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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 春 尚歯会

2013年03月27日 | 日本古典文学-春

おいらくのとしたかひとのうちむれていととよはひをのふるけふかも
よよをへてすきにしはるをかそふれははなはひさしきともにそありける
おいらくのひとのなみゐるこのもとはかしらのゆきにはなそまかへる
もろひとのおいのたもとにちるはなをめつらしとこそひともみるらめ
いとひこしおいこそけふはうれしけれいつかはかかるはるにあふへき
(暮春白河尚歯会和歌~日文研HPより)

尚歯会をこなひ侍けるとき 藤原清輔朝臣
ちる花は後のはるともまたれけり又もくましきわかさかりはも
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

暮春、見南亜相山荘尚歯会
幽荘(いうしやう)に尚歯の筵に従ふに逮(およ)びて
宛(あたかた)も洞裏(とうり)に群仙に遇(あ)へらむが如し
風光 惜しぶこと得たり 青陽(せいやう)の月
遊宴 追(したが)ひて尋ぬ 白楽天
静(しづ か)なることを占めては依らず 影無き樹(き)
喧(かまびす)きを避けてはなほし愛(あい)す 声有る泉
三分(さむぶん) 浅く酌む 花香(くわかう)の酒
一曲(いつくゐよく) 偸(ひそか)に聞く 葛調(かつてう)の絃(つる)
杖を撫(と)りて 将(まさ)に酔(ゑ)ひを扶(たす)けて出づ るに供(とも)してむ
車を留めて 且(しばら)く山を下(くだ)りて旋(めぐ)らむことを待つ
吾(わ)が老(らう)を看(み)る毎(ごと)に 誰か涙に勝(た)へむ
此の会 当為(まさ)に少年を悩すべし
(菅家文草~岩波古典文学大系)

あぜちの御こにては、備中守實綱といひし、はかせのむすめのはらに、右大臣宗忠のおとゞ又堀川の左のおとゞの御むすめのはらに、太政のおとゞ宗輔など、ちかくまでおはしき。右のおとゞは中御門のおとゞとて、催馬楽の上手におはして、御あそびなどには、つねに拍子とり給ひけり。才学おはして尚歯會とて、としおいたる時の詩つくりのなゝたりあつまりて、ふみつくることおこなひ給ひき。からくにゝては、白楽天ぞ序かきたまひて、おこなひ給ひけり。このくにゝはこれくはへて、みたびになりにけり。からくにゝは、ふたゝびまでまさりたることにきこえ侍りしに、ちかくわたりたるから人の、またのちにおこなひたる、もてわたりたりけるとぞきゝ侍りし。としのおいたるを、上らふにてにはにゐならびて、詩つくりなどあそぶ事にぞはべるなる。このたびは、諸陵頭為康といふおきな一の座にて、そのつぎにこのおとゞ、大納言とておはしけん。いとやさしく侍りし、蔵人頭よりはじめて、殿上人垣下してから人のあそびのごとくこのよのことゝもみえざりけり。
(今鏡~関根正直校・今鏡読本)

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