マウンテンドームアドベンチャー 白ヒゲおやじのエッセイ

この日記は1990年から数年間、高聴取率を誇り本にまでなった人気FM番組の20周年記念としての復活版である。

行きつけの店

2007年12月07日 | Weblog
 この春、車で片道30分の道程を20年にあまって通い続けていたラーメン屋が突然、閉めてしまった。
 今や、当地香川は「さぬきうどん」が代名詞になっている。「うどんは小麦粉と塩と水だけ、そして安価でしかも短時間で出てくるが、中華は、材料、調味料、それに手間もかかるから割高になる。だから給料日前はギョーザも出ない」と、この行きつけの店のおやじから聞いたことがある。それでラーメン屋が育たない、いや、もたないのかも知れない。オレは讃岐人だが中華が大スキだ。友人と2人で大ジョッキの生ビール6杯、特大どんぶりの味噌ラーメン2つ、ギョーザを75個も食って記録を作ったことがあるくらい、確かにこの店は旨かった。この馴染みの店がなくなって以来、ラーメン、ギョーザから足が遠のいてしまった。
 そんな矢先に三木町のベルシティーというショッピングモールの近くで面白い店を見つけて入ってみた。すると「ハーイ」と黒ヒゲをたくわえたのインド人の店主らしきが右手を上げて愛想よく出迎えてくれたではないか。互いの黒ヒゲと白ヒゲが一発で意気投合したように思い込み、車で片道40分の道程をまた通い始めることにした。
 この店では、カレーの辛度が50段階もあると聞いて、即座に「50!」を注文したら、なんと「やめとけ」ときた。インドから香川に移り住んで25年くらいというだけあって讃岐弁も黒帯だ。しかし50はかなり辛そうだが、ファイトが沸く。普通の人は辛度1~5くらいらしいが、オレはとりあえず10から始めた。回を重ねる毎に20、25、30と度数を上げていった。30ともなると汗が噴出す。回りは痛そうな顔をしている。しかしオレはまだまだだ。そしてとうとう「50!」と手で合図したら、今度はパキスタン人の店長が目を丸めて「35にしとけ」。50までの道程はかなり遠いようだ。
 夏が過ぎて、今度こそ!と勇んで出向いたら、なんと、またその店がなくなっていた。よって50の夢は叶わなかった。
 オレはカウンターでビールや酒を呑みながら店主と会話が交わせるような食事処がいい。くさい・きたない・コッテリ・からいの4K料理が特にスキなんだよなあ。次はどんな店と出会うのだろうか。