サッカーが、体力勝負だけでなく、頭脳勝負&心理戦ということを改めて知らしめてくれた試合でした。FIFAランキング4位のオランダによく対峙していたと思います。0-0で前半終了の時には、明らかにオランダの選手には動揺を隠せない選手がいました。
スナイデルにゆるしたミドルシュートは一瞬の隙をつかれたものですが、あの距離で無回転シュートを打たれては…。GKを攻めることはできないでしょう。問題はそのあとの選手交代。これが酷いものでした。中村俊輔選手は、チャンスを作るどころか決定的なピンチを二回も引き起こしてしまいました。また、自らシュートを打つべき時も相変わらずパスを選択。彼の全盛期を国立競技場などで見ているだけに残念です。もう彼のサッカースタイルが通用する時代ではないのです。あのブラジルでさえカウンターをする時代です。ショートカウンターができなければW杯で勝ち上がるのは難しい。スペインを見ても明らかです。ボールプゼッションだけではW杯は勝ち抜けない。
そして岡崎と玉田。シュートを果敢に打った大久保。練習や親善試合で結果を出せない選手がゴールを決められるはずもなく、交代は完全に裏目に出ました。ここは、確実にボールを前に運び、なんとなればシュートも打てる選手。そして、オランダの屈強な守備をものともせずシュートを打てる選手。といえば、稲本と森本を投入すべきだったのではないでしょうか。守備の意識は監督も高く、カメルーン戦では功を奏しましたが、決定的な攻撃の形がやはり作れませんでした。オランダにも疲れが出てきていたのですから、森本のように欧州に当たり負けしないフォワードを入れるべきだったのではないでしょうか。
交代で入った三人は、いずれも元のスタメン。その三人を代えたからこそチームが機能し、カメルーンにも勝てたのではないでしょうか。いわば交代の三人はジョーカーではなく二軍。それでも三人には、投入された意味を感じてどん欲にゴールを狙って欲しかったのですが、全くその迫力は感じられませんでした。獲物を狙う飢えたオオカミのような目つきが全くありませんでした。デンマーク戦でも同じような采配をしたら、決勝トーナメント進出はないでしょう。
地の利でアフリカが有利、時差のない欧州も有利などといわれましたが、ここまでの結果を見ると、そうでもないようです。カメルーン・デンマーク戦の結果もありますが、日本・デンマーク戦では、最初から勝ちに行く姿勢が必要でしょう。そして選手交代が勝敗のカギを握ると思います。今度失敗したらグループリーグ突破はありません。本田選手も前線であれだけ守備をしたらゴールは遠のきます。デンマーク戦では、デンマークがカメルーンに勝っているかどうかで相手の戦い方も変わるでしょう。しかし、日本は勝つしかありません。先手必勝の後、三人交代枠をすべて使って逃げ切り作戦で決勝トーナメントへ進むべし! がんばれニッポン!