『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(原題:No Time to Die)
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ダニエル・クレイグ,ラミ・マレック,レア・セドゥ,ラシャーナ・リンチ,ベン・ウィショー,
ナオミ・ハリス,ジェフリー・ライト,クリストフ・ヴァルツ,レイフ・ファインズ他
109シネマズ箕面にて。
“007”シリーズはダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドになってからしか観ていません。
彼がボンドを演じるのは5作目。これが最後になってしまうなんて寂しいなぁ。
さて。冒頭はジェームズとその恋人マドレーヌのやたら幸せそうなシーン。
“ワイルド・スピード”シリーズもよくこんな感じで始まりますよねぇ。
それが一瞬にして不幸に見舞われる。
ボンドの場合は、彼ひとりでいるときに何者かに襲われ、
自分の居場所を敵に教えられるのはマドレーヌしかいないと、彼女を裏切り者に認定します。
必死で否定する彼女を見て、そうじゃないのかもと思ったものの、
もう彼女とは一緒には居られないと別れます。
さてさて。ふたりが分かれてから時は経ち、5年後。
本来なら本作は昨年公開されていたはずですから、
前作『007 スペクター』(2015)からもちゃんと5年後。
公開直後に観たという友人から、人間関係がようわからんから説明してほしいと言われました。
酔っぱらってメッセージをくれたので、しらふになった今はすでにわかっているでしょう(笑)。
ラミ・マレック演じる今回の敵=サフィンは、まだ子どもだった頃、
自分の家族を闇の巨大組織“スペクター”のメンバーに殺されました。
大人になったサフィンは、復讐を果たすために犯人の家を訪ねます。
それがこちらもまだ子どもだったマドレーヌの家でした。
つまり、サフィンの家族を殺したのは、マドレーヌの父親だったというわけです。
ところがマドレーヌの父親は不在。
サフィンは母親を瞬殺すると、逃げたマドレーヌを追いかけます。
家の前に広がる凍った湖を駆け出したマドレーヌは氷を踏み抜き、
そのまま溺れかけたところを救ったのがなんとサフィン。
少女だったマドレーヌをサフィンは殺せなかったのです。
何十年も経った今、サフィンはやはり復讐を果たそうと考えます。
まずはスペクターの壊滅を目論み、完遂。
そして今度は家族を殺した憎き犯人の娘マドレーヌを苦しめようとします。
彼女を苦しめるいちばんの方法は、彼女が愛してやまない者を消し去ること。
マドレーヌが最も愛しているのはジェームズと、
(ジェームズは知らなかったけれど)マドレーヌとジェームズの間に生まれた娘マチルド。
という流れになっていると思うのですが、私の解釈って合ってます!?
めっちゃよかったとは言えないけど、160分超の長編なのに飽きません。
睡魔に襲われることなく最後まで観られました。
ラミ・マレックには悪役の迫力があまり感じられなくて、イマイチ。
死んだと思われていたジェームズの007番を継いだという、
ノーミ(ラシャーナ・リンチ)は器が小さすぎて(笑)、007を名乗るのは許しがたい。
と思っていたら、終盤はそれなりの人物になっていましたね。
私はやっぱりベン・ウィショー演じるQが好き。
彼がゲイであることを匂わせる台詞は初めて登場したのでは。
好きな人が来訪するからといそいそ料理していたのに、
その直前にやってきたジェームズに嫌な顔をするところも笑いました。
ジェームズに苛立つノーミに、秘書のイヴ(ナオミ・ハリス)が聞かせるジェームズ評も笑った。
ボンドガール、マドレーヌ役のレア・セドゥも好きでした。
これで本当にサヨナラかぁ。
って、ダニエル・クレイグが死んだわけじゃなし。
で、次のボンドは誰!?
誰でもいいけど、候補に挙がっているヘンリー・カヴィルは無しじゃないか?
スーパーマンの人がボンドなんて、変すぎる。