マウンテンドームアドベンチャー 白ヒゲおやじのエッセイ

この日記は1990年から数年間、高聴取率を誇り本にまでなった人気FM番組の20周年記念としての復活版である。

むろ

2008年09月29日 | Weblog
 山生活に入った頃、敷地内のアチコチに「アオゲラ」や「コゲラ」の巣穴がいくつもあった。しかし最近では一つとして見つけることが難しくなってしまった。

 そんな折、ほとんど足を踏み入れる人がいない冷たい沢に分け入って行き、いくつもの「むろ」と出くわした。
 「むろ」とは「室」と書き、古木にできる、苔で覆われた大きなコブに、自然に作られた空洞のことである。小動物や小鳥たちがエサを保存したり、子育てしたり、冬眠する穴のことで、年間を通して温度や湿度を一定に保てるようになっている穴のことである。

 オレはこの大自然が創った「むろ」がたまらなく好きだ。中から親指姫か、七人の小人でも出てきそう気がしてならないからである。このファンタジックな秘密の世界を自身以外に見せたのは女房だけ。これをそっとしておける人ならいつでもご案内しましょう。ただし、ゴム長を履いて険しい岩場を登れる人に限ります。

新メニュー

2008年09月28日 | Weblog
 このところ秋から冬用に施設内を模様替えしている。そしてきょう囲炉裏をオープンしたついでに、メインディナーの囲炉裏料理に「アホ・バカ・バルバコア」、鍋料理に「ミソ・ネグロ・エスペシャル」という新メニュー名をつけた。決しておちょくっているわけではない。真摯に考えた結果のことである。

 単なる囲炉裏料理とか○○鍋ではなんもおもろない。しかし「アホ・バカ・・・」とか「「ミソ・ネグロ・・・」ときたら、「一体、なんやろ?」となるに違いない、というのが狙いだ。
 「スペイン語でアホとは牛肉のこと、バカとはニンニクのこと、バルバコアとはバーベキューのことで、例のスペシャルラーメンに使っている黒味噌はミソ・ネグロ・・・」と、女将に教えられ、一発で気に入って決めた。

 試しにその「アホ・バカ・バルバコア」をオリジナル手法でやってみたら、なんと夫婦で1キロ近くの牛肉を食ってしまったではないか。「ミソ・ネグロ・エスペシャル」は、昨年からの大ヒット鍋。よって今さら紹介するまでもないのでやめとくが、当然、どちらも「バリうま、まいうー」だから食えるのだー。しかし、こんなに食われると採算が危うくなりそうだ。

―写真はミソ・ネグロ・エスペシャルが大受けしたクリス&デイビスとレスラーひで君―

ラテンミュージシャン現る

2008年09月24日 | Weblog
 この夏、凄いラテンミュージシャンが現れた。
 夏休みが始まった頃、ちょっとした空き時間に草刈りをやっていたら、コテージの一つからギター音が聴こえてきた。タバコを点け、一服休憩しながらそれとなく聴いているとギターだけでなく歌もかなりのもの。そうなるとすぐに「おい、おまえ」の仲になり、次回マウンテンドームライブへの参加を約束し合った。ついでに彼を「たけしート・ペドロ」、彼女を「きょキータ」と呼ぶことにした。

 互いに得意とするスペイン語で意気投合した女将が聞いた話では、彼は高校と大学でそれぞれ1年ずつ留学し、現地でコミュニケーションがわりにとギター1本かかえて単身南米へ。そしてラテン音楽にはまってしまった。
 大学時代はパラグアイ。高校はメコシキ?? 大学卒業と同時に大手電気工具会社に就職し、中南米部へ配属。現在、取扱い商品を猛勉強中。
 更に面白いのは、彼は双子の兄で、弟も同じ中南米音楽のパーカッションに凝っているという。次回ライブには双子のラテンミュージックが聴けることになった。

