モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ウラゴマダラシジミの共演。幻のルリボシカミキリと邂逅(妻女山里山通信)

2020-06-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 貴重な梅雨の晴天。たった三日間でしたが、雨上がりの初日は湿度100%で、熱中症になってしまいました。水分は補給していましたが、失われた塩分やミネラルはそれでは補給できません。足に痙攣が起きたのでスポーツドリンクを飲みましたが駄目でした。経験的には生味噌が一番効くのですが無い。帰宅して生味噌を大さじ2ほどなめて水をごくごくと飲むと、痙攣がスーッとひきました。
 そして三日目、ウラゴマダラシジミと、当地では幻のルリボシカミキリに出会えました。オオミドリシジミも発生しましたが、下に降りて来てくれずいいカットが撮れませんでした。

 妻女山山系のあちこちでウラゴマダラシジミが発生しています。シジミチョウ科 シジミチョウ亜科のシジミチョウで、幼虫の食草はイボタノキで、成虫もイボタノキやクリで吸蜜するので、その近くで見られることが多い蝶です。

 おっ!翅を開くかな。透けた翅が美しい。これ以上は開きませんでした。

 別の個体です。開くかな。

 開いてくれました。

 地面に下りました。青が美しい。私は望遠マクロでなく、マクロレンズで撮影するので、ギリギリまで寄らないと撮影できません。どうやったら逃げられないかは秘中の秘です。と言いたいところですが簡単です。気配を殺す。直に見ない。寄るときの動きは極限まで遅く。しかし、これが難しいのです。撮れたときは、ありがとうと言います。

 少し早めのお昼を食べに堂平大塚古墳横のログハウスを借りました。鹿島槍ヶ岳。ずいぶんと雪がなくなりました。眼下の千曲川も青く光っています。梅雨の豪雨になるとカフェオレの色に。

 ログハウスで、山椒味噌、縮緬山椒、なめこの瓶詰め、チャンジャのおにぎりを食べていると、10m位離れている杉の木に青い虫が登って行きます。もしやまさかとカメラを持って駆けつけると、なんと幻のルリボシカミキリが。いつも撮影したのは8月。6月に目撃したのは初めてです。興奮しました。

 上の方に登ってしまうと撮影できないので、杉の幹を叩いて落としました。ごめんね。石を登っていきます。触覚がすごく長いので、全部入れると本体が小さくなってしまいます。

 瑠璃色というか青色が少しあせていますね。老体なのでしょうか。

 カミキリムシって顔がけっこういかついのです。触覚のこの黒い節にはどういう意味や役割があるのでしょうね。

 なぜかカンスゲの草むらに突入しました。歩きにくそうでひっくり返ったり。どこへ行きたいのでしょうか。

 少し翅を開きました。右の石に飛び移るために飛ぶ準備です。飛ぶのは得意ではありません。

 飛びました。翅の下の模様を初めて見ました。右は着地した瞬間です。まだ翅が閉じきれていません。この後。2mほど飛んで、ツツジの茂みに入って行きました。いやあ楽しかった。

(左)陣場平に戻って朽木にゴミムシダマシ科のキマワリですかね。交尾しています。いや、よく見るとこれはオオヒラタシデムシですね。(右)貝母はほとんどが豪雨で倒れ、種はほとんど飛散しています。これは最後に残ったもの。増えてくれるといいのですが。

 下って駐車場から松代方面。左に奇妙山。右奥に根子岳と四阿山。もうすっかり夏の匂いがします。今日から県をまたいでの往来ができるようになりました。ただ、人混みは避けたいですね。人の少ない高原とか湿原とかを考えています。

■ルリボシカミキリ(瑠璃星天牛、瑠璃星髪切:Rosalia batesi )は、コウチュウ目(鞘翅目)カミキリムシ科ルリボシカミキリ属の昆虫ですが、国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれるほど美しい甲虫です。属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。元はラテン語のrosa(薔薇)でしょう。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができません。こういう昆虫を売買目的で捕る輩がいることを嘆きます。

死ぬと赤褐色に変化するため標本では見る事ができないルリボシカミキリの美しい瑠璃色(妻女山里山通信)

ルリボシカミキリの交尾と三角関係の修羅場に遭遇の昼下がり(妻女山里山通信)

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする