数理論理教(科学教)の研究

数理論理(科学)はどこから来て、どのような影響を与え、どこに行こうとしているのか、少しでも考えてみたいと思います。人文系

米中戦争(7)AI・ロボット戦争、勝者は「人間(米中)」ではなく「数理論理(機械)」?

2017-08-12 20:18:21 | 米中戦争
AI・ロボットですが、最近急速に研究が進んでいるようです。
「1.思考の読み取りと脳・機械間融合がホントに実現しそう
 テスラモーターやSpaceXを率いるイーロン・マスクが新会社Neuralinkを設立し、脳・マシンインターフェイスの実用化を目指している、というのは前回紹介したが、詳細がもう少しだけ明らかに。脳とコンピュータをつなぐことで「人びとの間に直接的な「非圧縮」の思考のコミュニケーションを可能にすること」が目的という。」
「イーロン・マスクとFacebookはしかしまだ始まったばかりの「夢」の段階。一方、脳活動パターンを解読して心を読み解く「ブレイン・デコーディング」を世界に先駆けて研究してきた京都大学神谷教授のグループも新たな成果を発表。脳の活動パターンと深層ニューラルネットワークの信号との相同性から、両者を対応付けることに成功したという。つまり脳内の情報処理と人工知能の情報処理とをリンクできたということで、脳と機械の融合に一歩近づく。この成果はNature Communications誌にも掲載された。」
「脳と機械との融合が現実味を帯びている。AI管理者が特権階級として人々の心を支配するといったディストピアな予想もあるが、1対1の接続のみならず「ブレイン・ネット」のようなものも実現したとき、そもそも人間社会が今の形を保っているのか。そのあたりも含めて気になるところだ。」

「4.空を飛ぶことのコストとハードルが著しく下がっている
…ドローンの話に戻ってしまうが、結局無人機技術はその素性たる軍事で進歩と実装が進むようだ。
 ロシア軍のミサイルは人工知能を搭載し、高度な編隊飛行と役割分担を行う。「グラニト」ミサイルは24斉射のうちの24発目が打ち上がるまで上空で機動待機し、標的付近にたどり着く1機がその位置と特徴を視認して他機に伝え、攻撃役や囮役などに分かれて攻撃を行う。なんとスマートなミサイル。
 また、中国は太陽光パネルを搭載し1年間滞空可能な新型ドローン「彩虹T-4」を発表、他のレーダーやミサイルと連携してより確実に米軍空母を沈められるとしている。
 中国と言えば群体ドローンによる飽和攻撃も開発中。(引用終わり)」

ロボットに脳の「遠心性コピー」を実装することで、「自他認知」「ミラーニューロン」「目標指向性」「利他的行動」といった乳幼児に起こる発育がロボットにもみられた
第3次ブーム人工知能は「目が見え始めた赤ちゃん」に相当し、この発展として「運動」「記憶」「未来予測」「言葉」そして「心の理論」といった能力の開発が進んでいる
第4次ブーム人工知能のブレイクスルーは「心の理論」や「認知革命」を実現するものになるかも」

「人間の脳には「遠心性コピー」と呼ばれる機能が備わっている。
例えばコップを持とうと発意して、実際に身体を動かし、つかんだとする。このとき脳は「つかむ」という結果に至る前に、身体を動かした結果をシミュレートして予測している。動作の結果が予測できるからこそ、手を伸ばし、さわり、つかむという身体の制御を連続的かつスムーズにできる。この脳の内部モデルとしての「身体の動きのシミュレーション機能」が遠心性コピーである。」
「遠心性コピーは、幼児期に実際に身体を動かして、脳内予測と実際に身体を動かした結果とを照合することで作られていく。子どもの動きがぎこちないのは、遠心性コピーが未発達であるからだ。

