夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラプラスの魔女』

2018年05月12日 | 映画(ら行)
『ラプラスの魔女』
監督:三池崇史
出演:櫻井翔,広瀬すず,福士蒼汰,志田未来,佐藤江梨子,TAO,
   玉木宏,高嶋政伸,檀れい,リリー・フランキー,豊川悦司他

何という祭日なのだかいつまで経っても覚えられない「みどりの日」。
TOHOシネマズ梅田で2本ハシゴの1本目。

原作は東野圭吾の同名小説。映画版を観る前に読みました。
そのときのレビューはこちら

原作を読んだ人たちの間で「イメージがちがう」と不評を買っているのが
櫻井くん演じる地球化学教授の役。確かにイメージと全然ちゃう。
“探偵ミタライの事件簿”シリーズで脳科学者役を演じる玉木宏のほうが、
よほどこの教授役にも似合っていたんじゃなかろうかと思います。
そんな玉木さんが本作では櫻井くんに相談する刑事役で登場し、
これは三池崇史監督によるシャレのキャスティングではと私は思う(笑)。

何度か書いたことがありますが、映画には「20分ルール」なるものがあると聞きます。
開始後だいたい20分で事件が起きるなど、なんらかの展開がある。
そう思って観ていると、なるほどそこら辺りで何かが起きる映画が多い。
稀にまったくそうじゃない作品もあり、それはたいてい笑ってしまうケース。
本作も20分ルールをまるで無視、いきなり竜巻のシーンで始まります。
さすが三池監督とウケました。

檀れい演じる母親と幼い娘が竜巻に襲われ、母親が死亡。
そんなシーンで始まるのですが、それは置いておくとして。

初老の映像プロデューサー・水城義郎という男が温泉地で亡くなる。
若い妻・千佐都(佐藤江梨子)が忘れ物を取りに宿に戻っている間に、
水城はたまたまそこに滞留していた硫化水素を吸って死に至ったものと思われた。
しかし、遺産相続を狙った事件を疑う刑事・中岡祐二(玉木宏)は、
地球化学教授・青江修介(櫻井翔)の研究室を訪ねて相談。
青江は硫化水素を意図的に発生させることなど無理だと断言する。

ところが数日後、遠く離れた別の温泉地で同様の事故が起きる。
今度の被害者は、売れない俳優・那須野五郎(渋川清彦)。
水城と那須野が映画監督・甘粕才生(豊川悦司)を介せば繋がると知った中岡は、
ふたたび青江を訪ねると、こんな偶然があってよいものかと迫る。

調査に出向いた青江は、両温泉地で見かけた少女・羽原円華(広瀬すず)を不思議に思う。
彼女はこれから起こる自然現象を見事に言い当てて青江を驚かせる。
動揺する青江に、円華は友人・甘粕謙人(福士蒼汰)の事件への関係をにおわせ、
謙人の行方を突き止めるために協力してほしいと言うのだが……。

原作は500頁ほど、そこそこ分厚めの本でした。
2時間にまとめられるものかなと思っていたら、三池監督、端折る端折る(笑)。
水城と千佐都の馴れそめとか、甘粕才生のブログ内容とか、
切れると思ったら派手にバサッと。
話を簡単にするために、それ気づいたのこっちの人でしょてなところも
あっさり別の人の台詞にしちゃっているので、
原作既読だと、毎度の三池監督だなぁと結構笑えます。

あまり切なさがないのは原作も映画版も同じ。
そこに重きを置く私としては、どちらもイマイチではあるんですが、
どうしても私は憎めないんですよ、三池監督。

未来がわからないから夢を持てる。
たとえ自然現象は変えられなくても、夢を持てば未来もきっと変えられると信じたい。

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