おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

あの日の僕

2009年03月16日 | 日記・エッセイ・コラム
時の流れを感じて、ふと昔へと戻った 
 
村の総会
一年間の会計報告と次年度の予算案等の承認と
特に荒れることも無い総会で
一通りの議事が終り、懇親会としてお酒が振舞われた
少々、呑みすぎたのか
足元も覚束ないまま、欠席者のところへ
書類を届けに公民館をあとに
 
前方で、一台の車が車庫入れをしている光景が
目に飛び込んできた
 
それはこの春から大学生になる
小さい頃から知っている、近所のイケメン君だった
 
彼の父親もすこぶるイケメンで
僕よりも4歳年上だが
小学校の時には、同級生の女子は皆
先輩に憧れていた
同性から見てもカッコよく、憧れの人だった
 
そんなイケメン先輩に
一度、こっぴどく怒られた事がある
 
小学生の時、家の横でボーっとしていると
自転車に乗った先輩が近づいてきた
学生服もビシッと決まっていたと
記憶している
 
それから後は、時間にして10分ほどだろうか
僕は直立不動のまま
ありがたい説教を聞き続けた 
 
その後、いろんな所で見かけた先輩は
女性にモテル要素をすべて兼ね備えたような
男になっていた 
 
時は流れていま
 
そんなお父さんに負けずとも劣らない
息子がいる
彼も、普段はスカした態度で
イケメン独特のオーラと言うか
喋りかけるのに、一拍おくほどの独特の眼つきを
している
 
が、昨日は千鳥足の僕
お酒の力もあったのか、笑顔で彼に
 
『これ、お前の?』
 
彼と車を交互に指差していると
運転席の窓が下る
 
「オカンの車です!」
 
満面の笑み!
 
それからは、大阪の大学に行くことや
車は買えないから、向こうに行ってから
単車の免許を取りたい!とか
とにかく、新大学生になることの喜びを
爆発させながら語る彼をみつめた
そして、全てに希望を持った彼の言動の
気持ちよさは
 
「はい!」
 
と言う、心地良い返事がより引き立てていた
 
「がんばれよぉ!」
 
他愛も無い言葉を投げかけるのが
精一杯だった自分を少し情けなく感じたと同時に
あの日のことが、不意に
そして鮮明に蘇った
 
(そうやな、そんな事あったな)
 
あの日、先輩の言葉ひとつひとつに
 
「はい、はい!」
 
と、答えていた自分を重ね合わせ
時の流れを感じて、ふと昔へと戻った 
 
 


コメント
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