球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

個人情報保護法

2005-11-23 | 趣味(旅行・娯楽・読書・食)
というものが叫ばれるようになってだいぶ経つ。
厳密には今年の4月に施行されたはずなので、半年と少しだ。
僕のやっているアルバイトは不動産関連なので、契約者と呼ばれる人の個人情報を僕も扱うことになる。
もっとも、正直、僕にとってはどうでもいいものばかりである。
契約書発行の際免許証の写真でかわいい女の子を探すことはあっても、
グレースケールですらない2値化の白黒コピーであることもあり、あまり収穫があるとは言いがたい。

ごくたまに芸能人レベルの人が入ってくることがあって、それが気になるというくらいだろうか。
企業側のミスで開示されることを恐れる人の気持ちはわかるが、
一アルバイトの目では、わざわざこんなもの漏らさないよという感じである。



「個人情報保護」の核は、管理はもちろんだが多くは処分の方法にある。
HDDから消したつもりでも、復元できるなどとも言う。
書類を燃えるごみに出しただけでは、その袋がいつ破れるかわからない。個人情報は風に舞う。
どこかの家政婦みたいな人(要は穿鑿好きな人)がごみ収集業者だったら、袋は開けられてしまう。
『あらやだ。』
お前のほうがイヤだよ!!

かくして、個人情報の処分とは、白昼人前で堂々とできる種類の証拠隠滅といえる。
…今日の仕事の一部は、僕はそんな作業をやっていた。



具体的には、過去の書類をずっとシュレッダーにかけていく作業だ。
おそらく、今年度に入ってこういう作業をしなければならない企業は激増したことだろう。
シュレッダーの売り上げも今年は良かったはずだ。
体積的に効率が悪い袋がどんどん積みあがっていく。
しかも、困ったことに一向に終わる気配がない。引越しの弊害はあった。

現段階では、シュレッダーの作業効率がいいとはとても言えない。
ダンボールMサイズの1/5も終わらないのだから困ってしまう。

ただ紙を細いスリットにつぎ込んでいくだけの作業なので、当然退屈である。
昨日は2つ記事を書いたので今日はちょっと手抜きをしようと思いつつ、
何を書こうか考えた結果、これを題材に今日はBlogを書くことにした次第。

僕がここに勤める前(4年半前)の書類も平気で存在する。
僕がバイトで入社したその日からお世話になっている社員さんが、僕と同じ歳のときにやっていた業務のノートがあった。
悪質な家賃滞納者に関する裁判の話とか、内容証明の写しとか、そういう法的なことが僕の知らないところで存外あった。
まぁ、当たり前か。皆無な訳はない、という意味では。

そういったものを僕は(正確にはシュレッダーは)切り刻んでいた。
個人情報保護法とは、なんだか歴史を切り刻む行為のようで、携わるのがちょっと複雑だ。
心の中身を空にして、ホチキスの針があったら勿論外し、廻りゆくガチャ歯を眺めるのが、個人の情報を保護することなんだ。

ある意味、給料をもらうのに似つかわしい仕事だった。

コメント
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