モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

冠着山・鳴海新道を踏破!(妻女山里山通信)

2010-05-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 別名の姥捨山の方がある意味では有名かもしれませんが、千曲市にある冠着山は川中島の人にとってとても馴染みのある山です。冠着山に雲がかかると天気が崩れるといわれているからです。この冠着山には登山道がいくつかあるのですが、最近は車で山頂直下の鳥居原か坊城平まで行って30~40分で登るのが一般的になってしまいました。

 ところが昔は、色々な尾根の先端や谷から山頂へのルートがありました。そのひとつが今回の鳴海新道です。地元の古老から昔は登山道があったと聞いた坂城在住の鳴海さんが、なんと20回以上も通い詰めて灌木を切り払い、苦労の末に昔のルートを開通させたのです。そこで、今回トレッキングのお誘いがあったので参加しました。

 参加した理由は、実は高校一年の遠足でこのルートを下ったことがあるからです。当時は学生服にナップザック、ズックという出で立ちで、冠着駅下車で麻績から冠着山へ登り、帰路は「ぼこだき岩」横を下りて今回の尾根を下り、麓の佐良志奈神社で解散というものでした。当時の記憶が蘇るだろうかという期待もありました。また、母が昭和16年に女学校で同じルートを歩いたというのです。「ぼこだき岩」の横は大変な崖とガレ場で、とんでもなく怖いところを下りてきたので記憶が鮮明に残っているのだそうです。

 このルートは4つのピークを越えなければなりません。標高差は880mぐらいあり、急登続きのハードなコースです。予定時間は3時間半。上田から参加の方達と松代から参加の方達で総勢十数名での山行となりました。

 ひと言でいうと本当に急登続きです。そして長い。五里ケ峯山脈や戸神山脈ほどではないのですが、とにかく急です。それでも、まばらではありますが、ずっとカタクリが咲いていて心を和ませてくれました。中間点には正城城跡もあります。また鳴海さんが作った展望台が4箇所あり、北アルプス、戸隠連峰、蓼科山などのパノラマが堪能できます。

 山頂直下の「ぼこだき岩」は、母親がぼこ(赤ん坊)を抱いているように見えることからの命名ですが、松代地震で上半分とぼこが落ちてしまいました。ぼこは下に斜めになって立っています。この「ぼこだき岩」の左手から鎖場を経て山頂に向かうルートがあったのですが、今は廃道になっています。

 他には北の冠着神社一の鳥居から久露滝経由で登る冠着神社(表参道)コース。現在も遠足で使われている冠着駅からのコースがあります。今回の鳴海新道も、佐良志奈神社コースとして復活しました。ハードですが、なかなか味のあるコースなので、多くの人が登るようになるといいなと思います。人が歩かないと10年もすれば道は消えてしまいます。ハードということを除外すれば、特に危険な箇所はありません。体力にある程度自信があれば充分に楽しめるコースだと思います。




★このトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしました。ぜひご高覧ください。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
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