた今年の当歳馬たちの評判が高く、今年の種付頭数は205頭に増加しました。
この状況からすると通常は次年度は種付料アップが予想されますが、それでもすでに来年度の予約が相当数に上っているようで、来年度の種付権利も早い段階で満口になるような気配です。
当場でも今年3頭のアジアエクスプレス産駒が生まれていますが、そのどれも出来が良く、父のヘニーヒューズ同様に来年度も力を入れたい種牡馬の一頭です。
さて、このような血統背景を持つアジアエクスプレスですが、メジェルダと配合したことでStorm Catを直接クロスさせることにした理由は2つあります。
一つは、母メジェルダにとってStorm Catの血がフレンチデピュティやAlzaoの血を活かす役割を果たしているため、それをクロスさせることで血統的な継続強化を狙ったこと。
もう一つは、Storm Catが母方にEight Thirtyを持つので、Storm Catクロスをつくることで父アジアエクスプレスの特徴であるEight Thirty≒War Relic≒Good Exampleを活かせる点を考えました。
実はメジェルダの2018においては、Deputy MinisterとHold Your Peaceもクロスとして持つのですが、Deputy MinisterはGood Exampleを持ちHold Ypur PeaceはEight Thirtyを持つので、父の血統的特徴を継続強化する意味でプラスに働くのではと考えています。
このように、昨年の引退時期の関係で一度しか種付できないタイミングだったとはいえ、配合的にはかなり考えた上でメジェルダに対してアジアエクスプレスを配合相手に選びました。
血統的にはある程度の才能を与えられたと考えているので、あとは馬体・気性面で順調に成長してくれることを願って飼養管理していきます。
元ターファイトクラブ提供馬の母メジェルダにとって初仔となる本馬。
メジェルダに関しては、当場の想定よりも早い引退となってしまって出資会員の皆さまには申し訳なく思っております。
2歳時のうちはG3ファンタジーSで2着するなど能力の高さを見せてくれましたが、3歳以降は馬体に大きな成長が見られず、それが競走成績にもはっきりと出ている状況でした。
長く休養を挟むことで馬体が成長してくれることを期待しましたが、それでもこちらが期待するほどの大きな成長が見られず、4歳時には新潟直線の芝1000なども試しましたが着外に終わったことにより引退という決断に至りました。
引退した年はじっくりと休ませて翌年からの繁殖供用を想定していましたが、引退後すぐに「良い発情が来ている」という獣医のアドバイスもあり、一度だけ種付することにしてその一度で見事に受胎してくれました。
種付相手には、初仔であることと少し遅い予定日の誕生が予想されるタイミングということで、やや小柄な産駒が生まれることも予想されたことから立派な馬格のアジアエクスプレスを選びました。
結果として生まれたメジェルダの2018は、予想通りやや小柄な馬体で生まれましたが、アジアエクスプレス産駒の評判が良いように本馬も良い雰囲気を持った馬体をしています。
母メジェルダにとっては初仔だった本馬は、離乳前まで母が本馬を相当可愛がっていたこともあり、離乳後に1歳分場に移動してからも気性的に我儘な面が強かったです。
ただ、繁殖分場から1歳分場に移動して1か月が経過して環境に慣れてきたり当歳牡馬の仲間たちと昼夜放牧されるなかで、以前のような我儘でチャカついた面もなくなってきて気性面の成長が見られるようになりました。
早生まれの馬たちと比べるとまだまだ体格差がありますが、この馬だけで見れば馬体、気性ともに順調に成長しています。
母メジェルダはG3ファンタジーSで2着するなどの芝馬、彼女の母メリュジーヌはJRAでダート3勝したダート馬、さらにその母メジェールはJRAの芝で2勝のほかダートでも3勝したように、この牝系は配合によって芝・ダートいずれにも出る血統です。
本馬の3代母メジェールは、その母カスパースカイゴールドを米国の繁殖馬セールで購買した際に受胎していた持込馬でした。
カスパースカイゴールドを購買した最たる理由は、その好馬体とSeeking the GoldやNureyevといった日本で実績のある血を持っていた点にあります。
当然、受胎していたタバスコキャット×カスパースカイゴールドの配合も調べましたが、非常に良い血統パターンだと感じていました。
カスパースカイゴールドを輸入して牝馬が生まれたときは、やや小柄ながら品の良い好馬体の持ち主で、競走馬としてはもちろん将来の繁殖牝馬としても期待していたので、ターファイトクラブにお世話になることにしました。
メジェールの血統における最大の特徴は、タバスコキャット≒ビベの組み合わせでしょう。
米2冠馬のタバスコキャットと、加3冠馬Peteskiの母ビベとの組み合わせです。
いずれもNorthern Dancer系×Graustark(His Majesty)系の配合であり、5代表ではわかりませんが母方にLavendulaやBull Leaを持つ点でも共通しています。
この米血脈による組み合わせと、日本のスピード馬場で実績のあったSeeking the Goldの血が加わるなどして、メジェールは芝・ダートどちらの馬場でも勝ってくれました。
