monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 六月

2013年06月12日 | 日本古典文学-夏

水無月のころは世もこと更にあつうして人もいきづきあへぬ程なり
家ごとには蚊やり火ふすぶるもあはれなり
あやしきふせやに白くさける夕がほの花の名はことごとしうけたれて聞ゆるも又をかし
ことさらに見物すべきは祇園(ぎをん)まつりなり
もとは是尾州(びしう)の津嶋の御神也
清和天皇の御時貞觀(でうくはん)十一年はじめて都にくわんしやうす
それより神事のことおこりてむかしは六十六のほこをかざりて四条の町をわたしけれど
事大そうなればいまはわづかにその数をしらしむるばかりなり
山をかざりてわたすも又見どころあり
ひとつもあだにいはれなき山はあらず
此日にいたりて神の御こしをあひわたすに
犬神人(いぬじんにん)の立出てまつりの御ともしひちをはり威勢(ゐせい)をふるふもをかしきいはれのある事
(佛教大学図書館デジタルコレクション「十二月あそひ」より)