前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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笏谷石の採石跡か、民家敷地の陥没。

2010年04月27日 | Weblog
   福井新聞・・・・・24日午前9時ごろ、福井市加茂河原1丁目、会社員熊野健治さん(37)方の敷地が陥没し、穴が空いているのを家族が発見、市に連絡した。けが人はなかった。
 熊野さん方は西側を通る市道より約2メートル高い所にあり、道路との境目にあるコンクリート壁と家の間の地面が陥没した。穴の口部分は直径1メートル程度だが内部は同2メートルほどにえぐれ、深さは4メートル以上あるとみられる。陥没した時期や原因は分かっていない。

  市職員がシートをかけるなどの応急処置を行ったほか、隣接する歩道の一部を通行止めにした。 穴を発見した熊野さんの妻夏江さん(34)によると、ここ数日異常な物音などは全く聞こえなかったという。「あまりの深さに仰天した。もし、小さな子どもが気付かずに落ちていたら…」と不安げに話していた。

  現場は、2005年8月に大規模な陥没が起きた足羽山西墓地から県道を挟んだ北側。周辺は住宅地で、過去にも空き地などで陥没穴が見つかっている。

  自治会長の武田幸夫さん(57)は「今回は実際に住んでいる家のすぐ横なので住民としては非常に不安。しっかり調査と対策をお願いしたい」と話していた。 ・・・・・・・・・・


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   やはり、予想されたように、こういう問題が起こってくる。2005年の際に、わたしは当時の県議会で質問をした。
以下、2005年9月福井県議会一般質問より。


      ・・・・私も現場を見ました。あの陥没が墓参りの車がひしめき合っていた前日に起こっていたらと思うとぞっといたしました。この採石跡については、昭和40年に福井大学学芸学部地学教室が重力異常についての調査を行い、防災的な見地からも詳しく調べておく必要があると指摘しておりました。また、昭和52年には福井青年会議所指導力開発委員会が坑道を調査し、見学ルート案を公表しましたが、安全が保証されないことから実現には至らなかったという経過があります。

 私がお話をお聞きした専門家の方も、採掘のために坑道に柱を残しているが、それが崩れている。岩盤を支える天井の厚みも問題だ。断層やクラックも多数あるなどと指摘されております。

 このように、笏谷石の採石跡については、かねてからその危険性は指摘されていたわけです。もちろん今回のケースでは、第一義的には管理者である福井市の責任が問われるのでしょうが、広範囲に発掘された採石跡の坑道についての調査と対策には、県としても県民の安全の確保から積極的な関与が求められます。この機会に、採石の坑道が掘られている地域全体についてきちんと調査を行い、それぞれの地域がどの程度安全なのか、あるいはどの程度危ないのか、これを住民にハザードマップの形で示すべきではありませんか。

 知事は、代表質問に答えて、再来年には継体天皇が即位して1,500年を迎えるので、こうした節目の年を活用すると述べられました。足羽山の採石の歴史も継体天皇の時代からと伝えられております。事故予防の調査、ハザードマップの作成とともに、かかる歴史的に価値ある坑道の保存と公開の可能性調査なども含めて、この際、全面的な調査を県と福井市で協力して行うべきではありませんか。・・・・・・

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   「住民としては非常に不安。しっかり調査と対策をお願いしたい」との住民の方の声は切実だ。
当時、わたしの提案は西川知事に受け入れられなかったが、いまからでも福井県と福井市が協力して、きちんと全面調査をおこなうべきではないか。地下の柱の老朽化や岩盤の脆弱化は日々すすんでいるのだから。