テレビがやらないニュース(旧エコドライブ日記)

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武田邦彦さんのブログ どのぐらいまで安全か?(妊婦と乳幼児、村外避難へ…飯舘村)

2011-04-06 14:12:36 | ニュース
ついに飯舘村が妊婦と乳幼児を村外対比させることを独自に決めたようです。

一方、政府の方はこともあろうか年間1ミリシーベルトの被曝限度引き上げを検討すると
発表しているようです。

記事を読んでも枝野の言いたいことはさっぱりわからないが、人がバタバタと倒れない限り、
「人体に影響はない」と言い張るつもりのようです。

現政府は日本人の生命、健康を守る気なんてサラサラありませんから、飯舘村は適切な
判断を下したといえるでしょう。個人的にはもっと早くても良かったと思いますが・・・。

枝野は武田さんのブログを読め!

【妊婦と乳幼児、村外避難へ…飯舘村が独自方針】

 福島第一原発事故で村内の一部が屋内退避区域(福島第一原発から20~30キロ圏内)となっている福島県飯舘村は、近く村内の妊婦と乳幼児を一時、村外に避難させる方針を決めた。(読売新聞)

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/local_attending_fukushima_nuclear_plant/?1302057472

【年間被ばく限度、引き上げ検討=原発事故の長期化想定―官房長官】時事通信 4月6日(水)12時21分配信

 枝野幸男官房長官は6日午前の記者会見で、福島第1原発の放射能漏れ事故を受け、年間1ミリシーベルトとしている住民の被ばく限度量について「現在の基準値は短期間で大量の放射線を受ける場合の安全性を示している。放射性物質を長期間受けるリスクを管理し、別の次元の安全性を確保する上でどのくらいが退避の基準になるか検討している状況だ」と述べ、引き上げを検討していることを明らかにした。
 福島第1原発周辺で検出される放射線量は減少傾向にあるものの、事故の収束までなお時間がかかり、放射線の放出が長期間続くことを想定した対応。屋内退避指示が出ている第1原発から20~30キロ圏の外側でも、大気中の放射線量の積算値が10ミリシーベルトを超えた地域がある。このため、原発事故の長期化を前提に、健康に影響が及ばない範囲で被ばく限度の基準を緩める必要があると判断した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110406-00000050-jij-pol

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生活と原子力05  放射線と人間の細胞(その2) どのぐらいまで安全か?

メールでご質問を受ける多くの方の関心は、「どのくらいまで放射線を浴びても大丈夫だろうか」、「関西にもかなり長くなったので、いつ頃帰ったらいいだろうか」というのが多いようです。

被曝量は一応計算しても、それがどのくらい自分や自分の子供に影響があるかがはっきりわからないと決断ができないからです。

申しわけないのですが、お1人お1人の被曝量を計算して大丈夫かどうかアドバイスをすることが時間的にできなくなりましたので、できるだけわかりやすく、現状を踏まえてここでご説明します。

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混乱の第一は、政府の発表がムチャクチャだったことです。

それはもう忘れていいのですが、わたくしたちの心の中に引っかかっているので、一応、復習しておきます。政府などの発表は、

基準値の1ミリシーベルトは単なる基準値で健康には関係がない100ミリシーベルトまで大丈夫である。」

「100ミリシーベルトを浴びても、1000人に5人ががんになるだけである。」

基準値の3355倍でも直ちに健康に影響を与える数値ではない」(その後、発電所からの排水は基準値の1億倍までなりました。)

などです。

これらの政府や専門家の発言が矛盾していることは放射線と健康の関係を知らない人でもわかるので不安に陥るのを当たり前のことです。

そこで、一旦すべてを忘れて基礎から整理をしたいと思います。

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頭に入れとかなければならないのは、次の数値とその意味です。

1) 1年間に50マイクロシーベルト
極端に低い数字ですが、これもはっきりとした根拠があります。例えば、今まで日本の原子力発電所が発電所の敷地との境界ではこのくらいまで下げておこうと政府、電力会社、そして専門家が言っていた数字です。
また、ヨーロッパの環境運動家を中心としたグループは国際委員会の基準は甘いとして、おおよそこの程度の数字を出しています。
つまり「絶対に安全」といえば、1年間に50マイクロシーベルトという数字もあるのですが、日本に住んでいると自然放射線でも、この20倍以上ですからやはり少し神経質すぎると言ってもいいと思います。

