おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

8月

2008年07月31日 | 日記・エッセイ・コラム
いよいよ明日から8月だ。
 
一ヶ月が、いや、一週間がこんなにも早く
感じるようになったのは、何時頃からだろう。
気がつけば水曜あたりで、あっと言う間に土曜日になって、
楽しい日曜日は記憶に残らないくらい
早く過ぎ去ってしまう。
そしてまた月曜日がやってくる。
 
当然、一週間が風のように過ぎ去り、
一ヶ月が光の速さで駆け抜けるって事は、
一年も早いって事になる。
 
社会人にでもなると、一年の中で区切りが少ない。
リストラされたとか、恋人にフラれたとか、
レンタルDVDの中身が違ってたぁ!とか、
隣の客のトンカツの方が、どうしても1センチ大きい気がするとか、
ネギラーメンのネギ大盛りを頼んでおきながら、
店員が来るたびに
 
「ネギ、大盛りね!」
 
って言うもんだから、倍々ゲームに膨れ上がって、
ネギラーメンって言うよりは、ラーメンネギじゃんって周りから
一斉に突っ込みを入れられるヤマモトさんとか、
日常の中で、それなりに色々とメリハリはあるだろうが、
区切りと言うほどの起伏じゃない。
 
僕個人のことで申し訳ないが、
僕のブログなので、個人的な事を書かせてもらうと、
ここ数年、気がつけば秋と言う年が続いている。
 
気がつけば秋、振り向けば秋とは、なにごとぞぉ!
 
ズバリ言うと、夏を感じていないって事に落ち着く。
正確に言えば、夏だと認識出来ても、今が夏だと
言う、実感が希薄なんだろう。
 
夏のドラマはどこか物悲しい。
それがたとえ、ハッピーエンドだったとしても、
最終回を迎えるときには、季節は秋。
夏が終わってしまったと言う気持ちが
どこか物悲しさを漂わせる。 
 
高校野球も然り。
 
“ザ・夏!”
 
とも言える一大イベントが終わる時、
決勝戦のグラウンドに赤トンポが飛び交うと、
夏が終わると思う。
 
そう、僕は秋を感じた瞬間、実感してなかった
夏が終わったと感じていた。
何故か?その答えが最近分かった。
 
“匂い”だ。
 
夏の匂いだった。
小さい時に強烈に刷り込まれた夏の匂いを
感じることなく、過ごしていたことに気付いた。
 
自転車通勤するようになって一ヶ月。
この一ヶ月を振り返ってみると、やっぱり早かった。
が、毎日の中で色んな発見も出来た。
その一つが匂いだった。
 
緑の風の匂い、小さいときの記憶が蘇る川の匂い。
そして太陽の匂い。
 
太陽の光を浴びながらペダルを漕ぐ。
汗が流れる。汗のにおいも違って感じる。
 
明日から8月。
 
今年は夏を感じることができると思う。
 

 


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S氏

2008年07月30日 | 日記・エッセイ・コラム
ナポリタンと書いて、思い出した事がある。
 
若かりし頃、村の青年団に入団した。
年頃の男子なら有無を言わせずに
何の確認もとらずに入団させる、我が村の青年団。
僕の時も、先に入団していた弟が、
 
「兄ちゃんもメンバーらしいよ、早よ出て来いやて!」
 
なんだそれは!と一瞬思ったが、青年団とはそんな所。
その青年団で祭りの準備をしていた時、
休憩として近くの喫茶店に出掛けた。
秋とは言え、暑さが残る。
口々にアイスコーヒーを注文する。
 
そんな中、一人メニューを眺める人がいた。
 
S氏である。
彼は僕の同級生であり、馬鹿会結成当時から名を連ねる
オリジナルメンバーの一人でもある。
 
大学卒業後、家業を継ぐために帰郷。
そのまま青年団に入団した。
メニューを注文し終えた団員がS氏を見つめる。
歳はとっていたが、新入団員らしく遠慮していると団長が、
 
「好きなモン、頼んだらええでぇ!」
 
お会計は青年団持ちなんで、どうぞ!って事だ。
その言葉に安心した彼は都会ナイズされた発音で一言、
 
「イタスパ!」
 
時が止まった。
もちろん、その発音が洗練されていたからではない。
ちょっとした休憩。飲み物だけと言う暗黙のルールがあった。
それを知らなかったとは言え、そのチョイスがよりによって
イタスパとは。
イタスパとは勿論、イタリアンスパゲティの事。ナポリタンの別名だ。
 
