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『ミセス・ハリス、パリへ行く』

2022年11月24日 | 映画(ま行)
『ミセス・ハリス、パリへ行く』(原題:Mrs Harris Goes to Paris)
監督:アンソニー・ファビアン
出演:レスリー・マンヴィル,イザベル・ユペール,ランベール・ウィルソン,アルバ・バチスタ,
   リュカ・ブラヴォー,エレン・トーマス,ローズ・ウイリアムズ,ジェイソン・アイザックス他
 
何年ぶりのシネ・リーブル神戸でしょうか。
どうやらこのとき以来、5年半ぶりのようです。
 
封切り日翌日だったこの日、オンライン予約してから行きましたが、まさかの大混雑。
こんなに客が多いとはびっくりです。皆さん、何に釣られておいでなのでしょうか。
 
1957年のロンドン
戦地に赴いたままの夫の帰りを待ち続けるたエイダ・ハリスは、
高級アパートメント家政婦をしながら日々つつましやかに暮らしていた。
 
ある日、雇い主の部屋で目にした1着のドレスにエイダは目が釘付け。
夫人が言うにはそれはクリスチャン・ディオールのドレスで、お値段500ポンド(約85,000円?)。
あまりの美しさに言葉を失うエイダは、いつかディオールのドレスを自分も買いたいと夢を抱くように。
 
夫が戦死したことをついに知らされて悲しむエイダだったが、
親友のバイとアーチーに支えられ、なんとか過ごす。
そしてサッカーくじを当てた(たいした額ではないが)ことをきっかけに、
これは夫が夢を叶えよと言ってくれているにちがいないと考える。
 
パリまでの旅費などを少しずつ貯めはじめ、やっと目標額に到達。
不安を抱えつつもパリへと乗り込むのだが……。
 
素敵な素敵な物語でした。
ディオールへとたどり着いたエイダに女性ディレクターは冷たいし、
富裕な顧客はエイダを見るや不快感をあらわにして蔑む態度。
しかしキャッシュで500ポンド払おうとする客は帰すべきではないと考える会計担当者。
さらにはお針子やモデルたちは、ロンドンから金を貯めてやってきた家政婦に拍手喝采。
なんとかこの勇気ある家政婦にディオールのドレスを着てもらいたいと思うわけですね。
 
エイダ役のレスリー・マンヴィルは実に可愛いおばちゃん。
反対にディレクター役イザベル・ユペールは陰険きわまりなくて上手い。
会計士アンドレ役のリュカ・ブラヴォー、どこで見たっけと思ったら、
『チケット・トゥ・パラダイス』のあの間抜けなパイロットかよ。
本作ではお人好しで超知的なイケメン役。惚れましたね。
そして彼が秘かに想いを寄せるモデル、ナターシャ役がこれまた超可愛いアルバ・バチスタ。
 
金持ちを相手にするメゾンだからと言って、収益が順調ではない。
逆にどの顧客もキャッシュでは払ってくれないから、
手間暇かけてドレスが完成した後でなければお金はもらえません。
思うように利益が上がらないのに、メゾンとしてのプライドが邪魔をして新しいことができないとは。
 
少しだけ背伸びをすれば誰でも買える香水
こんなことがあって販売されるようになったのかなと思います。
ディオールのイメージアップには私は興味はないけれど、絶大な効果がありそう。
 
すごくよかった。

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