夜な夜なシネマ

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『クエスチョン』

2013年05月16日 | 映画(か行)
『クエスチョン』(原題:Panic Botton)
監督:クリス・クロウ
出演:スカーレット・アリス・ジョンソン,ジャック・ゴードン,マイケル・ジブソン,エレン・リース他

2011年のイギリス作品。
日本では劇場未公開、GW中にDVDレンタル開始となったところです。
当たりのはずがないとは思いましたが、好きなジャンルですもの。
シチュエーションスリラーって、『ATM』同様、ハズレでも笑えるでしょ。

原題は“Panic Botton”。
DVDのジャケットによれば、キャッチコピーは「高度12,000m 史上最狂のクイズ・ショウへようこそ」。
インパクトとしては『ATM』のそれより小さくて、この時点ですでに多大なるハズレ感。
冒頭、「SNSにまつわる実話に基づいている」とテロップが出ますが、
観終わってみれば、どの辺りが実話なわけで?
ないない、絶対な~い!

世界中に会員を有するSNS(=Social Networking Service)、“オールトゥギャザー”。
その懸賞に応募したシングルマザーのジョーは、ニューヨーク旅行に当選。
幼い娘のソフィーを母親に預け、空港へと向かう。

あらすじの途中ですが、ここでまず笑ってしまいます。
「20分ルール」も何のその、開始からわずか1分30秒、
ジョーが出発したあとの家では、母親が何者かに射殺されます。

さて、空港で出会ったのは、同じニューヨーク旅行の当選者3人。
わりとイケメン、穏やかそうなマックス。
何かとエロ話を振りたがる、オッサンくさいデイヴ。
可愛く清楚な雰囲気のお嬢様、グウェン。
それぞれのプロフィールを見てだいたいのことは知っているつもりだが、
中にはマックスのようにプロフィールを非公開にしている場合も。
互いに軽く自己紹介して搭乗口へと向かう。

待機するプライベートジェットを見て4人は興奮。
いかつい風貌の女性係員に荷物を預けるさい、
機内では使用禁止だからと携帯を取り上げられる。
ソフィーに電話する約束だったジョーは納得できないが、
携帯を渡さなければ旅行に参加できないと言われれば致し方なし。

機内には乗務員もおらず、パイロットの挨拶もない。
4人だけということに疑念がよぎるが、シャンパンを開ければどうでもよくなる。

離陸後、モニターに映ったワニくんが、ゲームを開始すると言う。
各々に出題される質問に答えるだけだというのだが……。

さて、これも『ATM』同様、ネタバレ全開で。

質問というのが非常にプライベートなもので、人に知られたくないものばかり。
答えたくないから嘘をつく。ところがすべてワニくんにはバレていて不正解。
よって罰ゲームをしなくちゃいけなくなるというわけなのですが、
ものすごく恐ろしい罰なんです。
身内の誰かが拘束される画像が映し出され、目の前で殺されるっちゅう。

仕掛け人の狙いは“オールトゥギャザー”を潰すこと。
娘が自殺を示唆したさいに、“オールトゥギャザー”の会員たちが誰も止めなかったから。
ある者は笑い、ある者は黙って見ていただけ。それがジョーたち。
正解を出そうとも課題をクリアしようともジョーたちが許されることはなく、
どのみちプライベートジェットはオスロにある“オールトゥギャザー”本部に突っ込む運命。
終盤やっと姿を見せるパイロットも家族を拉致されていて、
オスロに向かわなければ家族を殺すと脅されています。

しかし、家族たちは実はすでに殺されていて、
プライベートジェットの荷物室には死体の山が。
そうとは気づかなかった4人は、なんとか家族だけは救おうと、
課題である殺し合いをするのですけれど。
誰も生き残らないのが凄いですねぇ。

ジョーの娘ソフィーは、仕掛け人のもとへ。
自殺した娘ルーシーの代わりに育てられるのでした。
そして仕掛け人の一人は空港のいかついおばちゃんというオチ。
犯人も動機も明らかな点では『ATM』よりはスッキリか。

おぞましい話でしょ?
なのにハラハラドキドキ感、まったく無し。この緊張感のなさは何故?
いや、マジで実話だったら怖いですけれども、ないっ!

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