その後、S氏は年下の団員からは
 
「イタスパさん」
 
と呼ばれる事になる。
そんなイタスパさんは、青年団と同時に消防団にも
入団していた。こちらは一応勧誘と言う形式を取っていたが、
もちろん、断わることは出来なかった。
 
そんな消防団で楽しみなのは、一年一度の旅行だった。
毎月6,000円を積み立てし、結構、豪勢な旅行だった。
毎年の旅行の中で、記憶に残っている食べ物がある。
 
“べトコンラーメン”である。
 
幼少の頃“秘密基地”と聞いて胸の高鳴りを覚えたように、
どことなく、少年の心をくすぐるこの響き。
このラーメンをなんとしても食べたくなった僕達は、
タクシーの運ちゃんにその旨説明すると、
一発返事で屋台へと連れて言ってくれた。
 
普通の屋台。期待に胸躍らせ席につくと、
早速べトコンラーメンなるものを注文した。
出てきたのは普通の醤油ラーメン。
違うところをあえて言うなら、ゆで卵が薄いスライスだった事。
 
「これ、どこがべトコンラーメン?」
 
素朴な疑問を投げかけると、オヤジは得意そうに言った。
 
「ベストコンディション・ラーメン。略してべトコンやぁ!」
 
一同大爆笑したが、
一番受けて最後まで笑っていたのは
S氏だった。
 




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ナポリタン

2008年07月29日 | 日記・エッセイ・コラム
先週の土曜日、馬鹿会が開催された。
 
すでにこのブログではメジャーである馬鹿会の事を
今更説明する必要はないと思うが、簡単に説明すると、
馬鹿の会と言う事だ。
判りにくいと言われるなら、ヤホーなり、ゴーグルで
検索して頂きたい。まったく何の関係もない馬鹿会が
ヒッツするはずだ。
 
そんなバカの会。
今回集まったのは他でもない。
恒例となりつつある、プチ旅行の最終打ち合わせ会を
兼ねた飲み会だ。
 
『2008年バカの旅』
 
と、僕が勝手につけてまったく浸透しないタイトルに
憤りを感じながらも、順調に会議は進行した。
 
場所はこれまた頻繁に登場する
近くの居酒屋。
昼間は定食やらカレーライス、ラーメン等を
出してるんで、一見して居酒屋とは呼べないかも
知れないが、
たぶん居酒屋って事で異論は少ないはずだ。
 
まずは生ビールで乾杯。
生レバを人数分注文し、続いては明石蛸の刺身。
砂ずり、皮、トンカツ、枝豆・・・
次から次へと注文していく。それをすべて大将は暗記。
 
「はい、はい、うん!」
 
凄いね!
それで覚えられるの?なんて失礼な事を
言っていると、次々と注文したモノがやってくる。
 
「ええっと、つくねは?」
 
ほろ酔い気分で僕の好物である“つくね”を催促すると、
 
「え?聞いてないよぉ!」
 
うそぉ~ん、言いましたよ、僕。
それを皮切りに、他の出席者もアレやコレやと催促。
 
「ええねん、そんなモン食べんでも!」
 
ええぇぇぇぇ?!
 
「まぁ、ええわ、ほな、ビールのおかわり!」
 
中ジョキを勢い良く差し出すと、
これまた面倒臭いから、瓶ビールでええか?と言われる。
 
しかしそこは馬鹿会と大将との積年の恨み。
間違えた。
長年の付き合い。
大将の人間味も味わいながら
わきアイアイと進めて行くのが、馬鹿会の楽しみの
一つでもある。
 
「ほな、最後のシメにナポリタン作って
 
言っては失礼だが、一度期待せずに食べたが、
これが結構美味しかったんで、メンバーの中では
評判がいい。
 
タバコの煙に目を細めて、大将が一言。
 
「そんなん食べんと、もう帰ってかぁ?」
 
どうも作りたくなかったようだ。
 
お会計を済ませて僕達がコンビニに向った事は、
紛れも無い事実である。
もちろん目指したのは、ナポリタン。 
 
一個しかなかった。
 
買えなかった。
 
余計に腹が減った。
 


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自給率

2008年07月28日 | 日記・エッセイ・コラム
いつの記事だったか、大根を食べ過ぎて
もう大変!って言う嘆きのブログを書いた日があった。
 
「貴方の好きな食べ物は何ですか?」
 
こう聞かれて即答で出てくる食べ物は
本当に好物なんだろうなぁ~と思う。
そう言う僕はどうだろう?
う~ん、即座には出てこないが
じっくり考えをめぐらせてみると、う~ん出てこない
 
