goo blog サービス終了のお知らせ 

ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
『ホテル・カリフォルニアの殺人』(宝島社文庫)発売中です!

2025年参院選

2025-07-21 22:07:32 | 時事


 昨日、参議院選挙が行われました。

 結果に関しては、まあほとんど下馬評のとおりではありましたが……トランプ的な現象がいよいよ日本でも本格的に起こり始めたというところでしょうか。
 維新は今回の参院選ではかなり影が薄かった印象がありますが、かつて維新が勢いのあったころのポジションにいま参政党がいるということだと思えます。
 そうなると、参政党に問われるのは、今後維新を超えるようなパフォーマンスができるかということでしょう。
 いくら大躍進といっても、当面参政党が単独で国会の過半数を制するのも難しい話なので、他党との連立ということになってくるわけですが……そこで思い出すのは、かつて維新がそれをやろうとしたときの顛末です。
 十年ほど前に渡辺喜美氏の率いる「みんなの党」(旧)という党があって、維新はここと連携することで勢力拡大をはかりました。しかし、ちょうどその頃、代表だった橋下徹氏の従軍慰安婦発言や、その流れで出てきた維新所属議員による嫌韓的な発言が問題となりました。その具体的な内容はここには書きませんが……この失言問題で「みんなの党」は維新を突き放し、連携は白紙となったのです。(おそらくそれだけが理由ではないし、それで完全に関係が途絶したわけでもないといった注釈はいりますが)
 参政党も、同じような事態を起こす可能性は低くないでしょう。
 この参院選期間中だけみても、参政党は所属議員らの発言や、過去の著述内容などが多方面から差別的と批判されています。そうして叩かれることがむしろ党への支持を強めて躍進につながったという側面もあるでしょうが、他党との連携ということを考えたときには、そういうわけにもいきません。どこかの党と協力しようという話を進めていても、所属議員から差別的と批判されるような発言が飛び出せば、白紙撤回となることはありえます。そういったことが何度か重なれば、結局政策の実現性を疑問視されることになり、党勢も失速ということになるでしょう。
 つまりは……あえて差別的な発言で一部有権者の歓心を買い、批判勢力に叩かれることでむしろ人気を得るというようなやり方では、国政を担う政党にはなれない、ということです。そういう姿勢では、数十議席ぐらいの中小政党としてやっていくことはできたとしても、やがて飽きられ、もっと過激なことをいう別の新興政党が出てきたらそちらが脚光を浴びて一気に忘れ去られるというのがオチでしょう。そして、その新興政党も十年ほどかけて同じような道を歩み……となったら、こんな不毛なことはないわけです。参政党が本気で政権を担おうと思うなら、分断を煽るような言動(本人たちが否定しようと、客観的にみてそうでしょう)ではなく、包摂的なアプローチを……少なくとも、差別的と批判を受けるような発言は厳に慎むべきでしょう。