ロック探偵のMY GENERATION

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衆院選の結果からみえるかすかな希望

2017-10-24 00:16:07 | 時事
衆院選の全議席が確定しました。

与党の圧勝という結果で、一強体制はよくないという私の主張からすると、残念な結果に終わりました。

しかし同時に、ここ数年の選挙のなかでは、もっとも明るい要素のある結果だとも思います。

というのは、立憲民主党がよい戦いをみせたからです。

獲得した議席はそれほど多くはありませんが、候補者がそもそも少ないので、勝率でみれば3分の2以上が当選で、大勝といえます。

この結果を見て、民進党のこれまでの不振は、やはり内部に保守層を抱え込んでいたことにあったのだろうと思いました。
民進党内にかなりの保守層がいるために、リベラル系の有権者は民進党を全面的に支持することができなかった、それが、リベラル票の分散につながり、与党を利していた……それが今回は、民進党内から保守層が出て行ってくれたために、リベラル派は躊躇なく立憲民主党を支持することができたわけです。

はっきりとリベラルの旗を掲げれば十分に戦える。
そのことが、今回の選挙で示されました。
これは大きな収穫といえるでしょう。

今回は突然の選挙で候補者を十分に立てることができず、比例の獲得議席が余ってしまうというところもありましたが、立憲民主党がこれからきちんと体制をつくっていけば、与党の対抗しうる勢力はじゅうぶんに作れる見込みがあります。


そしてもう一つの希望は、解散という“伝家の宝刀”もしばらくは抜けないだろうということです。

解散総選挙もそんなに頻繁にはできませんから、前回の記事で書いた「新興勢力が勢力を拡大する前につぶしてしまう」という手も、しばらくは使えません。
ここは、与党側にとっても誤算だったと思います。
今回の解散総選挙で、与党は希望の党をつぶすことには成功しましたが、その代わりに立憲民主党という別の勢力を躍進させてしまいました。
このほころびこそが、チャンスです。
次の選挙まで、少なくとも一年以上はあるでしょう。立憲民主党は、その猶予を使ってじっくりと体制を整えればいいのです。

ここで、前回の記事で紹介したボブ・マーリィの I Shot the Sheriff から、また一節を引用しましょう。

Every day the bucket a-go a well
One day the bottom a-go drop out

「毎日バケツは井戸へいく。いつかは底が抜けちまう」

同じやり方を何度も続けていれば、いつかはほころびが出ます。
今回の解散総選挙は、一強与党のつまづきの石となるのかもしれません。