仮に好物が“カキフライ”だとしよう。
さて、これを何日食べ続ける事が出来るだろか?
フライ物はしつこいから、あっさりとした
冷奴が好物だとしよう。
しかぁーし、だ。
これにしても、三食続けてだと直ぐに飽きるし、
一週間続けて食べ続ける事が出来るのは、
「神田川」か「赤ちょうちん」の登場人物だけのように思う。
 
いくら好物だって言っても、食べ続けることは難しい。
 
そんな困難が事態がまた僕を苦しめている。
今回の敵は
 
“トマト” 
 
だ。
 
好物ではないが、嫌いでもない。
トマトジュースも飲むし、リコピンも摂取できるからと、
積極的に食べるほうだ。
しかし、好物でも食べ続けるのが苦しいと言うのに、、
夜の食卓に並ぶようになって、すでに2週間以上が
経った。
 
一日の労働を終えた後、楽しみなのは
ゆっくりお風呂に入ることと、
ちめたいアルコールを飲みながら食べる夕食だ。
 
その夕食を彩るはずの食卓は、
いつ見てもまっかっか!
ど真ん中にトマト。
 
冷えてて、確かに美味しい。が、毎日では・・・
 
では、なにゆえにこんなに毎日食卓に登場するのか?
 
それは大根同様、自分ちで作っているから。
オカンとオトンの趣味である家庭菜園の成果だから。
今年はことのほか、トマトが大豊作らしい。
 
いろんな偽装問題で、食糧自給率が取りざたされている
近頃だが、ことトマトに関して言えば、自給率
 
120% 
 
である。
 
あぁ、今夜もトマトです。
 


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号泣

2008年07月26日 | ニュース
国民性も関係しているのか、ニュース画面を見ていると、
人目も気にせず感情をストレートに、
いや、大袈裟にも見えるオーバーアクションで
映っている人を見かける。
 
日本でも、そんな場面はあるんだろうけど、
外国の人の方が、より感情を素直に表現するかも知れない。
 
昨日、
寝る前に何気なくテレビを見ていると、
北京オリンピックのニュースが流れていた。
 
「あぁ、もうすぐなんだね」
 
こんなに暑い日々が続くのに、
また熱い夏がやってくるのか!っと、
ベタな詩人気取りで、画面を眺めていると、
チケットを買う人波が映った。
まぁ、どこのチケット売場でも同じようなものなんだろうけど、
そこは中国。
人・ヒト・ひと、長蛇の列だ。
 
お目当ては、人気選手の出場する“高飛び込み”らしく、
陸上やサッカーなんかよりも注目度があるらしい。
 
「これもお国柄やね!」
 
なんて、リーダー城島口調で感想を述べていると、
座り込んで泣いている人が映った。
どうやら、チケットが買えなかったらしい。
 
「一枚も買えなかった」
 
落胆する台詞とは不釣合いなほどに、
鼻水を垂らしながら泣き崩れる男。いや、まさに
号泣だった。
 
「ええ、年こいて、そんな事で泣くなや!」
 
内心思った。
滑稽なシーンだと、夜中にも構わず、大声で笑ってしまった。
どうみても、おっさんにしか見えない。20代ではないはずだ。
中国の人って、年齢よりはちょっと老けて見える印象があるが、
それでも20代には見えなかった。
そんなおっさんが、チケットが取れなかったと号泣している。
純粋と言うかなんと言うか。
 
ただ最近、涙腺がつとに弱くなった僕の笑い声は、
いつかし涙声になった。
 
笑いながら、涙がこぼれた。
 
「おっさん、がんばれやぁ!」
 
膝を抱えて号泣しているおっさんを見ていると、
ここへ来るまで、どんだけ楽しみに来たんだろう?とか思って、
いつしか笑いは止まり、声を出して泣いてしまった。
 
号泣とまではいかなかったけど、声を出して泣いた。
 
おっさん、あきらめるなぁ!がんばれ!
 


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