風に吹かれて アンマン

日々の想いを記録に残せたらと願っている
内容は「ヨルダン事情・風物詩・気質」「中欧旅行記」「シリア旅行記」などからなる

結(沖縄音楽公演)

2008-08-13 | ヨルダンでの日本文化紹介
久しぶりに「君が代」を聴いた。

日本大使館の後援により結(沖縄音楽公演)がフセイン公園で催された。


(公演を知らせるポスター)

公園は我家から車で15分くらいの所にあり、広大な敷地内にサッカー練習場などのスポーツ施設
いくつかの野外施設からなっており、この季節夕涼みがてらの家族連れで賑わっていた。

公演は奥の小高い丘にあるローマ劇場を思わせるような施設で行われた。
入り口には日の丸の上に漢字、アラビア語、英語で日本を表わす看板があり、
ゆかた姿の若い女性やカップルも数組見られ、ここをヨルダンと思わせない風情もあった。


(入り口近くの看板)

8時になると、日本大使の案内のもとライヤ王女が入場される。
なんでもライヤ王女は現国王の腹違いの妹君だそうだ。

王女、大使が貴賓席に到られると同時にヨルダン国歌の演奏、全員自然と起立する。
つづいて「君が代」の演奏が厳かに始まった。
とたんに琴線に触れるものがあり目頭が熱くなるのを感じた。
異国で聴くせいであろうか、今まで聴いた中でも一番にあげられるくらい
心の奥底までズシーンと響いた「君が代」であった。

沖縄音楽がヨルダン人に受け入れられるのだろうかと心配したが、皆真剣に聴き入り、
また沖縄舞踊を楽しんでおり、拍手のポイントも当を得ていた。
音楽に国境のないことをあらためて感じる。


(沖縄舞踊と演奏)

「結(ゆい)」とは昔から見られるもので、小さな集落や自治単位における共同作業の制度である。
富山県の五箇山から岐阜県の白川郷にかけての合掌集落では、今でも茅葺屋根の葺き替えに
結の制度が残っていることは知られている。

沖縄でも「ゆいまーる」または「いーまーる」と呼ばれ「結」の相互扶助の制度が今なおあるそうだ。

公演名を「結」としてるのも日本とヨルダンの相互扶助を願ってのことかと勝手に想像しながら聴いていた。

遠く眼下にアンマンの夜景を望み、爽やかな風を受け心地よい夜だった。
また「君が代」をとおして自分のアイデンティティを強く呼び起こさせられた公演であった。



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