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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山や茶臼山へ行かずともうちの庭が里山だった。ボタンヅル、ミナミヒメヒラタアブ、キキョウ、ヘクソカズラと万葉集(妻女山里山通信)

2022-09-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 週末の土曜日は、台風11号に刺激された秋雨前線の影響で、警報が出るほどの豪雨でした。明けて日曜日は台風一過?というような秋晴れ。しかし、昨夜の豪雨で山には行けません。仕方なく我が家の庭周辺を散歩。あれれ。妻女山や茶臼山と生態系がそんなに変わらないじゃないの。

 ボタンヅル(牡丹蔓、女萎)キンポウゲ科センニンソウ属の落葉つる性半低木。前の記事のセンニンソウと見比べると違いが分かると思います。ボタンヅルの葉は切れ込みがあります。花もやや小ぶりで純白というよりやや黄ばんでいます。やはり強い毒草なので注意が必要です。

 庭の雲龍杉に絡みついています。どこかから種が舞ってきたのでしょう。雲龍杉も剪定しないといけないのですが。

 サルスベリ(百日紅、猿滑、紫薇)ミソハギ科の落葉中高木。別名は、ヒャクジツコウ。もう残花です。おそらく父が植えたものだと思います。

 ニラ(韮)の花。ニラはスーパーでも見かけますが花を見ることは少ないかも知れません。ニラは、庭や畑の縁に生えている草扱いなので野菜と思ったことはありませんが、栄養豊かでニラせんべいやニラのおやき、餃子、ニラレバ、ニラダレと必需品です。

 ゴーヤの花に、なんとミナミヒメヒラタアブのメスが吸蜜に来ていました。妻女山でも探すのに一苦労するのに庭に来ていたなんて。オーマイガー!です。ハナアブ科ヒラタアブ亜科ヒラタアブ族ヒメヒラタアブ属。ゴーヤの花は2センチもないので、このアブがいかに小さいかが分かると思います。普通は目に入りません。それでも宇宙船地球号の重要な乗組員なのです。他にはツバメシジミやツマグロヒョウモン、キアゲハにミドリヒョウモン、タヌキ、シマヘビとかも来ます。里なのに山と同じだなとしみじみ思いました。来ないのは熊とニホンカモシカぐらい。

 今年はゴーヤがたくさんなりました。ゴーヤは制癌作用もあるといわれ栄養も豊富です。ゴーヤチャンプルーほか、肉詰めフライや煮物、漬物にも使えます。乾燥させたり冷凍すると通年食べられます。

 庭に二箇所ぐらいコムラサキ(小紫)が生えています。ここのは植えた覚えがないので鳥でしょうか。

 庭の片隅に、これも植えた覚えのないウドの大きな株があります。近くの畑には私が植えた株があるのですが。そんなで今年も山にウドを採りには行きませんでした。これも鳥でしょうか。

 このキキョウ(桔梗)は、畑にあった群生地の株を私が移植したものです。秋を告げる美しい花です。ただ、放っておくともの凄く増えるので要注意です。ドクダミももの凄く増えます。ドクダミ茶を作ったり、ドクダミを酢に浸けると、虫刺されや火傷、水虫の強力な薬になり、私は常備しています。

 アオツヅラフジ(青葛藤)ツヅラフジ科のつる性落葉木本。有毒の植物で、別名、カミエビ。鎮痛,利水作用があり、関節の水腫や疼痛などに用いられる薬草でもあります。このツルで工芸品を作る人もいます。

 ヘクソカズラ(屁糞葛)アカネ科ヘクソカズラ属の蔓(つる)性多年草。別名は、ヤイトバナ、サオトメバナ。万葉集にも詠まれています。古名は屎葛(くそかづら)。誰ですかね屁を加えたのは。
「菎莢(ざふけふ)に 延(は)ひ おほとれる 屎葛(くそかづら)絶ゆることなく 宮仕へせむ」高宮王(たかみやの おほきみ)
 菎莢はジャケツイバラ(蛇結茨)。「ジャケツイバラに絡まって延びていくヘクソカズラのようにいつまでもいつまでも宮仕えをしたいものです」というサラリーマン川柳の様なやや自虐的な歌。


 千曲川左岸から見る妻女山山系。左手前は里芋。その向こうはたぶん白桃。さらに長芋畑も見えますが、耕作放棄地が増えています。我が家の畑も川沿いにあって息子達が小さい時に父と大豆を採りに行きました。さつまいも畑だったこともあります。4キロぐらいのバカでかいさつまいもが採れましたが、今は耕作放棄地です。

(左)この夏最後の信州丸茄子のおやき。大きなナスは1個30円。シソと信州味噌は自家製です。(右)もち米があるのでイカ飯を作りました。昔、祖母や母や妻が作ってくれました。私は初めてです。北海道ぎょれんのレシピで作りましたが、市販のものはもっとひたひたの汁で煮て作りますね。でも初めてにしては美味でした。今夜は暑いので、やたら漬のぶっかけ蕎麦にしましょう。台風の被害が少ないことを祈ります。信州に最接近するのは、6日(火)です。遠くても豪雨はあります。命を最優先で。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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