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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

斑尾高原沼の原湿原・希望湖・いもり池・笹ヶ峰ダムと乙見湖(妻女山里山通信)

2020-06-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
 三泊四日の旅三日目は、信州の高原に戻ります。平野は暑くなりそうです。8時過ぎに上越市はすでに28度ありました。

 朝6時半ごろのマリンドリーム能生から見る日本海。数え切れないぐらいのカモメが漂っています。カモメも色々種類があることを名立食堂のご主人から聞きました。これはユリカモメでしょうか。冬になると大きなオオセグロカモメが飛来すると言っていました。また、ウミネコというのも違う種類ですが、見分けがつきません。さあ渋滞が始まる前に信州へ出発しましょう。

(左)9時前に沼の原湿原の駐車場に着きました。綺麗なトイレもあります。本当は向こう側の赤池方面から来る予定でしたが、昨年の台風19号の災害で通行止め。斑尾高原の別荘街から希望湖への道を来ました。そこも多くの場所で復旧工事をしていました。大災害に遭った穂保などと違いニュースでも全くやらなかったので知りませんでした。(右)左のカットの小さな物置の向こう側から下るとすぐにこの入口です。右へ歩きます。ヒグラシの合唱とホトトギスの鳴き声が聞こえます。

(左)斑尾高原のトレッキングトレイルの地図。約80キロある信越トレイルの起点でもあります。(右)沼の原湿原のルートマップ。湿原の重要性は、近年さらに高まっています。ちなみにここは新潟県です。この辺りは時々どちらにいるのか分からなくなります。それぐらい長野県と新潟県は親(ちか)しい関係なのです。

 湿原の入り口。昨年の7月31日に訪れた時に、ここで信越トレイルを歩き始めたジョージアから来た日米ハーフの環境学を学ぶ女子大生と邂逅し、楽しいひとときを過ごしたことを懐かしく思い出しました。現在アメリカは、トランプの悪政のため新型コロナウィルスでひどいことになっていますが、彼女は元気でしょうか。遊歩道はきれいに除草されています。この先から木道になります。前回はショートコースを歩きましたが、今回は2.8キロのロングコースを歩きました。

(左)吸蜜するハナアブ。おそらく総苞が粘るノアザミでしょう。(右)カキツバタ(燕子花、杜若)。花言葉は「幸運は必ず訪れる」。アヤメ(菖蒲)と似ていますが、カキツバタは、花びらの中央に尖った白い模様があり、アヤメは網目模様があります。

 発生したばかりのヒオドシチョウ(緋縅蝶)。翅も全く傷がなく綺麗です。幼虫はエノキの葉を食べます。成虫で越冬します。春を告げる帳です。

(左)ハナニガナで吸蜜するコヒョウモン(小豹紋)。食草はオニシモツケ。やや小型です。(右)ヒョウモンチョウの仲間は似ているものが多く同定が難しいのですが、翅の裏を見ると分かることが多いのです。

 これも発生したばかりなのでしょう。綺麗です。

(左)バッタの仲間ですが初見です。調べると、キリギリス科のヒメギス(姫螽蟖)と判明しました。(右)オオヨコバイでしょうか。ハゴロモの一種であることは間違いないですね。カメムシ目ヨコバイ亜目ハゴロモ上科の昆虫です。妻女山でスケバハゴロモを撮影したことがありますが、儚げで美しい昆虫です。

(左)ニッコウキスゲで吸蜜するアゲハチョウ。(右)モリアオガエルの卵なんですが、左のはオタマジャクシになって落ちても下が水面じゃないのですが大丈夫なのでしょうか。すぐ近くが清流なので跳ねて入るのでしょうけど。

(左)咲き始めのウツボグサ(靫草)。(右)ニッコウキスゲ(日光黄菅)。我が家の畑には、私が山から移植した仲間のヤブカンゾウがあります。つぼみは金針菜といって中華の高級食材です。

 せっかくなので希望湖へ。600円で釣りができます。キャッチ・アンド・リリースです。向こうに見えるのは斑尾山。

(左)斑尾から野尻湖に戻り黒姫へ。「高沢」で昼食。希少な翡翠蕎麦と旬の根曲がり竹の天ぷら。抹茶塩でいただきます。やや緑がかったもっちりとした蕎麦で、美味でした。(右)そこから池の平のいもり池へ。新潟県です。なんとビジターセンターが取り壊されていました。聞くと老朽化で建て替えだそうです。良かった。昨年のブログにありますが、展示品が面白いのです。

(左)蓮の花。紅色のもあります。(右)ミヤマヨメナかな。湖畔の庭園なので園芸種のミヤコワスレかもしれません。

(左)シモツケソウ。妻女山にあるのは木本のシモツケです。(右)ミズチドリ (水千鳥)のつぼみ。ラン科ツレサギソウ属の多年草。別名は、ジャコウチドリ(麝香千鳥)。戻って笹ヶ峰ダムの乙見湖へ向かいます。苗名の湯から10キロほど山を登ります。

 妙高杉ノ原スキー場から望む野尻湖。山の向こうは飯山辺り。

 笹ヶ峰ダムの乙見湖から望む丸い焼山と右に火打山。天然記念物の雷鳥が生息しますが、絶滅しかかっていて危機的な状況です。

(左)アカシジミですが、実は二頭いて、手前のメスは吸蜜に夢中なんですが、向こう側にいるオスは交尾したくてたまりません。『愛の不時着』の様にはならないかもです。(右)妻女山山系では姿を消したウスバシロチョウが。

(左)レンゲツツジも今が満開です。(右)銀河の星屑の様なヤグルマソウの花も最盛期。山を下り、苗名の湯に入って長野県へ。道の駅しなのへ。FM長野のユキ・ラインハートの番組を聞きながら、田崎真也さん監修のメルローで晩餐。見上げると北斗七星。さて明日は最終日、どこへ行こうかと思案しながら眠りにつきました。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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