 マウンテンドーム専属おっちゃんバンドのメンバーも大歓迎するに違いない。白ヒゲがいうのだから間違いない。みなさん、大いに楽しみにしといてください。

男の慕情

2008年09月23日 | Weblog
 うちの母上様が逝ったのがゴールデンウイーク。はやいものでもう5ヶ月になる。

 「墓になんか入れたら承知しないよ。私の灰はおまえんとこの川に流してくれ」が遺言だった。
 自分の思い通りに生きてきた人間だから望むようにしてやりたかったけれど、かといって川に流すなんてことはさすがのオレにもできっこない。
 一昨日、82歳の誕生日を迎えたおやじは未だにお袋を仏壇に入れたまま毎日、手を合わせている。いじらしいというべきか、いい加減にしろ、というべきか。いや、これが「男の慕情」というやつだろう。やっぱり男女の間は惚れたほうの負けなんやなぁ。

 今日は秋分の日、お彼岸かぁ・・・。久しぶりに母上様とちょっと話してみるかな。

―写真は若かりし頃の母上様と同じように、敷地内でド派手に咲き誇る彼岸花群―

イッツ・ジョーク

2008年09月21日 | Weblog
♪ 白ヒゲ本が出版された2000年の暮れのこと。
著者のプロフィールに「○○大学軽音楽部卒」と記したところ、「○○大学にはそんな学部はありませんよ」と東京の誰かさんからクレームがついた。本当は経済学部たが、本気でやったのは軽音楽部での音楽活動と麻雀くらいのもの。そこで「学部」と「楽部」をかけて、ちょっと洒落たジョークを飛ばしただけやんかぁ。

♪ 昔、わが息子が高松商業高校のエースだったとき、高校野球夏の大会のTV中継に、義理がらみのコマーシャルを頼まれ、仕方なく「この夏休みは予約が殺到して予約以外の方の入場をお断りしております」というCMを堂々と流したことがあった。今思えばウソでもジョークでもなく本気でやったのだからすごい。こんな夢みたいな繁栄時代があったのだ。

♪ 生前のお袋様が特別養護施設でお世話になっていたときのこと。
担当ヘルパーさんと、介護認定の担当者から、「ご主人さんですか?」と声をかけられムッ!。確かにオレたち母息子はともに白髪頭だ。しかしあまりにもオレが可哀想やないか。冗談にもほどがある。

♪ 初めてのお客さんが若女将をみて「娘さん?」と聞くから、そうやーン↑ と答えると、「ウソやン、奥さんやろ?」と聞き返してくるから、実はそうなんや、と答えると、「ウソやーン! ほんまは娘さんやろ?」とまた聞き返してくる。
 どういうたらえんやー!

記念写真

2008年09月20日 | Weblog
 宿泊記念に撮ったお客さんの写真をオリジナルの絵ハガキにしてプレゼントし始めてもう5年年になる。
 デジカメで撮ったデーターを専属の写真やさんにメールで送り、絵ハガキにして後日、自宅に送ってあげるのだ。たかがデジカメといっても手間と費用はかなりのもの。ほとんどの人が喜んでくれるからいいものの、たのに反応のない人もいるから情けなくなるときもある。

 岸和田のタケちゃん宅から、
「今回の写真もまたまた素敵な額縁付で、じいじいも、ばあばあも、スゲー喜んでおりました。全員マウンテンドームのTシャツを着ィの、ほんまに家族6人共ええ顔で写ってました。あまりにええ写真なんでそのままリビングのテレビの真上の一番家族全員から見える場所に飾ることにしました。マジで我が家はマウテンドームだらけです。うちに来るお客さんが6人で撮った写真を見て、「ええ写真やなー」と口々に言ってくれます。ばあばあは行きつけの整骨院に持って行くし、じいじいは溜まり場の喫茶店に持って行って各々が自慢してきたそうです。何しろ大喜びこの上ないです。元々、家族の思い出作りにと、おじいとおばあ連れて行ったんですが・・・てゆーか俺の中では最初で最後かなって、勝手に思ってたけど当の本人達(老人二人ね)はあろうことか「次はいつ行くん?」と行く気満々なのです。普段、「俺ら4人が年に何べんも行くとこはこんなとこやで」って紹介のつもりやったんやけど、彼らもマウテンドームを、白ひげ親父を、純子女将を、あの山を、あの空気を、あの時間を気に入ってしまった様なのです。(Oh My God!!)ええ、そーなんですわ。もうズッポリハマっちゃったんです」。
 こんなホットなメールを送ってくれた。報われるとはこのこと。これからもできるかぎり続けていく張り合いができた。

