今朝のズームインに出演した解説者が、相変わらず
「今の規制値はこれを超えたら調査を始めようという数字ですから、健康には害がありません」
と基準を無視した無責任な発言をしていました。
昨晩、Mr.サンデーの中で木村太郎がこんなことを話していてビックリしました。
(記憶を頼りにして書いたものなので、ニュアンスだけを受け止めてください)
「外電がめちゃくちゃな報道をしている。東京の水から放射性物質が発見されたが、
規制値よりはるかに少ない。しかし外電が大騒ぎして風評被害を助長している。
私達は規制値に比べてまだ少ないとしっかり報道しているのに、迷惑だ。」
お前が言うな。水は基準値より低いのかもしれませんが、食品、放射線量は「基準値
を超えているけど大丈夫」とずっと言っているじゃないか。ボケてんのかな。
「基準値は超えているが健康には影響ない」ということがウソだということは、
次の記事が証明していると思います。
大丈夫だけど、ヨウ素剤を配布する。
水は飲まない方が良いけど外に無ければ飲んでも良い。
矛盾が隠せなくなってきたようです。
【ヨウ素剤配布で混乱、誤った服用指示も】
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、各地で比較的高い放射線が観測されていることから、福島県内では国の指示を待たずに住民に安定ヨウ素剤を配布する自治体が出始めていることが、読売新聞社の調査で分かった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110321-OYT1T00020.htm
【福島県飯舘村で水道水の飲用控えるよう要請 「他に水がなければ飲んでも差し支えない」】
2011.3.21 02:12
厚生労働省は21日、福島県飯舘村の水道水から1キロ当たり965ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表した。原子力安全委員会が定めた摂取制限基準の3倍超にあたる。
厚労省は同日、水道水を飲むことを控えるよう、同村に要請した。一方で、「手洗い、入浴などの生活用水としては利用可能。他に水がない場合は飲んでも差し支えない」と冷静な対応を呼びかけている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110321/dst11032102140007-n1.htm
_______________________________________________
原発 緊急情報(19) 食品の汚染と放射線物質の半減期
ほうれん草についた放射能をもつヨウ素は半減期が短いので、実際には害にならないとの考えもあります。
ここで「半減期」というのは、放射線を持つものは壊れていきますので、それが、半分壊れる時間のことです。
例えば、放射性のヨウ素ですと、半減期が8日ですから8日で2分の1、16日で4分の1と急激に減っていきます。
だからほうれん草を16日ぐらい置いておけば安全になるのは確かです
ただ、わたくしが半減期のことをあまり言ってないのは、読者の人の危険を煽ろうというのではありません。
実は、放射線物質の規制値にはすでに、半減期のことも考慮されているからです。
放射線物質を含むものを扱ったり、食べたりする人はいろいろな場合があります。極端なことを言えば、ほうれん草を買ってから1万年も貯蔵しておけば、あらゆる放射性物質は「安全」という事になります。
そのようなことを言っても意味が無いので、標準的な被曝を考え、半減期も考慮に入れて放射性物質の規制が決まっています。発表されたほうれん草の放射線の値は、現在、決まっている規制値を超えています
それでも半減期が短いから安全だというためには、規制の値がどのように決まっているかを詳細に知らなければなりません。それも膨大な数の核種毎(放射線をもつ物質毎)に知る必要があります。
わたくしのスタンスは、原子力の一つ一つのことを完全に理解しなければ自分を防御できないというのでは安全は保てません
また、事故が起こってから、専門家が集まって何回も検討した国の規制値を変えるよりも、現在のような緊急の時には、これまでの国の規制値をそのまま使った方が良いと考えているからです。
なお、原子炉から出る有害な放射性物質の半減期は、ヨウ素が8日、バリウムとストロンチュームがともに30日、そしてプルトニウム141が14年です。
でも同じ半減期を持つバリウムに比べてストロンチュームは骨に蓄積しやすいので、その分を考えなければなりません。
このように、規制値は色々考えて決められているので、今、変更しない方が良いと思います。むしろ細かいことを考えずに規制値をただ半減期だけを考えて楽観的に判断するのは危険と思います
その意味で「規制値を超えているけれど、食べても安全だ」というのは不適切でしょう
