monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 夏 夏鶯/老鶯

2013年06月24日 | 日本古典文学-夏

山里の卯花にうくひすのなき侍けるを 平公誠
うの花をちりにし梅にまかへてや夏のかきねに鶯のなく
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

 六月にさくら井のひしりもとにゆきたりしに鶯なきしを
春めける声にきこゆる鶯はまたさくらゐの里にすめはか
(赤染衛門集~群書類従15)

題しらす 法皇御製
鶯の忘れかたみの声はあれと花は跡なき夏木立哉
(新拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

たつねきてきけはありけりうくひすのなくなるなつとおもひけるかな
(忠見集~日文研HPより)

時鳥声老といへることを 前大納言為世
ふりにける声を残して時鳥なを水無月の空に鳴なり
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

たいしらす よみ人しらす
秋近み夏はてゆけは郭公鳴こゑかたき心ちこそすれ
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

鶯は、(略)夏・秋の末まで、老い声に鳴きて、「虫喰ひ」など、良うもあらぬ者は、名をつけ替へていふぞ、口惜しく、くすしき心ちする。それも、ただ雀などのやうに、常にある鳥ならば、さもおぼゆまじ。春鳴くゆゑこそはあらめ、「年立ちかへる」など、をかしき言に、歌にも詩にも作るなるは。なほ、春のうち鳴かましかば、いかにをかしからまし。人をも、人げなう、世のおぼえ侮らはしうなりそめにたるをば、謗りやはする。
(枕草子~新潮日本古典集成)

さながら六月になりぬ。かくてかぞふれば夜みぬことは三十餘日ひるみぬことは四十餘日になりにけり。いとにはかにあやしといはゞおろかなり。心もゆかぬ世とはいひながらまだいとかゝるめはみざりつればみる人々もあやしうめづらかなりとおもひたり。ものしおぼえねばながめのみぞせらるゝ。目もいとはづかしうおぼえておつる泪おしかへしつゝふしてきけばう ぐひすぞをりはえてなくにつけておぼゆるやう
うぐひすもごもなきものや思ふらんみな月はてぬねをぞなくなる
(蜻蛉日記~バージニア大学HPより)