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医療従事者以外のHIV暴露

2011-02-05 | HIV
治療を受けていないHIV感染者との暴露に関する推定リスク[Arch Intern Med. 2004;164(1):46-54.]
肛門を使った性交渉(受け手):2%
腟での性交渉(受け手):0.1%
肛門や腟を使った性交渉(攻め手):0.06%
オーラルセックス(受け手):0.04%
その他の性交渉による暴露:0.004%
針やシリンジの共有:0.3%
咬傷や暴行:0.004%

リスクは相手の性別、年齢、人種、薬物使用者等、その他の要因で異なるが、ウイルス量が特に重要となる。一方が陰性のカップルにおいては、ウイルス量の対数が上がるごとに感染のリスクが2.5倍となり、ウイルス量が1000コピー/mL未満では感染は認めない[N Engl J Med. 2000;342(13):921-9.]
キスで感染したとされるHIVもない

感染後の予防の適応[MMWR Recomm Rep. 2005;54(RR-2):1-20.]
・暴露から72時間以内
・腟、肛門、眼、口、その他の粘膜、受傷した皮膚、経皮的な暴露
・血液、精液、腟分泌物、肛門分泌物、母乳、その他の可視できる程度の血液を含む体液への暴露

適応がない条件は、暴露から72時間以上の経過、正常な皮膚での暴露、血液が可視できない尿、鼻水、唾液、汗、涙との暴露

予防薬はヌクレオシドの2剤併用もしくは3剤併用
4週間の内服が一般的であるが、コンプライアンスが低いことが問題
費用も問題となり2剤併用で約750ドル、3剤併用で約1500ドル、副作用を評価することでさらに費用がかかる

スクリーニング検査は、ベースライン、6週間後、12週間後、6か月後に行う
特に暴露から最初の6-12週間は二次感染予防を行うように教育する
具体的には性行為を避けるかコンドームを使用する、2か月献血等の検体を控える、母乳を一時中断する
暴露後2-4週間で(最大10カ月まで)単核球症様の急性HIV感染による症状を呈さないかどうかを注意する必要がある。

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