ここで長井氏は、「乳幼児の感覚・運動情報の予測学習が認知発達の基盤である」と、認知発達の観点で注目する。そして長井氏は「遠心性コピー」をロボットにもたせることを試みた。
通常のロボットであれば、人間が動作アルゴリズムを作り、実装する。一方で長井氏が実装したのは、ロボットに運動をさせ、ロボット自身が自分の中で予測アルゴリズムを創り出す、という機能だ。」
「1つめが「自他認知の発達」だ。乳幼児は5ヵ月程度で、自分の感覚が自分の運動に随伴するものであって、自分が空間の中に置かれた存在であると認識する。このとき、自己の動きと他者の動きとの予測誤差から、自分と他人とが別の存在であることも認識する。
ロボットについても同様の効果が得られたという。」
「興味深いのが「ミラーニューロンの創発」だ。ミラーニューロンとは「他者の運動をまるで自己の運動であるかのように認識するニューロン」である。

「遠心性コピー」を実装したロボットは、そのアルゴリズムの抽象系(深層学習の中間層に相当)を用いることで、他者の動きをも予測できるようになった。これはミラーニューロンに当たる。
 ミラーニューロンを持つことで、自己と他者の等価性を認識するとともに、他者からの随伴的応答を利用して、自己と他者の関係を認識することができる。」
「「遠心性コピー」を実装したロボットは、予測アルゴリズムと実際の運動との誤差を最小化しようとする。このとき、物体操作の学習において「目標姿勢」の予測誤差最小化と、それに至る軌道の最小化とにかかる時間には差があり、この時間差が乳幼児における目標指向性を生んでいるということである。」
「そして最後の効果が「利他的行動の創発」だ。「遠心性コピー」を持つロボットは予測誤差の最小化に努める。ここでロボットはミラーニューロンを持つので、他者の行動をも予測でき、さらには他者が目標に到達しようとすることの予測誤差をも最小化しようとする。つまり他者に補助的な介入を行う。(引用終わり)」


 もう囲碁でも将棋でもAIに人間はかなわなくなりました。AIはもの凄い勢いで成長しています。自立して考えられることになれば、寝る暇もなく学習するので、もはや「神」のレベルに至るかもしれません。
 AI+ロボット、この両者が団結すれば、人間などかなわなくなるのは目に見えてます。
 映画「アイロボット」のビッキのような存在のAIが出現し、欲望を制御できない不合理な人間は我々(AI・ロボット)が矯正しないといけない、矯正できない低能の人類種族は駆除するしかないと考えるかもしれません。それとも人間の脳とAIが融合し、すべてが者が瞬時にすべてのことを共有できることになり、存在そのものが有機的に結合してしまうこともあるのでしょうか。まさにマルクスが考えた「有機的構成の高度化」の究極な形??



 世界の産業用ロボットシェア4位の独クーカ社は中国企業に買収されました。ここも中国勢が日本を猛追することになると思われます。

参考:【米中AI戦争】加速する中国と失速するアメリカ…国家予算が物語る明暗「中国が人工知能に莫大な予算を投じるなか、米国では予算が削減されているとニューヨークタイムズが報じた。
 中国政府はこれまで、AI研究プログラムに数十億ドルを投入してきたが、今後もAIプロジェクトや関連スタートアップの研究に数十億ドルを支援する準備をしているという。一方、米トランプ政府は先週、人工知能関連の研究支援を減らす内容を含む予算案を公開している。
 ニューヨークタイムズは、ドイツで自律ロボット研究の博士課程を終えたセーレン・シュベルトペッカー(Sören Schwertfeger)氏について焦点を当てている。彼が研究拠点として選んだのは、欧州ではなく中国だった。Sören氏にとっては研究資金の支援が何よりも重要なことだったが、中国では欧州や米国の6倍の研究費が支給されたという。
「他の場所であれば、研究室を始めることはできなかったはず。研究費支援は米国と欧州では減っているが、中国では目に見えて増えている」(セーレン氏)
 現在、中国の多くの地方政府は、ロボット工学に数十億ドルを投入しているのだが、その一部はAI研究にもまわされる。例えば、中国湖南省の都市・湘潭では、ロボットと人工知能開発に20億ドルが投入されることになった。他地域では、AI産業に直接的なインセンティブが与えられることもある。深圳では、AIプロジェクトを開始する際に100万ドルが支援される場合があるそうだ。
 中国ではその他にも、国家的なAI開発の準備が着々と進められているという報せも聞こえてくる。規模は不明だが、その予算規模は数十億ドルに達する見込みと、メディア各紙が伝えている。一方、トランプ政府の予算案では、米国家科学財団の、いわゆる“知能システム”への支出は1億7500万ドルで、10%減額となった。他分野の研究開発も減少する予定である。(引用終わり)」