(平成23年3月20日20時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/03/19_5fa2.html
原発 緊急情報(20) NHKの矛盾を役立てる
政府は2万人を超す死者行方不明者を出した東北関東大震災の復旧に全力を注ぐなければならない時期なのに、福島原発のことで振り回されていると報道されている。
NHKも多くの時間を使って福島原発の状況を報道しつづけている。
なぜ政府は、福島原発対策に振り回され、NHKはなぜ福島原発の放送を続けているのだろうか。
それは「大事件」だからである。
しかし、政府もNHKも「漏れた放射線は大したことはない」、「放射性物質で汚染された野菜や牛乳も健康に影響がない」、「原発は沈静化に向かっている」と言っている。
「大変なことである」と言いつつ、「何もしなくても安全だ」と言っているのだから、不信感が募るばかりだ。
・・・・・・・・・
ところでわたくしたちは、時として目の前で起こっている事の本質をなかなか見抜くことができない。
今度の場合、もしも福島原発の状態が簡単なもので、しかも住民の被害がないのなら、もともとニュースバリューもなく、政府が懸命になることもない。
反対に、政府が懸命になってNHKが放送を続けけているにもかかわらず、何も起こらないはずはないのである。
「安全だ」と言っているけれど、現在の放射線量は、福島県東部及び福島市では管理区域を設定しなければならず、住民に線量計やフィルムバッチを配り、健康診断を開始する時期である。
またホウレンソウや牛乳等も規制値の20倍程度の値を示しており、これも注意を要する
規制値を超えても健康に関係がないというなら、規制値を作る意味がない。
また、福島原発が徐々に沈静化していくなら、政府はもっと震災復興に力を入れ、NHKは別のことを放送してもらいたい。
しかし、なぜ政府がこれほどまでに対策に懸命になり、NHKが放送続けるかというと、実は、現在の状態が憂慮すべきものだからであり、かつ近い将来、福島原発がさらに危機的な状態に陥る可能性があるからにほかならない。
そこで、このブログでは、
1. 放射線で個人が被爆する量をそれぞれ個人が計算することを目指した。それによって非難するかどうか自分で決められる、
2. 汚染された食品は、規制値以上のものは食べないようにすることを勧めた、
3. 水については現在調査している。まだ飲み水以外は大丈夫のようだ、
4. 原発の今後は、最大で現在の10倍の危険性があると考えて、避難するかどうかを決めるときには、計算値を10倍して欲しいと勧めた、
5. 福島第1原発3号機はプルトニウムのまざった燃料を使っていて、ここが爆発したときに、周辺にどのような影響があるかは極めて難しい。私は、最大で通常のウラン燃料を使用する時の2.5倍程度ではないかと思うので、そうすると将来の推定計算をするときに、現在の10倍ではなく25倍程度で計算するべきだろう。
・・・・・・・・・
これが私の推奨するところである。
私が、「政府が対策に懸命でNHKがあれ程報道しているのだから、事態は良い方向に向かっていない可能性がある」と判断しているからでもある。
福島原発がさらに悪い状態に入った時、福島県、福島県西武、宮城県南部、茨城県北部はかなり距離が近いので、放射線が増大するのに1日程度である。
一方、東京や仙台など地理的に離れたところは(冬で北風が吹く日が多い仙台は少し距離より以下遠いと考えている)、3、4日の余裕があるだろうというのがわたくしの考えである。
10倍、25倍という数値は確実性が足りないが、そういう数字がなければ、住んでいる人が判断することができない。せめて専門家が推定しなければならない。
また、テレビの解説者は、家の中でじっとしていれば被曝の量は少なくて済むとか、ほうれん草を食べ続けなければいいと言ったりしているが、やはり標準的な生活や、やや危険な時間の過ごし方をした時にどのくらいの危険性があるかということを示すのが最も良い指標になるだろうと私は思っている。
このようなことから、読者の方は、
「政府が原発対策に関心を示さず、官房長官が発表を止め、NHKの放送時間が極端に減れば、福島原発は安全になったと彼らが考えている」
と判定することもできる。
(平成23年3月20日 午後10時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/03/20nhk_fe89.html
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当ブログの武田邦彦さん関連記事まとめ(リンク集)
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/6a193f9b1db6fea5c154ce23cc3bb9db
