よし空を飛ぼう、そうしよう。 ~その1~

2008-07-08 15:55:05 | 

きっかけは狩勝峠

北海道、富良野と新得をつなぐ国道38号線にある峠。
ラリー観戦の後、帯広から富良野に抜ける時は、ここに立ち寄って景色を眺めることにしていた。
急激に下る斜面から遠くを見渡せて、何より、流れていく雲がとても印象的な所。
繰り返したどる中継地点。ここは牛にとって、ささやかな安息の地だ。

去年、狩勝峠に立ち寄ったとき、ふと気が付いて展望台の裏のほうに回ってみた。
小さな広場、石碑があって…がけっぷちになっている。
そこに何か踏み切り台みたいな板があるけど、なんだろう?
Karikati

…ハンググライダーやパラグライダーのランチャー台(飛び立つ所)だった。
下は林野。その向こうに広がる景色めがけて、ここから飛ぶんだ。悠々と流れる雲と共に、飛べるんだ。
ぽん、と一歩踏み出せたなら、どんなにか心地よいだろう。
なんて、なんて素敵なんだろう!

「そうだ、空を飛ぼう。そうしよう。」
そうつぶやいて、牛は狩勝峠を後にした。

あれからもう、半年以上。
いろんな事があって、いろんな変化があったけれど、牛はあの時の想いをずっとずっと胸の片隅に置いたまま過ごしてた…ずっと空を見上げてたのだ。
高くて遠い空へ、どうやったら行けるだろう。
探して探して探して、その方法は、実は身近にあるのだと、気づいた。

その日牛がインプレッサwから降りたのは、仙台市泉区の北西、山の中腹にある駐車場。
「あのぅ、昨日お電話した牛と申します。よろしくおねがいします。」
Gatake
わが心の里山w泉ヶ岳。標高1,175m、スキー場を2つ抱える山。
♪いーずみーがーたーけをっ とおーくー見ーて~♪…周囲の学校の校歌には、必ずと言っていいほど歌われているであろう、市民憩いの山。いわゆる「ガタケ」である。
そこに広がる泉ヶ岳スキー場。
(最初にやっちと雪合戦したとこだよ、ham。)
そう、今回牛がお世話になったのは、パラグライダースクール「かぜのおか」
ネットで見つけて、去年の冬からずっとずっとブログを読み続けてたんだ。
パラグライダー?何それ?
…はい、こういうやつです。
Para_image

牛が申し込んだのは、パラグライダーの半日体験とタンデムフライト。
自分で飛びたい、だけど高く飛びたい、その両方をかなえてくれるプラン。
手続きをして、ゲレンデを少し上って、普段の運動不足が明らかな牛は覚悟を決めた。
簡単にはいかないんだろう、きっと。
どれだけ走って、どれだけがんばらなくちゃいけないんだろう?
キツいだろうなぁ、斜面だしなぁ。衝撃にめっぽう弱い左膝は持つだろうか?
でも負けるもんか。飛ぶんだ、絶対!と、相当気合を入れたのだ。

が。

…牛は間もなく、それは杞憂と理解することになる。

「これがキャノピー(パラグライダーの本体)。ココがエアインテーク。ライザー、ハーネス、カラビナ…」
インストラクターのYさんが、一通り機材の説明をしてくれたあと、イス付きリュックみたいなハーネスを装着して、ゲレンデに立った牛。
まずは立ち上げる練習から。Yさんの説明はシンプルで、だからわかりやすい。
牛、パラグライダーについては何も知らない、真っ白の状態。
それってきっと良い事だ。余計なこと考えず、言われたとおりにすればいいんだ、きっと…そう思って、牛、走るっっっんぁ?!
走れないっ!と思ったら、キャノピーが頭上に広がってる!
風をはらんで広がったキャノピーの重みに、一瞬前へは進めなくなるんだけど、次の瞬間、ちゃんと広がって真上に立ち上がるんだ。
うん、わかった。
信頼しよう。パラグライダーを。風を。Yさんを。牛自身の気持ちを。
全てを信じて、F.O.D…防御柵さえとりはらって、ただ一つの事に集中するときの牛の強さを、今!

