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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

宮彫りの名工・北村喜代松の木彫を求めて行脚の旅=その2 & 沼の原湿原と戸隠森林植物園(妻女山里山通信)

2020-08-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 朝6時半にマリンドリーム能生を出発。上越市に向かいました。8号から18号を南下。道の駅あらいで休憩の後で、旧北国街道沿いにある東本願寺新井別院へ。今回訪れた寺院の中では最も大きなものでした。

 貞享2年(1685)年に本願寺第16代一如上人が裁定を取り持った縁で新井掛所を開山したもの。本堂は、明治28年再建です。創設以来4度目の再建本堂で、度々罹災しています。

 非常に大きな寺院ですので、向拝(御拝)も広く、中央に龍、左右に虎を配置した龍虎図が、向拝柱と木鼻には、唐獅子と貘(ばく)が配置されています。木彫は、喜代松次男の後に彫刻家となった直次郎の作といわれています。

 中央の龍。龍虎図は、元々古代中国四方四神の思想です。東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武という四聖獣が世界の四方を守っているという思想。五経のひとつである中国の古典『易経』(周~漢時代初期)に関係し、「龍吟ずれば雲起こり、虎嘯けば風生ず」といわれました。

 向拝柱には、対の獅子。

 左に松に虎、

 右に振り向きの虎。

 両脇の木鼻には、鬣(たてがみ)が荒振る獅子と貘。境内には幼稚園があり登園したばかりの園児の声が響いていました。

 18号を南下して野尻湖へ。そこから古海を経由して斑尾高原へ。沼の原湿原へ着きました。ここは再び新潟県。妙高市になります。出発しようというところへ、小さな女の子二人を連れた若いお母さんが到着。珍しいな、だけど大丈夫かなと思いながら出発。

 シラネセンキュウの咲く湿原。木道は大丈夫でしたが、ないところは昨夜の雨で水たまりが。気温は高くないのですが湿度はほぼ100%。汗が吹き出ます。木道にはあちこちにミカドフキバッタとヒシバッタがいて、歩いていくと次々にジャンプします。

(左)コオニユリ(小鬼百合)。オニユリに似ていますが、花が小ぶりでむかご(珠芽)がつきません。(右)オオウバユリ(大姥百合)。高さが2mほどになりますが、今年のは少し生育が悪いようで、前回見たときより小ぶりでした。

(左)木道で日向ぼっこをしていたヒオドシチョウ(緋縅蝶)。(右)アキアカネ。

 高原の花火、シシウド(猪独活)。トックリバチやハナアブが吸蜜に訪れていました。

(左)紫陽花で交尾するヨツスジハナカミキリ。(右)やはり交尾をするミカドフキバッタ。諦めたかなと思った彼女たちが来ました。えらいねと。お姉ちゃんがロングコースを行こうとするので止めました。3キロほどあるし、足場が悪いところもありそうなので。花の名前とか教えてあげました。素敵な山ガールになると思います。

(左)戸隠へ向かう途中でお昼は、仁の蔵へ。天ぷら蕎麦。美味しい蕎麦でした。朝取りの野菜の天麩羅も美味。(右)ボタンコショウがなんと4つで100円。丸茄子をおまけに付けてくれました。天ぷらや炒めもの煮物やおやきに。たまに大当たりで凄く辛いものもあります。

 戸隠森林植物園。みどりが池にはコガモが泳いでいました。戸隠神社奥社の参道までは木道で10分ほど。朝から歩き詰めで疲れたので今回は、池の周囲だけの散策にしました。園内は普通にツキノワグマが出ます。
戸隠森林植物園:案内図や見どころなど

 ヒヨドリバナ(鵯花)で吸蜜するコヒョウモン。

 あちこちのヒヨドリバナで大量のコヒョウモンが吸蜜中。

 アサギマダラ(浅葱斑)タテハチョウ科 マダラチョウ亜科。最長2000キロも旅をする蝶として有名です。

 黒に縁取られた翅脈の間に浅葱色の美しい模様。

 その不思議な生態は、マーキング調査などにより、少しずつ解明されています。
ナショナルジオグラフィック「海を渡る蝶 アサギマダラ」
 道の駅しなので車中泊をして、最終日は野沢温泉へ向かいました。

 北村喜代松(三代正信)は、天保元(1830)~明治39(1906)越後市振村(現糸魚川市)の宮大工建部家に生まれました。北信から上越中越、富山の朝日町や宇奈月などに多くの作品が現存します。有名なところでは、真田信之の御霊屋がある松代の長国寺、鬼無里の祭り屋台と神楽など。
参考文献:宮彫りの名工 北村喜代松 著者 倉若昭一 写真・文 ; ふるさと草子刊行会 編; 出版社 ふるさと草子刊行会

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