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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ゼフィルスの季節。ホトトギスとカッコウが鳴く陣場平で撮影と里山保全。松代城へも(妻女山里山通信)

2016-06-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 信州の3月から5月にかけては非常に気温が高かった様です。季節が2週間早く進みました。それがこの一週間ほどはまるで冬型の様な気圧配置で、北海道では降雪もあったとか。菅平ではなんとマイナス1.9度。そして九州四国は梅雨入り。なんだかよく分からない気象状況です。NASAは最大の猛暑になると警告しています。季節柄仕方がないのですが、里山保全や畑仕事、原稿執筆や企画で少し過労気味です。やれやれ。

 ホトトギスやカッコウが鳴く森で、ヒメウラナミジャノメが舞い始めました(左)。活性が高くなかなかいいカットを撮影させてくれません。シロツメクサで吸蜜するセイヨウミツバチ(中)。以前はニホンミツバチも見られたのですが、千曲市による松枯れ病のネオニコ空中散布で全く見られなくなりました。今年は中止というので復活するでしょうか。コミスジ(右)。人の気配に敏感で、これもなかなか撮影に手こずる蝶です。

 陣場平のヨシの根掘りも完全ではないですがほぼ終了しました(左)。元々畑だったところなので、周囲と土質が全く違います。貝母の種を蒔いてみました。その陣場平の真ん中に立つクマノミズキ(中)。クマノミズキの花芽も少しずつ大きくなってきました(右)。クリーム色の小花はたくさんの昆虫が吸蜜に訪れます。

 ウスバシロチョウも今年は4月に出現(左)。交尾も終えてもうほとんどが姿を消しました。やはり例年より2週間ほど早いですね。ウラゴマダラシジミがいました(中・右)。2012年以来の撮影です。ネオニコ農薬の空中散布で姿を消していました。嬉しいことですが、2012年に比べると十数種類いたのが数も種類も激減しました。元に戻るのにはいったい何年掛かるのでしょう。千曲市や坂城町の行ったことは、まさに自然破壊の犯罪的行為です。更に今年、千曲市は中止する様ですが坂城町は実施。猛毒の枯れ葉剤を撒くという愚行を犯すそうです。ネオニコチノイド系農薬、グリホサート系農薬は神経毒です。ベトナム戦争の枯れ葉剤と成分は同じ。生物の中枢神経を壊します。水溶性なので野菜の内部に入り、洗っても落ちません。残留性が高く、癌、奇形、鬱病、多動性障害、脳の発達障害などを引き起こします。これはもう農薬ではなく農毒であると金沢大学の教授も言っています。

 ルリシジミ(左)。翅の表が水色の美しいゼフィルス。これは暗くてよく分からないのですが、おそらくマガリケムシヒキのメスがシリアゲの一種(未同定)を捕獲して体液を吸っているところ(中)。蝶やコガネムシも捕獲します。オオムラサキの幼虫の食樹であるエノキにできるエノキハイボフシ(右)。フジダニの一種がエノキの葉に形成する虫こぶで、ダニの生育場所となります。

 久しぶりに亡き山仲間だったKさんのログハウスで休憩しました。緑濃くなった千曲川の河川敷と西山。その向こうに北アルプスの鹿島槍ヶ岳がそびえています。今年は北アルプスの雪が消えるのが早いですね。耳を澄ますとあちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてきます。五感を集中させると、自然に溶け込むような感覚を覚えることがあります。そんな時はやってくる野生動物もこちらの存在に気がつかないということもあります。嫌いな人も多いので載せませんが、今日はアオダイショウの交尾を撮影観察することができました。
 この日はオフロードバイクで来た青年とログハウスで色々話しました。ボランティアで福島へ行くと鼻血が出たり体調不良になるとか、ネオニコチノイド農薬の話とか、拙書を見せて走れる林道の話とか。私は長年、編集アートディレクターをしていた仕事柄、性別年齢国籍人種を問わずにフレンドリーに話しをすることができます。

 そんなある日、所用のついでに松代城へ。『真田丸』で訪れる人も増えた様です。太鼓門前橋から左に真田幸隆に攻略された東条氏の尼巌城跡のある尼巌山と右に東山城跡(清滝城跡)のある奇妙山(左)。いずれも拙書で紹介しています。太鼓門(中)。櫓台から見る斎場山(旧妻女山で電柱の向こうの丸い山)(右)。
 ここが謙信の本陣と伝わる山頂で、円墳があります。現在の妻女山は、往古は赤坂山といい本来の妻女山の支脈の尾根の肩です。ここからは長い尾根の上に山頂がある様にみえますが、実際は尾根の400m向こうにあります。現妻女山にある長野市の看板にはそのことが書かれていないため、赤坂山を謙信本陣と誤解して帰っていく方が多いのが残念です。時間があればボランティアで説明していますが。皆さん本当に驚かれます。この日は櫓台で菅平から訪問の女性二人に声をかけられたので、斎場山のことを説明しました。

 妻女山展望台に戻って松代方面の眺め。妻女山展望台の南にある大きな駐車場の奥には、清野氏の鞍骨城への地図や、登山ノート、拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』のパンフレットなどが置いてあります。ご案内や講座や講演、原稿依頼や写真使用など仕事のお申し込みは、当ブログのメッセージを送るからお願いします。

妻女山の位置と名称について」妻女山と赤坂山と斎場山について。『真田丸』で訪問者が激増中。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 長野県シニア大学や自治体などで公表だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。


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