数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

米中戦争(3)知的財産やノウハウは買収してしまえ!経済帝国主義戦争の行方?

2016-02-08 20:53:08 | 米中戦争
 最近中国企業がやたらと海外大手企業を買収しているようです。どうやら習近平総書記(中国エリート集団)が国営企業の海外進出を加速するよう号令しているようです。

万達集団、米映画製作企業、レジェエンダリーエンタを買収、36億$、傘下に最大の映画館チェーン
中國の国営3社連合でトルコ第3の港、クムポート買収、イスタンブールの欧州側に位置
中國、ギリシャ最大の、ピレウス港を買収
WSJ、中國の海外M&A、16/1月で680億$、しかも米企業買収失敗先を買収で注目
「会計監査大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の中国・香港部門の取引サービス部門責任者デービッド・ブラウン氏は、向こう数年間は、毎年、中国企業による外国企業のM&A案件数が約50%ずつ増加すると予想している。」
「…年間、7000億$の経常黒字の中國は、過剰生産設備を抱えて国内投資はspaceがない、海外投資が主とならざるを得ない、国民の爆買いも、爆旅も爆投もとめられない、が、政府には限界がある、国営企業の海外投資は対抗策の1つでもある…」
「WSJ.com、今年に入り、中国が過去最大規模の外国企業買収劇を展開している。中国の景気鈍化や通貨安を背景に、中国企業は国外市場への進出を模索する。」
「米国では最近、企業買収案件に携わる連邦機関の対米外国投資委員会(CFIUS)が国家安全保障の問題を理由に、中国の投資ファンドによるオランダのロイヤル・フィリップスの照明部門買収を阻止した。この事業部門は米国に製造・研究・開発施設を持っている。
 今回の中国化工集団によるシンジェンタ買収案件についても、CFIUSの詳細な調査が行われる見通し。シンジェンタの種子事業の大半は米国の拠点で行われているからだ。(引用終わり)」
中國化工集団のシンジェンタ買収は、中國の農薬種子業界を飛躍へ導く可能性大きい、
「WSJ、中國化工集団によるシンジェンタ買収は中国勢による海外企業買収が新次元を迎えたことを象徴する。中国企業は政府の強い支援の下、海外からの技術やノウハウの取得に務めており、また自国での需要減速を受けて海外での販売拡大に新たな活路を見いだそうとしている。
 シンジェンタにとって、この合意は巨大な中国市場への足がかり拡大の可能性を意味する。一方、ケムチャイナはシンジェンタの種子開発に関する先進のバイオテクノロジーを手にすることになる。*この買収は中國化工1社の買収ではなく、中國化学全体が農薬の先端知財を獲得したことに大きな意義と昂揚がある…」

「中國化工、世界タイヤ大手、イ、ピレリ買収,15/3月
[ミラノ 22日 ロイター] - 中国の化学メーカーである中国化工集団公司(ケムチャイナ)は22日、イタリアのタイヤ大手ピレリ を買収することで合意した。イタリアの製造業を代表する企業の1つが中国勢の手にわたることになる。(引用終わり)」

中國化工、スイス、農薬種子最大手、シンジェンタ買収合意?470フラン
「中國企業の買収の狙いは知的資産の直接的獲得、ライセンスでは得られない人的資産の獲得である、人的資産はそれぞれに縁故世界を保有する、華僑的世界の拡大でもある、経常収支の黒字は年間7000億$台、その消化のためにも必要…」
「シンジェンタ(Syngenta AG)は、スイスに本拠地を置く多国籍企業。農薬や種子を主力商品とするアグリビジネスを展開している。農薬業界で世界最大手。種苗業界では、モンサント、デュポンに次ぐ世界第3位。2012年度の売上は約142.02億ドルであり、世界90ヵ国以上に27000人を越える従業員を抱えている。スイス証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場している。(引用終わり)」

シカゴ証取、中国の投資会社が買収

米政府、中国企業買収のNY高級ホテル利用中止も 盗聴など懸念

日本企業が長年の開発で培った最新技術が、中国企業に流出…怒涛の半導体業界再編の深層
「中国のM&Aは「0+1=1」

 図1の中に、中国企業によるM&Aが5件ある(黄色で示した)。中国企業によるM&Aは、「0+1=1」ではないかと思っている。というのは、中国には半導体の製造技術が決定的に足りない(もしくは無い)。そこで、ない技術を手に入れるために、金にものを言わせて買ってくるからである。その背景には、中国の半導体事情と中国政府による半導体政策がある。
 14年の中国の半導体市場は980億ドルで、世界半導体市場3330億ドルの29.4%を消費していることになる。これは、中国が“世界の工場”となり、また経済発展を遂げたために、中国が大量の半導体を必要としているからである。
 ところが、14年に中国で製造された半導体は、125億ドル分しかない。中国の半導体の自給率は、たったの12.8%である。つまり、中国では半導体の自給がまったく追い付いていないのである。私見だが、中国が半導体製造を苦手としていることに原因があると考えている。
 そこで、習近平国家主席は、半導体自給率の大幅向上のために14年6月に半導体新興を目指す「国家IC産業発展推進ガイドライン」を制定し、融資枠1200億元(約2.3兆円)の「中国IC産業ファンド」を設立した。中国Uphill InvestmentによるメモリメーカーISSI買収、中国Hua CapitalによるCMOSセンサーメーカーのOmniVision Technologies買収、中国JAC CapitalによるNXPのRF事業部買収、中国・紫光集団によるDRAMやNANDフラッシュなどのメモリ大手のマイクロンへの買収提案は、このような背景で行われたものであろう。」