台風

2008年09月20日 | Weblog
 「オープンカーで、4WDで、バギーで野山を駆け巡る最高の季節」
 とHPに売り出した途端に雨天続き。うちには無縁だが瀬戸内地方は未だに水飢饉の真っ只中だとか。
 昨夜から今日にかけて台風13号の到来で太平洋側で350ミリ、瀬戸内地方でも250ミリくらい降ると天気予報で騒いでいたがまた外れた。そのおかげで明日からの週末はキャンセルが相次いでいる。どうしてくれるのか気象庁さんよ。うちのようなアウトドアーを売り物にしているところはたまったものではない。年間トータルするとかなりのマイナスになる。厚生省、農水省のように頭を下げて「すんません」の一言くらいいってもおかしくはないだろうに。
 そういうオレも、少々腐ったものを食っても、宝くじを買っても当たったためしがない。

―写真は雨上がりに望める屋島の絶景―

ヘソP

2008年09月19日 | Weblog
 昔、二つの耳に3つのピアスというのを見て驚いたことがあった。
 そしたら7つのピアスの主婦が現れた。
 続いて10コ目を舌にあけ、気絶して救急車で運ばれたという呆れた高校生が現れた。
 そしてとうとう瞼に、唇に、金色の釣り針が引っかかってるのを見つけて、慌てて取り外してやろうと手を出したら、「なにすんねん! 単なるお洒落やねん! 余計なことせんとって!」で断られた。
 ところがどっこい今度は、ヘ、ヘ、ヘソピアスの登場だ。よくよく聞いてみると、ヘソに穴を開けると傷口が膿んでくるから、穴開けと膿との我慢くらべだという。それで「おっちゃん、セクシーやろ?」と迫られても、どう答えたらいいのか。だけどまぁ、ようやるわ。
 耳毛、鼻毛を抜くのでさえ悲鳴を上げるオレなんかにはどうしても理解できないお洒落らしい。

 ♪ そういえば、数年前の芥川賞に「ヘビにピアス」というのがあったのを思い出した。

◆ おっとー、なんちゅうこと。ブログを書き終わってすぐの今の今、その映画の封切り情報をTVでやっているではないか。偶然中の偶然。マジかよー。こんなことありかー。

退場命令

2008年09月17日 | Weblog
 夏休み明け早々、昔懐かしいあの「退場命令」が出た。白ヒゲ健在である。

 幼児連れが寝ている深夜にもかかわらず、奇声や悲鳴をあげたり、ハイヒールサンダルでデッキをたたきながら歩きまわったり、年甲斐もなく花火や、チューハイで大騒ぎする輩がときおりいる。
 一回目は「ニッコリ笑って、イエローカードやぞ」で済むが、二回目は「レッドカードが出る前にやめとけよ」と凄んで見せ、それが三回目となると「退場やあ!」となる。

 そんな先週も、夜通し泣き喚くガキ連れグループと、ワンキャン吠えまわるバカ犬愛好家と、客室で持ち込みした酒で大宴会する若者グループたちの競演の夜があった。 
 そのうち「うるさい!」、「静かにしてくれ!」などとおのおのが勝手なことをほざき合い始める。
 こんなときは「やかましいのはお互い様や。勝手にやれ、やれ」で知らんぷりしていれば、退場命令など発令しないでも済む。
 他人に迷惑さえかけかければどってことないのに・・・。身勝手な人間ほど他人の身勝手さに腹が立つらしい。

■写真は、ときとして宿泊客全員で楽しく盛り上がるマウンテンドーム名物のひげパーティー■

夜も寝ないで

2008年09月16日 | Weblog
 「夜も寝ないで昼寝して、飯も食わずにイモ食って・・・・・・柳亭痴楽はいいました」

 これはかつて「痴楽つづり方教室」というでラジオ番組の中で「柳亭痴楽」という古典落語家のあまりにも有名なセリフの一節であるが、
 「夜も寝ないで昼間から、飯も食わずに酒呑んで・・・お客さんのあとに寝て先に起きる。これができなくなったら、この商売をやめるとき」
これが白ヒゲの名セリフ(?)。

 決して自慢できる行き方ではないけれど、昨日も今日も・・・明日も多分大丈夫だろう。
 しっかし、ほんまにタフに産んでくれたんやなあ。うちのお親は・・・。