2) 次の数字は、1年間に1ミリシーベルトという数字です。この数字は国際委員会や日本の法律等で定められているものですから、基本的にはこの数字が一つの指標になります。
この数字を少し超す場所(5ミリ)は「管理区域」という名前で普通のところ特別されて標識が立ち、そこに人が入ってはいけないというわけではないのですが、被曝する放射線量を測り、健康診断をするという必要が生じてきます。
つまり絶対に病気になるということはないけれども、注意をしなければならないということを意味しています。管理区域は1時間あたり0.6マイクロですから、現在、福島県東部(郡山を含み、会津若松を除く)、茨城県北部などは確実にこの管理区域に入ります。従って、政府のいうように直ちに健康に影響はありませんが、やはり被爆する線量を測定したり、健康診断をして注意をするという必要があるところです。
また、教育委員会や市役所等は、政府がいくら安全だと言っても、政府と独立しているのですから、法律的に管理区域に指定しなければならない状態のときには法律に従う必要があるとわたくしは考えています。
具体的には、1時間に0.6マイクロを越えるところは、学校でも市の一部でも責任者が「管理区域」に設定するべきです.

3) 次に1年に20ミリシーベルトというレベルがあります。現在の福島市がややそれに近いのですが、これは仕事で放射線に携わる男性の1年間の限界です。
仕事で放射線に携わる人も一般の人も、人間は人間ですから、放射線に対して同じ危険性を持っています。それなのに一般の人は1.0、職業であびる人は20というのは基準が開きすぎているように感じると思います。
しかしそれには三つの理由があります。
一つは、放射線の仕事に携わる人は、被爆した量をしっかり測り健康診断をしますから、万が一のときにはチェックができるということです。
二つ目に、放射線の仕事に携わる人は、健康な成人男子ですから、一般の人のように赤ちゃんとか妊婦、また放射線に感度の強い人等が含まれていないということがあります。
放射線に携わる人でも妊娠している女性等は特別な規定で保護されています。
三つ目に、自分の意思で放射線を浴びるか、それとも事故等で自分の意思とは関係なく放射線を浴びる場合と、差をつけるのが、防災の基本的な原則でもあります。
例えば、ハンググライダー等は非常に危険なのですが、無理やりハンググライダーをやらされるのではなく、自分の意思でハンググライダーをやるので、その危険も認められています。

4) 次に、50ミリシーベルトという基準があります。
このぐらいになると、少し健康障害の恐れが出てきますので、例えば50になると子供は甲状腺がんを防ぐために、ヨウ素剤を服用する必要が出てきます

5) 100ミリになると、慢性的な疾患が見られるようになり、1000人に5人が放射線によってガンになるという数値になります。ここでいうガンとは、専門用語では「過剰発癌」と言って、普通の生活でがんになるものを除いて放射線によってそれにプラスされる危険性を言っています。
長崎大学の先生を中心にして1000人に5人ぐらいの過剰発癌は問題がないという考えがあるのは確かです。現在の福島市は、自治体としてこの考えをとっているようです。
なおこれまで非常時の作業で被曝する限界は100でした。つまり「非常時に厳重な防護服を着て、線量計を着け、管理された状態で100ミリ」というのですから、それを一般市民に当てはめるのは乱暴だと私は思います。

6) 次に250ミリシーベルトというレベルがあります。
このレベルは最近になって福島原発の作業する人の限界値になったものです(引き上げられた)。100と250の何が違うかというと、100まではガンなどの「すぐにはでない健康障害」を念頭に置いているのですが、250になると「急性の白血球減少」等の「直ちに影響が見られる」レベルになります。
政府が「直ちに健康に影響がない」と繰り返しましたが、それはこの250を念頭に置いています。つまり、政府が言っている「直ちに」ということは「ガンにはなるが、急性の白血球の減少は見られない」レベルであるということになります。

このように考えますと、人によって感覚が違うので、どのレベルが「正しいレベルである」ということは必ずしも言えないことがわかります。

心配する人は、あるいは50マイクロでも余計な放射線を浴びたくないと思う人もいるでしょう。また楽観的な人は「1000人に5人ぐらいのガン」なら大したことがないと思うでしょう。またお母さんで、「自分は良いけれども、赤ちゃんにはそんな思いをさせたくない」という人もいるでしょう。

だから、テレビの専門家が言っていたように「わたくしは平気だ」等と言っても、それはその人個人の思想であって、多くの人がどのくらいを注意しなければならないのかという問題とは全く関係がないのです。

・・・・・・・・・

わたくしは次のように考えました。

今回の福島原発から出た放射性物質は、今まで人間が経験したうちの最も多いレベルですから、わたくしたちの次世代を担う赤ちゃんに影響をおよぼしてはいけないと考えました。

そうすると、最も信頼性のある値は「1年に1ミリ」であり、それ以下なら「安心」、それ以上なら「注意」とはっきりと意識したほうがいいと思います。

これはわたくし個人の意見ではなく、国際委員会の勧告や日本の法律に明記されていることでもあります。

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重要なことを繰り返します。

「1年に1ミリ以内なら安心」ですから、その範囲なら心配する必要はありません。わたくしのブログの読者の中で1年に1ミリ以内でも心配されている方がおられますが、わたくしは1年に1ミリ以内なら心配をする必要がないと言ってあげたいと思います。