「今の規制値はこれを超えたら調査を始めようという数字ですから、健康には害がありません」
と基準を無視した無責任な発言をしていました。
昨晩、Mr.サンデーの中で木村太郎がこんなことを話していてビックリしました。
(記憶を頼りにして書いたものなので、ニュアンスだけを受け止めてください)
「外電がめちゃくちゃな報道をしている。東京の水から放射性物質が発見されたが、
規制値よりはるかに少ない。しかし外電が大騒ぎして風評被害を助長している。
私達は規制値に比べてまだ少ないとしっかり報道しているのに、迷惑だ。」
お前が言うな。水は基準値より低いのかもしれませんが、食品、放射線量は「基準値
を超えているけど大丈夫」とずっと言っているじゃないか。ボケてんのかな。
「基準値は超えているが健康には影響ない」ということがウソだということは、
次の記事が証明していると思います。
大丈夫だけど、ヨウ素剤を配布する。
水は飲まない方が良いけど外に無ければ飲んでも良い。
矛盾が隠せなくなってきたようです。
【ヨウ素剤配布で混乱、誤った服用指示も】
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、各地で比較的高い放射線が観測されていることから、福島県内では国の指示を待たずに住民に安定ヨウ素剤を配布する自治体が出始めていることが、読売新聞社の調査で分かった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110321-OYT1T00020.htm
【福島県飯舘村で水道水の飲用控えるよう要請 「他に水がなければ飲んでも差し支えない」】
2011.3.21 02:12
厚生労働省は21日、福島県飯舘村の水道水から1キロ当たり965ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたと発表した。原子力安全委員会が定めた摂取制限基準の3倍超にあたる。
厚労省は同日、水道水を飲むことを控えるよう、同村に要請した。一方で、「手洗い、入浴などの生活用水としては利用可能。他に水がない場合は飲んでも差し支えない」と冷静な対応を呼びかけている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110321/dst11032102140007-n1.htm
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原発 緊急情報(19) 食品の汚染と放射線物質の半減期
ほうれん草についた放射能をもつヨウ素は半減期が短いので、実際には害にならないとの考えもあります。
ここで「半減期」というのは、放射線を持つものは壊れていきますので、それが、半分壊れる時間のことです。
例えば、放射性のヨウ素ですと、半減期が8日ですから8日で2分の1、16日で4分の1と急激に減っていきます。
だからほうれん草を16日ぐらい置いておけば安全になるのは確かです
ただ、わたくしが半減期のことをあまり言ってないのは、読者の人の危険を煽ろうというのではありません。
実は、放射線物質の規制値にはすでに、半減期のことも考慮されているからです。
放射線物質を含むものを扱ったり、食べたりする人はいろいろな場合があります。極端なことを言えば、ほうれん草を買ってから1万年も貯蔵しておけば、あらゆる放射性物質は「安全」という事になります。
そのようなことを言っても意味が無いので、標準的な被曝を考え、半減期も考慮に入れて放射性物質の規制が決まっています。発表されたほうれん草の放射線の値は、現在、決まっている規制値を超えています
それでも半減期が短いから安全だというためには、規制の値がどのように決まっているかを詳細に知らなければなりません。それも膨大な数の核種毎(放射線をもつ物質毎)に知る必要があります。
わたくしのスタンスは、原子力の一つ一つのことを完全に理解しなければ自分を防御できないというのでは安全は保てません
また、事故が起こってから、専門家が集まって何回も検討した国の規制値を変えるよりも、現在のような緊急の時には、これまでの国の規制値をそのまま使った方が良いと考えているからです。
なお、原子炉から出る有害な放射性物質の半減期は、ヨウ素が8日、バリウムとストロンチュームがともに30日、そしてプルトニウム141が14年です。
でも同じ半減期を持つバリウムに比べてストロンチュームは骨に蓄積しやすいので、その分を考えなければなりません。
このように、規制値は色々考えて決められているので、今、変更しない方が良いと思います。むしろ細かいことを考えずに規制値をただ半減期だけを考えて楽観的に判断するのは危険と思います
その意味で「規制値を超えているけれど、食べても安全だ」というのは不適切でしょう
