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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

絶品! ニシンのオリーブ油煮(アヒージョ):新信州郷土料理【妻女山里山通信】

2008-07-01 | 男の料理・グルメ
 ニシンは、和食だと身欠きニシンの煮物で鰊蕎麦が有名。干物か半生で割とくせのある魚として認識されていると思います。鮮度のいいものなら塩焼きもいいのですが、洋風にオリーブ油煮にすると、これがあのニシン?と思うぐらい上品な白身魚。ノルウェーに行った時には、友人の家でニシンの酢漬けをカンパーニュに挟んでよく食べました。残った酸っぱい汁にタマネギのスライスを漬け込んだら、ポルトガル人の友人が絶賛してくれました。今回使ったのは、ノルウェー産の冷凍ニシンです。

 オリーブ油煮は、いわゆるオイルサーディンと作り方は同じです。ニシンは、まず三枚におろします。この時、数の子が入っているか、白子が入っているかが楽しみです。大きな骨はともかく、細かな小骨は火が通ると食べられるので、そのままでOK。三枚に下ろしたら、半身を半分に切ってフライパンに並べます。

 塩コショウし、白ワインをふり、つぶしたニンニク3片、タカノツメ1本、フレッシュローズマリーの枝1本、ジュニパーベリーの実をつぶして3~5粒。オリーブ油とサラダ油を半々ずつかぶるまで入れて、20分ほどマリネします。

 フライパンに火を付け、小さな泡がふつふつと立つぐらいの弱火で煮ます。火が強いと揚がってしまいます。あくまでも油で煮るのです。オイルサーディンだと小骨が食べられるまで40~50分必要ですが、ニシンは、20~30分ぐらいで充分です(小骨が食べられるのが目安。火力は見ながら調節を)。牡蠣や海老、ホタテやタコなら5分で充分です。ただ、スペイン料理のピルピルの様にしたければ、油が白濁するまで煮ます。するとエキスがほとんど油に移るので、それにパンを浸して食べます。これもおすすめ。
 数の子と白子は、上に乗せますが、すぐに火が通るので少し早めに取り出します。特に数の子は、火を入れ過ぎると硬くなってしまいます。

 今回のポイントは、ジュニパーベリーを使ったこと。ジュニパーベリーは、ヨーロッパ原産のヒノキ科の常緑針葉樹の杜松(ねず)の実で、暗紫色で松ヤニのような樹脂独特の香りがあり、ジンやリキュールの香りづけに使われます。ジビエなどの肉料理やドレッシング、ザワークラウトなどに使います。ガーリックやマジョラム、ローズマリーなど香りの強いスパイスと相性が良く、マリネやパイなどにも最適。ブランデーやジンなど、お酒との相性もとてもいいんです。薬効は、 むくみや水太りの解消、リウマチ、肝臓障害や糖尿病に有効だとか。

 さらに今回は、ニシンの風味漬けにローズマリーと合わせて使ってみました。小骨を食べてみて食べられるようなら火を止めます。小骨に火が通らない様なら若干火力を強めて。出来上がったら、そのまま冷やして密閉容器に入れ冷蔵庫で保存します。オードブルにもいいし、日曜のブランチにレモンをしぼってサンドウィッチにすると最高に美味です。パンはカンパーニュやライ麦パンが合います。いわゆるドイツ系のパンですね。ビールのつまみにも。トマトパスタに加えても美味。オリーブ油で煮る前に、市販の缶詰や瓶詰のように軽く燻煙してから調理しても美味しいと思います。
 オリーブ油煮は、覚えると応用が利いてとても便利です。特に牡蠣のオリーブ油煮は、絶品です。応用で牡蠣のオリーブ油煮のピザも。これは旨いです。タコと海老のオリーブ油煮もお勧め。カイエンペッパーを振ればイタリア南部のカラブリア地方の料理に。お試しあれ!

 色々な魚介類のオリーブ油煮の料理は、MORI MORI RECIPE・男の料理にたくさんあります。西洋料理の項目をご覧ください。最近はアヒージョとかピルピルとか人気ですね。国や地方によって使う食材や呼び方や食べ方にも色々ある様です。贅沢すぎますが、和風なら純正椿油を使って牡蠣とか牡丹海老とかのを作ってみたいですね。和風高級アヒージョですね。椎茸などのキノコや山菜なんかもどうでしょう。アイデアが膨らみます。

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コメント (4)
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