問題は、「1年に1ミリ以上で、20ミリ以下という被爆を受ける可能性がある人」です。この領域に入る場合には、「注意」しなければなりません。

この注意というのは具体的に何かというと、「赤ちゃんや妊婦の場合にはできるだけ移動して被曝を避ける」ということです。もちろん個人的に事情がありますから、なかなか難しい場合にはマスクをするとか、食材に気をつける等できるだけ万全を期さなければいけないと考えています。

最近、体内の放射性物質を除くとか、特別なことが言われていますが、わたくしはあまり信用していません。もしそのような方法があるのならば、ヨウ素剤以外にもいろいろな防御手段がこれまでも提案されているはずだからです。

成人男子で元気な人は、管理区域が1年で約5ミリという数値を参考にして、少し健康に気をつける程度で良いでしょう。また女性の場合はいろいろな事情があるので1から10程度の範囲であれば、「できるだけ気をつける」ということになると思います。

わたくしは最初の頃、「とにかく逃げた方がいい」と言いました。これはわたくしの考えではなく、放射性物質からの防御に対する基本的な考えの一つです。

何か事故があると、最初の放射線がもっとも強いので、それを避ければ、だんだん弱くなります.今度の場合、3月12日の週がもっとも放射線量が多かったので、とにかくその時期は「逃げろ!」ということなのです。

経済的な負担などがありますが、逃げておけば安心ですし、「年間の被曝量」は決まっていますから、最初に被曝しなければ、後で余裕がでます。

また、野菜、水、さらに魚などは、最初の時期の汚染が「拡がってから」になりますから、2週間とか1ヶ月が注意のしどころです。

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このようなことを考えますと、

1) 最初に逃げる時期は終わりつつある(福島原発は、これまでのチェルノブイリなどと違い、まだ少しずつ放射性物質がでているので「できれば連休明け」ということになります)。

2) 野菜、水も少しずつ安全になってきている。ただし魚はこれから。また、西日本にも徐々に拡がるが、汚染のレベルは数ミリを超える事はない。

3) 今後は「汚染された土地で農業や酪農ができるか」、「最初に被曝した人は、それを背負って1年間の被曝を考える」、「魚を買えなくなる時期が本当に来るのか」などが問題になってきます。

・・・・・・・・・

ところで、読者の方からの情報によると、福島県は、

「○飯舘村(飯舘村役場)平常値:-測定値:6.14マイクロシーベルトで、 胃のX線集団検診1回当たりの放射線量は、600マイクロシーベルト/回ですが、本日の測定値のうち、最も高い飯舘村の測定値は、これを十分下回っており、健康に影響ないレベルと考えられます。」

と(厳しい言い方では)犯罪にもなることをホームページに掲載しているそうです。

1時間あたり6.14マイクロシーベルトとは、すでに事故から1ヶ月程度になりましたので、1ヶ月で4.4ミリですから、胃のレントゲン7回分です。しかも赤ちゃんや妊婦が「腹部の防御もなく」です。

さらに一年では54ミリになりますから、これは「ヨウ素剤服用」のレベルです。「安全」ではなく「危険」です。福島市は直ちに管理区域に指定して県民を保護すべきです。


また横浜市は放射線物質の少ない市役所の5階で測定しているとのことですが、高いところ、ビルの回りは放射線が低く出ます。

自治体は市民の命を守るのですから、「放射線物質を少なく見せて、仕事を減らそう」などと考えずに、「やや放射線量の多い低い屋外で測定する」ということを御願いしたいと思います

(平成23年4月6日 午前9時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/04/post_2cdd.html

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当ブログの武田邦彦さん関連記事まとめ(リンク集)
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/6a193f9b1db6fea5c154ce23cc3bb9db

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2 コメント

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会津地方・安全宣言への素朴な疑問 (匿名)
2011-04-21 15:31:10
会津若松市内、東長原駅近辺の例え
ば米は、本当に安全大丈夫なのか?
食べ続けると、別の場所で兄弟が長
生きなのに、其処の会津住人だけ、
70歳前に、必ず「病気」でポック
リ死ぬという事は、本当に無いのか?
返信する
安全宣言に関する記事があります (Moja)
2011-04-21 20:19:08
匿名様、コメントありがとうございます。
私も素人なので、ちゃんとお答えすることは難しいですね。

その場所の農産物の測定結果も知りませんし・・・。

どう答えても無責任になってしまうので、なんとも言えません。

地図を見たところ、原発からの距離もありますし、風下にあたる場所のようですね。

最近の記事で武田さんは「中通り、浜通以外の福島県産は大丈夫」と書いています。

こちらの記事をご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/4f94bd57e23b39c2b7a3448b64ea3143
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