「中国・紫光集団のあの手この手

 紫光集団は、台湾DRAMメーカー南亜科技の高啓全・総経理(社長)を執行副総裁に迎え入れた。高氏はマイクロンと合弁で華亜科技を設立し、現在も董事長(会長)職にある。つまり、高氏とマイクロンは深い関係にある。紫光集団は、この高氏にマイクロンと南亜科技の米中台3社提携を調整させている。あわよくば、マイクロン買収を実現させたいという目論見もあるだろう。
 次に、紫光集団は9月30日、37億7500万ドルを出資してHDDのトップメーカーのウエスタン・デジタルの15%株式を取得して筆頭株主となり、取締役1人を選任する権利を得た。この結果、紫光集団はHDDの技術を手に入れることができた。
 そして10月13日、東芝とNANDフラッシュメモリで合弁しているサンディスクが身売りを検討するニュースが流れると、マイクロンとウエスタン・デジタルの2社が買収に名乗りを上げた。この両社の買収提案には、どちらにも紫光集団の意向が働いていると思われる。結果的にウエスタン・デジタルがサンディスクを190億ドルで買収したが、例えマイクロンが買収したとしても、そこに紫光集団が絡んできであろうことは疑いの余地がない。
 こうして中国の紫光集団は、ウエスタン・デジタルを通じて東芝とサンディスクが15年間かけて共同開発してきたNANDフラッシュメモリの技術を、まんまと手に入れた。報道によれば、サンディスクはウエスタン・デジタルに買収された後も、東芝との技術提携を継続するという。つまり、今開発中の3次元NANDフラッシュメモリの最新技術も、丸ごと中国に渡るということである。
 中国の半導体メーカー買収攻勢は、これで終わりではない。交渉が難航しているマイクロンについても、決してあきらめていないだろう。もしかしたら、5年後あたりに、(カネにものを言わせた)中国が世界最大の半導体生産基地となっているかもしれない。
(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)(引用終わり)」


 中国は物凄い勢いで欧米企業を買収しているようです。もはや経済帝国主義国のような様相を帯びているように思えます。米国は安全保障上の懸念でささやかな抵抗を示しているようですが、どうもマネーの力というのは「絶対的な力」のようで、骨抜きにされてしまっているかのようです。もはや経済的に占領されてしまうのではないかとも思ってしまいます。
 残念ながら、上記の半導体の記事のように、日本の虎の子の先端技術も中国に移転してしまう恐れが高いようです。そうなれば中国の兵器は、またとんでもなくハイテクなものになることでしょう。

 中国の海外企業の買収戦略は、有余る経常黒字の捌け口としての役割(経済的動機)もあると思いますが、素人考えでは以下のようなことが思い当たります。

1.サイバー攻撃や一般人をスパイ代わりにして情報を盗むより、堂々と「合法的に?」知的財産と人材の「塊」である海外の大企業を買収してしまえば良いと考えるようになったのではないでしょうか。
 買収してしまえば、もう中国のコントロール化にあるのに等しいので、その企業の情報を吸い上げることができるし、またその企業の取引相手の他の大企業の情報もある程度入手し易くなるかもしれません。
 米国などから「もう盗むな(サイバー攻撃止めろ)!」と言われているのだから、今度は何でもかんでも買ってしまえば良いということでしょうか。

2.海外企業を買収することで、そのスタンダード(会計基準など)に合わせるために、中国企業の組織も合理化されるのを期待しているかもしれません。もう幹部がごっそり利益(裏金)を猫ババしたりすることはできなくなる。高度な会計・監査システムにより、がんじがらめになり、自動的に矯正されるのではないかと考えているのかもしれません?

3.企業や港湾施設などの買収は、いわば前線基地(橋頭堡・砦)を作るのと同じことだと思います。どんどん経済的に緊密になり、お金の力でコントロールできるようになれば、諜報・謀略はますますやり易くなるます。
 5年ほど前に副島さんが翻訳された『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』という本を読みましたが、米国という大国も、なにやら金融などでコントロールされてしまえば、その外交・軍事面もある国の国策に利用されてしまうようなこともあるようです。中国もこれを見習えば、米国は中国に間接支配されてしまう可能性も十分にあります。

 中国が大国になるという話は昔から言われていましたが、まさか本当に実現するとは思っていませんでした。そういえば、日本は高齢化がどんどん進行すると予想されても、10年ちょっと前までは、それほど実感できませんでした。しかし、今は街中が「接骨院」やら「デイサービス」やらの店舗・事務所で埋め尽くされようとしています。今後、あちこちで中国の存在が目立つようになるかもしれません。日本の会社も大部分中国資本にコントロールされてしまう日も来るかもしれません。

 中国は数学研究にも投資を強化しているようです。そのうち研究分野でも目立ち始めるかもしれません。ノーベル賞候補が中国人だらけになるなどということもあり得るのでしょうか。
 それとも、日本の大東亜共栄圏の夢が破れたように、中国の夢も頓挫してしまうのでしょうか。米国も最後の本格的な逆襲に出るかもしれません。米国の基礎研究(軍事研究とともに)の底力も凄いものがあります。米中戦争は今後ますます火花を散らすようになるかもしれません。

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