これら米血脈のスピードを素直に活かしたのがフレンチデピュティ×メジェールの配合であり、その結果生まれたのがメリュジーヌでした。
母メジェールがターファイトクラブでお世話になった関係で、メリュジーヌも同クラブで募集することになりました。
メリュジーヌは配合通りのダート短距離のスピード馬でしたが、血統的特徴の最たるものはフレンチデピュティ≒Storm Catにあると考えます。
いずれも父系がNorthern Dancer系であり、Bold Ruler系×Princequillo系のニックを持つMittelandとSecretariatの関係も存在します。
また、Eight Thirty系を父に持ち母方にSir Gallahadを持つ点で共通するBlue Moon≒Bolero Roseもあるなど、フレンチデピュティ≒Storm Catは比較的高い相似関係にある血脈同士です。
短距離馬らしい発達した筋肉を持っていたメリュジーヌでしたが、体質的にもう少し柔らかめの種牡馬を付けたら母馬よりも距離が持つ産駒が生まれるのではと考え、高額な種付料でしたがディープインパクトを配合することにしました。
実際、ディープインパクトは米血脈の強い牝馬との配合から活躍馬を出している傾向にありますが、この配合で生まれたのがメジェルダでした。
母そして祖母も元ターファイトクラブ馬だったのと、名種牡馬ディープインパクトの牝馬ということで将来は繁殖牝馬として帰ってきてほしいという願いから、彼女もターファイトクラブでお世話になることにしました。
ダービー馬マカヒキに代表されるように、メジェルダの持つディープインパクト×フレンチデピュティ牝馬の組み合わせは、ディープ産駒の成功パターンと言えるでしょう。
これを血統面から推察すると、ディープインパクトの母父AlzaoとフレンチデピュティがいずれもNorthern Dancer系の種牡馬×Nearco/Princequilloを持つ牝馬である点が最大の理由だと思われます。
そして、この血統的特徴は既述のようにStorm Catにも当てはまります。
そのため、ディープインパクト×Storm Cat牝馬の配合からも、キズナやリアルスティールのような活躍馬が出ています。
特に、Alzao≒Storm Catという関係においては、Attica≒First Roseの組み合わせもあるので血統的な相似性は高いと思われます。
メジェルダのこの血統的特徴を活かすべく、思い切ってStorm Catクロスのできるアジアエクスプレスと配合して生まれたのが本馬です。
アジアエクスプレスはヘニーヒューズの代表産駒の一頭ですが、その血統はヘニーヒューズ産駒の成功パターンを踏襲しています。
すなわち、Eight Thirty≒War Relic≒Good Exampleによる相似クロスを持つ点です。
これら3者の血統的な関係性は、前回の記事【血統・配合】ハーランズルビーの2018(ローレルクラブ提供馬 牡 父ヘニーヒューズ)で紹介しています。
ヘニーヒューズ自身がEight Thirty≒War Relicを持っていますが、そこにWar Relic≒Good Exampleを持つランニングボブキャッツと配合されたことで、本馬の父アジアエクスプレスが誕生しました。
コンスタントに勝ち馬を出しているヘニーヒューズを父に持ち、質の高い血脈を豊富に持つ母ランニングボブキャッツから生まれたアジアエクスプレスは、日高地区でも指折りの人気種牡馬です。
供用初年度の種付頭数は175頭でしたが、それによって生まれた今年の当歳馬たちの評判が高く、今年の種付頭数は205頭に増加しました。
この状況からすると通常は次年度は種付料アップが予想されますが、それでもすでに来年度の予約が相当数に上っているようで、来年度の種付権利も早い段階で満口になるような気配です。
当場でも今年3頭のアジアエクスプレス産駒が生まれていますが、そのどれも出来が良く、父のヘニーヒューズ同様に来年度も力を入れたい種牡馬の一頭です。
さて、このような血統背景を持つアジアエクスプレスですが、メジェルダと配合したことでStorm Catを直接クロスさせることにした理由は2つあります。
一つは、母メジェルダにとってStorm Catの血がフレンチデピュティやAlzaoの血を活かす役割を果たしているため、それをクロスさせることで血統的な継続強化を狙ったこと。
もう一つは、Storm Catが母方にEight Thirtyを持つので、Storm Catクロスをつくることで父アジアエクスプレスの特徴であるEight Thirty≒War Relic≒Good Exampleを活かせる点を考えました。
実はメジェルダの2018においては、Deputy MinisterとHold Your Peaceもクロスとして持つのですが、Deputy MinisterはGood Exampleを持ちHold Ypur PeaceはEight Thirtyを持つので、父の血統的特徴を継続強化する意味でプラスに働くのではと考えています。
このように、昨年の引退時期の関係で一度しか種付できないタイミングだったとはいえ、配合的にはかなり考えた上でメジェルダに対してアジアエクスプレスを配合相手に選びました。
血統的にはある程度の才能を与えられたと考えているので、あとは馬体・気性面で順調に成長してくれることを願って飼養管理していきます。