初めてメールをいただいた時に、ロゲイニング?????とはてなマークが私の頭の上を飛び交いました。なんですかそれはという感じで、かいもく見当がつきませんでした。なんでも私のサイト・フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS】をチェックポイントを作成する際に参考にされたとか。非常に役に立ちましたと感謝の言葉を頂き、招かれましたので、どんなものでしょうと5時間コースのスタートと、10時間コースのゴールと表彰式を見学させていただきました。
お話を伺うと決められたコースを回るのではなく、予め決められたチェックポイントを時間内に上手く回って証拠写真を撮り帰ってくるというものです。チェックポイントには点差があり、制限時間内にルートをどう組むかが勝敗の分かれ目でもあります。ポイントは史跡も多く、回るだけで旧埴科郡のかなりの数を見学できます。
しかし、高得点のチェックポイントは標高の高い山にあり、走って上り下りしなければなりません。選手には地形図が配られますが、当然読図力が要求されます。迷いやすい場所や危険箇所、廃道などは記載されていますが、純粋に登山地図として見た場合でも縮尺が大きすぎて、これを頼りに山に登るにはかなりの経験が必要です。山には登山道だけでなく作業道や獣道もたくさんあるからです。また、標識をひとつ見落としただけでも相当なタイムロスになるか、場合によっては危険も伴います。
というと、かなり高度な訓練をした人しか参加できないように思われますが、そうではないんです。ルートを選べるので、自分たちに合ったコース取りをすればいいのです。つまり、高得点の山頂をいくつも踏破するハイレベルのチームもあれば、里のポイントをせっせとかせぐチームもあるわけです。ファミリーでの参加も可能なわけです。どおりで小学生を含んだファミリーチームもたくさん出場していました。
とはいえ10時間コース男子優勝チームのルートの取り方とその距離は想像を絶するものでした。とても常人には10時間で回れるコースではありません。写真の地図のオレンジの線がそうですが、南は五里ケ峯から鏡台山。松代から行って帰ってくるだけでも軽く20キロ以上あります。その上かなりの標高差とアップダウンがあります。私は、その体力もですがルート取りの上手さに感心しました。ロゲイニングは、体力も必要ですが、かなり頭脳を使うスポーツでもあるのです。
5時間コーススタートの後、用があって妻女山のわが家の山から陣場平まで旧道を登ったのですが、背後から枯葉を踏み近づく足音が、ハッとして振り向くとロゲイニング参加者の男女でした。彼らは私を追い越し、私が昨年作ったばかりの山道を「踏み跡がある」といって陣場平へと駆け上がって行きました。ついて行くと陣場平を横切り林道へ、その後は天城山方面へ向かったのでしょうか。そのコース探索の鋭さには驚きました。地形図と方向を見て近道と判断したのでしょうね。さすがだと思いました。ただ、熊鈴は必ずつけてくださいね。熊は走っているものを追いかける性質があります。遭遇したら普通の登山者より襲われる確立は高いし、どんな速い人でも熊のスピードにはかないませんから。
ゴールでは、最後までねばって近場のポイントを回る人、ヘロヘロになって帰ってくる人、余裕の表情の人、色々でしたが、いずれも充実感に溢れた表情でした。なかなか奥が深いスポーツです。埴科の山々は自然も歴史も豊かです。競技ではなく、ゆっくりと味わいながら、今回行けなかったところなども含めてもう一度歩いてみても面白いと思います。ロゲイニングについて、今回の大会結果や詳細は、TORECNAOをご覧下さい。
★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】には、今回のチェックポイントにもなった、妻女山、天城山、鞍骨城、尼厳城、鷲尾城、葛尾城、唐崎城、東山城、森将軍塚古墳、倉科将軍塚古墳、土口将軍塚古墳、清滝、三滝などのトレッキングルポがあります。