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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 夏 納涼

2013年06月28日 | 日本古典文学-夏

あをみわたるしはふのいろもすすしきはつはなさゆるくなつのゆふくれ
(金玉歌合~日文研HPより)

中務卿宗尊親王家の百首歌に 平政村朝臣
夏山のしけみかしたに滝落てふもとすゝしき水の音かな
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

滝をたて嵐をぬきの苔衣なつる岩ほもぬれて涼しき
(草根集~日文研HPより)

五十首歌の中に、同し心(納涼の心)を 前大僧正仁澄
夏山の岩かねきよく水落てあたりの草の色も涼しき
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

ゆふくれはさはへにしけるなつくさのはすゑをわたるかせそすすしき
(文保百首~日文研HPより)

題しらす 権律師慈成
山川のみなそこきよき夕波になひく玉藻そ見るもすゝしき
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

崇徳院に、百首歌たてまつりける時 藤原清輔朝臣
をのつから涼くもあるか夏衣日もゆふ暮の雨のなこりに
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 入道前太政大臣
秋ちかき谷の松風をとたてゝゆふ山すゝし岩のした水
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

儀同三司すゝめ侍ける北野社三十首歌に、夕納涼 紹宏院贈内大臣
めにみえぬ秋やかよひて夕暮の松に涼しき軒のしたかせ
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

すゝみにと道は木のまにふみなれて夏をそたとる杜下かせ
(文治六年女御入内御屏風和歌~群書類従11)

題しらす 従三位基輔
秋近き草のしけみに風立て夕日すゝしき杜の下かけ
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

ゆふされはあふきのかせをてならしてつきまつほともすすしかりけり
(六百番歌合~日文研HPより)

納涼を 伏見院新宰相
なく蝉の声やむもりに吹風のすゝしきなへに日も暮ぬなり
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

夜納涼といふ事を 進子内親王
もりかぬる月はすくなき木の下に夜ふかき水の音そ涼しき
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

いつみのこゑ夜に入て涼しきといふ心をよみ侍ける 源師賢朝臣
さ夜ふかき岩井の水の音きけはむすはぬ袖もすゝしかりけり
(後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

(長保五年六月)二十日、戊寅。
左府の許に参った。北馬場において納涼が行なわれた。右衛門督(斉信)が食物を準備した。碁局と破子が有った。(平)祐挙・則友両大夫が囲碁を行なった。祐挙が勝った。懸物を下給した。また、競馬(くらべうま)二番が行なわれた。秉燭、「陰夜、月を待つ」の題で和歌を詠んだ。右藤中将(藤原実成)と同車して、家に帰った。
(権記〈現代語訳〉~講談社学術文庫)