参考:中国ベンチャー投資が過去最高の3.5兆円…関心対象は「ロボット・AI・ビックデータ」「昨年、中国ではベンチャー企業への投資が過去最高水準となった。世界的にベンチャー企業への投資は縮小傾向にあるが、それとは対照的な様相となる。
 コンサルティング企業KPMGの報告書によると、中国ベンチャーキャピタルの投資額が昨年310億ドル(約3兆5000億円)となった。前年の260億ドルに比べ19.2%増加した額だ。なお同期間のベンチャーへの投資回数は、513回から300回に減少した。
 投資回数が減ったにも関わらず、総投資額が大幅に増えた背景には、大規模な投資が相次いでいる事情がある。例えば、中国最大の電子商取引企業であるアリババの金融系列企業アントフィナンシャルは、昨年4月に45億ドル(約5155億円)を投資されている。
 2016年の世界的なベンチャー投資は1270億ドル(約14兆5000億円)で、前年より9.4%減少した。アメリカとヨーロッパのベンチャー投資額はそれぞれ、12.2%(820億ドル→720億ドル)、11.1%(180億ドル→160億ドル)と減少を見せている。
 中国のベンチャー投資状況を地域別にみると、まず北京のベンチャー投資企業が全体の半分以上となる185億ドル(59.7%)を占めた。中国の各地方政府も新たな成長産業を育てるため、昨年初めからベンチャー企業の投資に積極的に乗り出している。
 KPMG側は「アジアの投資家たちの主な投資関心対象が変化しはじめている」とし「以前はO2O(オンラインtoオフライン)であったが、昨年下半期からは人工知能、ロボット、ビッグデータなどに変化している」と説明した。また、「フィンテック、教育、健康関連スタートアップへの関心が高まっている」と伝えた。
 またKPMG側は「今後、中国の海外ベンチャー投資は、新しい技術を取得するためにさらに増加するだろう(中略)特に米国が多数の中国ベンチャー投資家の投資対象となるだろう」と付け加えた。(引用終わ)」

 どうも中国のエリートの方は頭が良いようです??というか「数理論理・科学技術」が安全保障・経済でも核心的利益だと考え、利権的な欲望もあるでしょうが、昔の「士大夫」のように国家のために無私無欲で尽くすという気概もあるんですかね。
 とにかく中国4千年の歴史の中で百花繚乱のごとくの思想や技術体系などが蓄積されており、欧米の数理論理教も完全に分析し尽くして、自らも数理論理教徒になった、いや数理論理教も中国の根本思想に組み入れ、新たな宗教的バックボーンを持つに至ったのかもしれません。
 もしかしたらあの地獄のような「文化大革命」により、頭の中を白紙に戻せたのかもしれません。白紙にしてしまったので、「数理論理教」を完璧に取り入れることが可能になった?カルトの数理論理教は常識(道徳)ある社会には完全に受け入れられることはできないと思います。「すべてを数理論理に還元する」のが究極目的であり、人間という存在はその還元されたものの中に融合され、その完全性を共有することになるのです。
 なにかAIと脳の融合の話に共通するものがありますね?

 将来参謀本部はAIになり、作戦命令はAIが出し、実働するのはロボットということになると思います。人間が脳とAIが融合し、ロボットと同然になるかもしれません。

 
 いずれにしても、AI化(数理論理化)は加速しもはや止めることはできないと思います。今は人間が主導して行っていますが、近い将来AIが主導になりことは間違いありません。人間が抵抗しても、もはやAIの知的レベルにはとても及ばないことになります。

 神よ、すべてが合理的になり、欲望人間は矯正されてAIと融合し、もはや差別や暴力や様々な醜い行為はこの世からなくなるのですね!その時まで生きていられないと思いますが、醜い欲望が浄化されることを切に願います!



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1 コメント

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マルテンサイト千年 (グローバル・サムライ)
2024-07-11 18:23:42
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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