凡凡「趣味の玉手箱」

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バベットの晩餐会

2005-11-10 07:50:25 | 映画 ドラマ
グルメの方、フランス料理がお好きな方、ワイン通の方にお薦めします。

デンマークの静かな敬虔な信者が暮らす街での一こまを綴った映画である。

パリコミューンの嵐の中で夫と子供を失い、フランスから逃れてきた一人の女性がデンマークコトランドの姉妹の家に家政婦として住み込む。

ある日、彼女は宝くじをあてて、一生暮らせるだけの巨額の金を手に入れた。彼女は、家に置いてもらった感謝の気持ちを込めて、姉妹の父の生誕100年を祝う晩餐を催す事を決心し、買い出しに出かける。

その買い出しは半端なものではない。料理の材料はすべてフランスから調達したもの。生きた鶉(うずら)や大きな亀が運ばれてくる。

彼女は超高級素材を使ってフランス料理を作る。招かれた顧客は敬虔な信者で食材を見て何を食べさせられるのかと心配になり、食卓では一切飲み物や食事の話はしないことを申し合わせる。

やがて、料理が運ばれてきた。まずはアモンティリャード(シェリー)に海ガメのスープ、ブーブ・クリコ1860年にキャビアのドミドフ風、クロ・ブージョ1845年にウズラのパイづめ、サラダ、チーズ、ドルチェ、ブドウやパイナップルなどのフルーツ、コーヒー、食後酒にフィーヌ・シャンパーニュという豪華さ。

はじめはおそるおそる食べていた客人たちは、ただ一人料理の講釈のできる将軍から料理の説明を聞かされているうち、料理に舌鼓をうちお互いうち解けて会話するようになる。

やがて将軍は昔ある有名なフランスのレストラン「カフェ・アングレ」で食べた味と全く変わりない料理であることに気がつく。そう、家政婦はフランスの有名レストランの料理長だったのである。彼女は「食事を一種の情事に変えてしまった女」といわれたほどの名コックであった。

彼女は宝くじの賞金1万フランを12人分の料理にすべて使い果たしてしまう。

「あなた一生貧しいままよ」

「貧しい芸術家なんていません」

「あれはあなたの作品だったのね」

「力をつくしお客様を幸福にしました」

料理を通じて、村の人々が幸せを感じ、満足する。

名コックが作った料理は芸術なのだ!!

マイビデオのデータ
国  :デンマーク
制作年:1987年
原作:アイザック・ディネーセン
場所:デンマークの寒村ユトランド
ビデオ番号00632
アカデミー賞外国語映画賞受賞




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