(平成23年3月20日20時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/03/19_5fa2.html
原発 緊急情報(20) NHKの矛盾を役立てる
政府は2万人を超す死者行方不明者を出した東北関東大震災の復旧に全力を注ぐなければならない時期なのに、福島原発のことで振り回されていると報道されている。
NHKも多くの時間を使って福島原発の状況を報道しつづけている。
なぜ政府は、福島原発対策に振り回され、NHKはなぜ福島原発の放送を続けているのだろうか。
それは「大事件」だからである。
しかし、政府もNHKも「漏れた放射線は大したことはない」、「放射性物質で汚染された野菜や牛乳も健康に影響がない」、「原発は沈静化に向かっている」と言っている。
「大変なことである」と言いつつ、「何もしなくても安全だ」と言っているのだから、不信感が募るばかりだ。
・・・・・・・・・
ところでわたくしたちは、時として目の前で起こっている事の本質をなかなか見抜くことができない。
今度の場合、もしも福島原発の状態が簡単なもので、しかも住民の被害がないのなら、もともとニュースバリューもなく、政府が懸命になることもない。
反対に、政府が懸命になってNHKが放送を続けけているにもかかわらず、何も起こらないはずはないのである。
「安全だ」と言っているけれど、現在の放射線量は、福島県東部及び福島市では管理区域を設定しなければならず、住民に線量計やフィルムバッチを配り、健康診断を開始する時期である。
またホウレンソウや牛乳等も規制値の20倍程度の値を示しており、これも注意を要する
規制値を超えても健康に関係がないというなら、規制値を作る意味がない。
また、福島原発が徐々に沈静化していくなら、政府はもっと震災復興に力を入れ、NHKは別のことを放送してもらいたい。
しかし、なぜ政府がこれほどまでに対策に懸命になり、NHKが放送続けるかというと、実は、現在の状態が憂慮すべきものだからであり、かつ近い将来、福島原発がさらに危機的な状態に陥る可能性があるからにほかならない。
そこで、このブログでは、
1. 放射線で個人が被爆する量をそれぞれ個人が計算することを目指した。それによって非難するかどうか自分で決められる、
2. 汚染された食品は、規制値以上のものは食べないようにすることを勧めた、
3. 水については現在調査している。まだ飲み水以外は大丈夫のようだ、
4. 原発の今後は、最大で現在の10倍の危険性があると考えて、避難するかどうかを決めるときには、計算値を10倍して欲しいと勧めた、
5. 福島第1原発3号機はプルトニウムのまざった燃料を使っていて、ここが爆発したときに、周辺にどのような影響があるかは極めて難しい。私は、最大で通常のウラン燃料を使用する時の2.5倍程度ではないかと思うので、そうすると将来の推定計算をするときに、現在の10倍ではなく25倍程度で計算するべきだろう。
・・・・・・・・・
これが私の推奨するところである。
私が、「政府が対策に懸命でNHKがあれ程報道しているのだから、事態は良い方向に向かっていない可能性がある」と判断しているからでもある。
福島原発がさらに悪い状態に入った時、福島県、福島県西武、宮城県南部、茨城県北部はかなり距離が近いので、放射線が増大するのに1日程度である。
一方、東京や仙台など地理的に離れたところは(冬で北風が吹く日が多い仙台は少し距離より以下遠いと考えている)、3、4日の余裕があるだろうというのがわたくしの考えである。
10倍、25倍という数値は確実性が足りないが、そういう数字がなければ、住んでいる人が判断することができない。せめて専門家が推定しなければならない。
また、テレビの解説者は、家の中でじっとしていれば被曝の量は少なくて済むとか、ほうれん草を食べ続けなければいいと言ったりしているが、やはり標準的な生活や、やや危険な時間の過ごし方をした時にどのくらいの危険性があるかということを示すのが最も良い指標になるだろうと私は思っている。
このようなことから、読者の方は、
「政府が原発対策に関心を示さず、官房長官が発表を止め、NHKの放送時間が極端に減れば、福島原発は安全になったと彼らが考えている」
と判定することもできる。
(平成23年3月20日 午後10時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/03/20nhk_fe89.html
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http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/6a193f9b1db6fea5c154ce23cc3bb9db
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