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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の希少な貝母(編笠百合)が開花。見頃は13〜21日ごろ(妻女山里山通信)

2019-04-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山の陣場平の貝母(編笠百合)の群生地へ開花状況を観に行きました。蕾は下を向き始めました。暖かい日が続けば、今週末には見頃になるでしょう。

 上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたという陣場平の貝母です。あちこち探すと、日当たりの良い場所の貝母が二輪咲き始めているのを見つけました。昔は、全国各地に貝母の薬草畑があったようですが、ほとんど絶滅したようです。こんなに大きな群生地はここだけかもしれません。

 4月の茶花なので、茶道を嗜む女性にはお馴染みの花だと思います。下を向いて咲く慎ましい花ですが、これだけの群生が一気に満開になると、それは見事なお花畑になります。

 2009年のゴールデンウィークに偶然に発見したときには、ひどい藪の中に四畳半ほどの小さな群生地があるだけでした。許可を得てひとりで藪を切り払い、後に仲間が加わって保護活動を始めました。もっとも大変だったのは、切り開いたところにはびこったヨシとノイバラを除去することでした。
 貝母は、スプリング・エフェメラル。春の妖精といわれる薬草でありかなり強い毒草です。花後の種は東風に乗り西へ西へと増えていき、落葉松林の中まで群生地は広がってきました。ヨシとノイバラを除去したところには、種や球根を蒔いたのですが、それも発芽しました。数年後には群生地も二倍ぐらいになっているでしょう。

(左)咲き始めた貝母。(中)妻女山駐車場から20〜30分ぐらいで陣場平。(右)微かな踏み跡をたどって落葉松林の向こうへ。そこに貝母の群生地が現れます。そこへ信大生のカップルが。群生地に案内した後で、堂平大塚古墳へ。

(左)堂平大塚古墳。横穴式で古墳時代後期のものです。(右)その横にある今はなき山仲間のK氏のログハウスに案内しました。斎場山や会津比売神社の御由緒、古代科野国などの話をしました。やはり知的レベルの高い学生なので、非常に興味を持って聞いてくれました。ついでに拙書の宣伝も(笑)。紅梅が鮮やかです。

 その紅梅で吸蜜するナミホシヒラタアブ。ネオニコチノイド農薬が空中散布されると、ハチやハナアブは絶滅し、受粉ができなくなり生態系が著しく破壊されます。ラウンドアップや草退治などは絶対に使ってはいけません。水溶性なので洗っても落ちません。
ネオニコチノイド剤の使用が増え始めた2006年頃から、農薬散布時に自覚症状を訴える患者が増加。中毒患者には、神経への毒性とみられる動悸、手の震え、物忘れ、うつ焦燥感等のほか、免疫系の異常によると考えられる喘息・じんましんなどのアレルギー性疾患、皮膚真菌症・風邪がこじれるなどの症状も多くみられます。日本では、果物の摂食、次いで茶飲料の摂取、農薬散布などの環境曝露と野菜からの摂取も多い。受診した患者では、果物やお茶の大量摂取群に頻脈が見られ、治療の一環で摂取を中止させると頻脈が消失します。(東京女子医科大学東医療センター麻酔科医師 平久美子氏)
 ネオニコチノイド系農薬の人体への影響として、空中散布や残留した食品の多量摂取による心機能不全や異常な興奮、衝動性、記憶障害など、急性ニコチン中毒に似た症状が報告されています。
また、ネオニコチノイド系は胎盤を通過して脳にも移行しやすいことから、胎児・小児などの脳の機能の発達を阻害する可能性が懸念されます。(東京都神経科学総合研究所 黒田洋一郎氏):ダイオキシン国際会議ニュースレターより抜粋

(左)ナズナ(薺)。アブラナ科ナズナ属の越年草。ムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物といわれています。別名は、ペンペングサ、シャミセングサ。春の七草のひとつ。(中)ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)。(右)ホトケノザ(仏座)。いずれも春を彩るシソ科の野草です。

 堂平大塚古墳から観る千曲川と鹿島槍ヶ岳。河川敷のドロヤナギが青々としてきました。梅、杏、ソメイヨシノ、レンギョウ、カスミザクラ、オオヤマザクラ、ユキヤナギ、ウワミズザクラ、マルバアオダモ、リンゴと信州の春は、猛スピードで咲き乱れていきます。

(左)陣場平の下のギャップに咲くサンシュユ(山茱萸)。(中)ニワトコ(接骨木)。(右)ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)。ダンコウバイも見られました。

 妻女山展望台からの善光寺平の眺め。左に戸隠連峰と戸隠富士と呼ばれる高妻山。右に拙書でも紹介の飯縄山。飯縄神社の祭神は白狐に乗った烏天狗。高尾山薬王院の祭神でもあります。烏天狗は、古代ユダヤ人という説も。
 長芋畑は収穫が終わり、春風が吹くと砂嵐が舞い上がります。手前のソメイヨシノの蕾もだいぶ膨らんできました。

 近所の畑の角にある杏の花も咲き始めました。千曲市森の杏も今週末には見頃になるでしょう。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。私がインタープリターをし、自然や歴史についてお話しながらハイキングをします。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
松城夢空間ホームページ
GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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