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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

独鈷山。下界は早春でも上は真冬でした・・(信州妻女山里山通信)

2012-03-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 独鈷山(とっこさん・どっこさん)1266.3mは、信州の鎌倉と呼ばれる上田市の塩田平にある険しい山です。弘法大師が独鈷という仏具を山頂に埋めたという伝説から名づけられた修験の山です。山の周囲には、前山寺、龍光院、塩野神社、中禅寺などの多くの古刹がある歴史の里。山脈が鋸の刃のように切り立っていることから、信州の妙義山ともいわれます。

 登り口は四方にあり、南に丸子町の宮沢コース、北に上田市の西前山コース、西に沢山湖コース、東に平井寺コース。今回は、別所温泉にも近い中禅寺近くから登る西前山コースを選びました。帰りは沢山湖コースを下ってループとすることも考慮しました。

 春休みの長男と山でも登ろうかと。長野市の山は雪があるので上田ならあまりないかなと、今回初めて独鈷山に挑んだのですが、一度雨で溶けた後に凍結して、さらに積雪があったため、真冬以上に厳しい状態となっておりました。谷を詰める滝ノ沢の林道はつるんつるんのアイスバーン。杉の落ち葉の上を歩いたり、脇を通ったり。やがて積雪も増してきましたが、数日前に登った人の足跡があり、そこを辿れればいいのですが、足跡が凍結している有様。

 杉や檜の植林地を抜け、ニホンカモシカとノウサギの足跡を横目にミズナラの急登にかかると、積雪の下はアイスバーン。不用意に足を置くとつるっと滑ります。エッジをきかせて登っていくと、なんとか稜線に出ました。トラバースの後、大岩下の急登を這々の体でこなしてやっとこさ展望岩へ。感動ものの360度の大パノラマが待っていました。そこから幅1mあるかないかの凍結したやせ尾根を進んで高さ5mほどの急登へ。長男がアタックしたのですが、アイスバーンでつるつるで足を置く場所がない。なんとか途中までは登ってみたのですが、危ないから止めようということに。アイゼンがあればなんなく登れたでしょうけど、我々はなかったので。また初めてだったので、その先の様子を知らなかったということもありました。

 山頂はすぐそこに見えるのですが、命あっての物種。展望岩に引き返しました。岩には雪もなく、そこで昼食。畳2枚もない狭い岩の上で、足下は斜めで凍結しているので、ザックを落とさない様に固定してパノラマを撮影しました。息子は味噌ラーメンの支度。自家製キムチと魚粉を持ってきました。おにぎりは、鮭タラコマヨと野沢菜炒めの二種類。風もほとんどなく美ヶ原から穂高、槍、鹿島槍、白馬、戸隠、火打、妙高、四阿、烏帽子、浅間ともの凄いパノラマ。眼下には溜め池の点在する塩田平。去りがたい絶景でした。

 展望を堪能して、さて問題の下山。これが大変でした。首から下げた一眼レフを雪に何度かダイブさせながら、やっとのことで雨首との稜線出合いに戻り、ミズナラの森を急下降。滑るので太腿がきつい事。やっと植林地へ下りた時にはけっこうヘロヘロになっていました。虚空蔵堂に戻り、疲れた体を癒しに別所温泉の大湯へ。近隣のおじいさん達が来ていました。独鈷山へ登って来たんですよと言うと「そうかえ」と、なんでも昔は小学校2年生以上は、遠足で登ったとか。沢山コースらしいのですが、信州の子供達は逞しい。このコースは、昔は一般的だったようですが、現在は登る人が少なく、一部コースが不明瞭とか。一般的なのは、今回登った西前山コースと南の宮沢コースのようです。1月には平井寺コースで滑落死亡事故も起きているので、低山といえども侮ってはいけません。

★このトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るフォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】に掲載してあります。 こちらをクリックしてご覧ください

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