むらぎものロココ

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片田舎組曲

2005-03-08 01:52:00 | jazz
mabcsBACK COUNTRY SUITE
 
 
Mose Allison(p,vo) Taylor La Fargue(b)
Frank Isola(ds)

ザ・フーの「ヤングマン・ブルース」、ヤードバーズの「アイム・ノット・トーキング」など、モーズ・アリソンの曲は多くのロック・ミュージシャンによってカヴァーされている。この組曲の4曲目「ブルース」が「ヤングマン・ブルース」の原曲で、ロジャー・ダルトリーの踏ん張ったヴォーカルとは対照的なモーズ・アリソンの線の細いひよわなヴォーカルが聴ける。歌っているのはこの曲と「ワン・ルーム・カントリー・シャック」の2曲。
モーズ・アリソンはビバップの影響を受けたピアニストで、スリー・コードのブルースに即興演奏を加えたジャズ・ブルースがイギリスのモッズから高い支持を得た。ブルースといっても泥臭くなく、シンプルでスマートな演奏で、白人のブルース解釈としてブリティッシュ・ロックに影響を与えた。
「バック・カントリー・スイート」は手つかずの自然が残る新天地に人々が次第に暮らすようになり、気だるい夏の夜と厳しい冬を経て喜びの春を迎えるといった流れで組み立てられていて、アメリカ南部の情景が浮かんでくるようだ。
「ウォーム・ナイト」の気だるさ、「スキャンパー」のタイトルどおりの敏捷なピアノが素晴らしい。

収録曲
BACK COUNTRY SUITE FOR PIANO BASS AND DRUMS
1.NEW GROUND
2.TRAIN
3.WARM NIGHT
4.BLUES
5.SATURDAY
6.SCAMPER
7.JANUARY
8.PROMISED LAND
9.SPRING SONG
10.HIGHWAY 49

11.BLUEBERRY HILL
12.YOU WON'T LET ME GO
13.I THOUGHT ABOUT YOU
14.ONE ROOM COUNTRY SHACK
15.IN SALAH