キャノピーを広げて、風を待つ。
Yさんが風の状況を読んでくれるから、牛も吹流しを見つめて、耳元で風を感じて、「いいですよ」といわれたら、走る。
思ったよりも辛くない。考えてみたら、風をうける大きな翼を引きながら全力疾走なんてできないよね。
車でコーナーの出口を見るのと同じ気持ちで、下は向かずに前を見て、一瞬引き戻される次の瞬間、たったか走る…と、間もなく足が空回りする。
ほんのわずか、体が浮いてるんだ!!

3回目には、牛、完全に宙に浮いてた。
何?このお手軽さ。あんだけ気合入れてたのは何だったの?w
新入りは掃除からとか、腕立て腹筋ランニングからとかじゃなくていいのよね(笑)
気づいたら、モウ5mくらいの高さを飛んでるんですよ、牛一頭で。
ぜんぜん怖くない。
むしろ、むっっっっちゃくちゃ楽しーーーーーい!!!

なーんて、夢中になってる間に、モウお昼。
スクール生の女性と一緒にごはん食べながらお話しさせてもらったんですが、空を飛ぶっていう共通の目的があるせいか、話は合うし楽しくて。
そうそう、エンジン積んだ飛行機も良いけど、金属の塊が飛ぶよりも、パラグライダーってよっぽど理にかなってますよね♪

そして午後。
待ち焦がれてたタンデムフライトです。
牛一頭じゃ、すぐに高いところまでは行けないから、ベテランのかたに連れて行ってもらおうと。
スキー場のリフトに乗って、ゲレンデのいちばん上へ。
Start
いつも思うけど、仙台って本当に良いところだ。
街は大きすぎないし、ちょっと車を走らせれば、自然豊かな山と河があって、気が向いたらすぐ海まで出られる。
海沿いには穀倉地帯、畑も広がって、海の幸がとってもおいしい。
その気になったら1日のうちに、車に乗ってバイクに乗って海で泳いで馬に乗ってパラグライダーで空を飛べるに違いない!
最後に船に飛び乗れば制覇した気分になれる!きっと。(笑)

このすばらしき豊饒の地を眼下に、牛は飛ぶのだ!

キャノピー。
地面にひろげて、ラインがからんでないか確認。
Canopy

ライザー。色とりどりのコードがまとめられて、
数本のベルトにまとめられたもの。さらにタンデム用のがつけてある。
Riser

ハーネス。
これを背負って、ライザーをつなぐわけです。で、ぶらさがる。
腹部のベルトと、太もも部分のベルトで装着。
飛んだらシート状になったところに座れます。
Harness

そして、Yさんが牛の後ろに立って準備完了。
あとは言われたとおりに、一緒に走り出して…

…次回に続きます(爆)


あの空。

2007-02-07 23:59:00 | 

ヘタクソはヘタクソなりに努力さえ怠らなければ良いのだ、と常日頃から自分に言い聞かせている。

覚えが悪い、要領が悪い、納得しないと次に進めない、イメージだけが頼り。
もちっと何とかならんのかと自分で思いつつ、それでも好きにするのが自分と半ば呆れ諦め。
周囲の人にとってはさぞ迷惑だろうなと、常に若干の罪悪感を抱きながら過ごしている。
それでも牛が牛らしく生きることを、どこかでほんの少しでも許されるなら、牛歩であろうと立派に歩いていこうと。
1着でゴールしたと思ったら、ネズミが先だったりするからね。

だからこそ牛は、広い広い場所で高い高い空を見上げて、どこまでもどこまでもどこまでも続く道を行きたいのさ。

Karikatsu_1

北海道空知郡南富良野町。国道38号線、狩勝峠。
新得から富良野へ抜ける途中、たいそうなワインディングの上り坂を、インプレッサwはフルスロットルで駆け上がる。

ラリーの観戦を終えて、少し切なくて、でも晴れ晴れとした思いを抱いたまま、去年と、その前の前の年と、2回ほど立ち寄ったところ。
「変わる季節を見送るように」…陽が射して、雲の影がはるかかなたまで流れる様子が一面に見えて、越し方と行く末ってこのことだなぁと、胸の中まで吹き抜ける風の強さが心地よかった。
あのときの牛は今も心の中にいて、空を見上げている。

タテ画像6枚つなぎ。じょうずにできたけど、色調はも少し丁寧にあわせるべきだな。

あの空、この空、あの頃の景色。
そろそろまた、次の空が見たい。

あ、そうそう、狩勝峠にあるお土産屋さんの横のトイレは紙無いからね。
車にトイレットペーパー積んでおくと便利だよw