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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 夏 六月 秋近し

2013年06月29日 | 日本古典文学-夏

夏はつる岩間の水の朝な朝なむすぶ袂に秋ぞ知らるる(嘉吉三年前摂政家歌合)

六月廿日ころに秋の節になる日、人のもとにつかはしける 摂政左大臣
六月のてる日の影はさしなから風のみあきのけしきなるかな
(金葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

水無月のてる日や影を残しけむけさふく風の秋にしられぬ(夫木抄~校註国歌大系)

みな月のつこもりの日よめる みつね
夏と秋とゆきかふ空のかよひちはかたへすゝしき風や吹らん
(古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

住吉や松に涼しき夕風も夏と秋とのゆきあひの空(嘉吉三年前摂政家歌合)

ゆふたちてなつはいぬめりそほちつつあきのさかひにいつかいるらむ
(古今和歌六帖~日文研HPより)

ちかくなるあきをしらせてかせのおともかつかつすすしゆふくれのそら
(為兼家歌合~日文研HPより)

松風秋近といへる心をよめる 藤原親盛
秋風は浪とゝもにやこえぬらんまたき涼しき末の松山
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

晩風似秋と云事を 前左大臣
松にふく風もすゝしき山陰に秋おほえたる日くらしのこゑ
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

夏御歌中に 伏見院御歌
鳴声も高き梢のせみのはのうすき日影に秋そ近つく
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

百首歌たてまつりし時 摂政太政大臣
秋ちかきけ色の杜になく蝉の涙の露や下葉そむらん
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

みな月の頃とも見えぬ草葉かなあきつの里のみちの露けさ(夫木抄~校註国歌大系)

 六月つこもりかうしんなりしに
夜もすからおきける露の涼しきは秋のとなりや近くなる覧
(赤染衛門集~群書類従15)

さとたえてあれたるやとのつきみれはあきのとなりになりそしにける
(万代集~日文研HPより)