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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 夏 鵜河

2013年06月15日 | 日本古典文学-夏

よかはたつさつききぬらしせせをとめやそとものをもかかりさすはや
(六百番歌合~日文研HPより)

かひのほるうふねをしけみかつらかはせせのなみゆくかかりひのかけ
(夫木抄~日文研HPより)

文保三年百首歌奉りける時 中宮大夫公宗母
大井河せゝの鵜舟のかすかすにうきてそもゆるかゝり火のかけ
(新拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

ぬはたまのよかはのともすかかりひはさはしるあゆのしるへなりけり
(六条修理大夫集~日文研HPより)

うはたまのよかはのふねのかかりにはもにすむいをのかくれなきかな
かひのほるうふねのつなのしけけれはせにふすあゆのゆくかたそなき
(夫木抄~日文研HPより)

鵜河をよませ給うける 後嵯峨院御製
夕やみにあさせしら波たとりつゝみをさかのほる鵜かひ舟かな
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

嘉元卅首歌奉し時 前大納言為世
鵜飼舟せゝさしのほる白浪にうつりてくたるかゝり火のかけ
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

鵜川を 中務卿宗尊親王
大井河鵜ふねはそれと見えわかて山本めくる篝火のかけ
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

鵜河を 前内大臣
鵜飼舟くたす程なき短夜の河せに残る篝火の影
(続千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

かかりひのひかりもうすくなりにけりたなかみかはのあけほののそら
(夫木抄~日文研HPより)

千五百番歌合に 皇太后宮大夫俊成
おほ井河かゝりさし行鵜かひ舟いく瀬に夏の夜を明すらん
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

 十七日、又鏡島へ帰る。月出ぬほど、江口に出でて鵜飼を見る。六艘の舟に篝(かゞり)を挿して上(のぼ)る。又一艘を設けてそれに乗りて見物す。「おほよそこの川の上り下り(くだ)り、闇になれば猟舟数を知らぬ」と言ふを聞きて、
  夕闇に八十伴(とも)の男(お)の篝挿し上(のぼ)る鵜舟は数も知られず
 鵜の魚を取る姿、鵜飼の手縄を扱ふ体など、今日初めて見侍れば、言の葉にも述べがたく、哀れとも覚え、又興を催すものなり。
  鵜飼人繰るや手縄の短夜も結ぼほれなば疾くは明けじを
 すなはち鵜の吐きたる鮎を篝火に焼きて賞玩す。これを篝焼と言ひ慣らはしたるとなん。
  とりあへぬ夜川の鮎の篝焼珍(めづら)とも見つ哀とも見つ
(藤河の記~(岩波)新日本古典文学大系51)