アンリ夫妻がどうしてもニーム泊を阻止するため、迎えに来たのは、この長い一日のメインコースが待っていたからだった。
日本でお世話になったからと、夕食に招待してくれると言うアンリ夫妻の友人宅に行かないわけにはいかなかった。アンリの運転で彼らの家に到着して、びっくりした。
サンレミドプロバンスに近いその家は、豪邸そのものであった。(おじいさんから受け継いだ家だとモーリスは言っていた。)
しかもただ大きいだけではなく、近代的な設備が随所に見られ、かなり便利な仕様の家だった。
そこで待っていたのは、その家の夫妻のモーリスとその奥さん(名前は失念)、一緒に来日していたもう一組の夫妻、キャロルとオリビエも待ってくれていた。
モーリスとオリビエ↓
来日したときと印象が違って見えることは時々ある。
来日時↓
左はモーリスの奥さんで、右はオリビエ↑
このモーリス夫妻も日本で見た時よりずっとダンディに見える。オリヴィエとキャロルは日本で会った時からとても温和でが感じがよかった。循環器系の医師だったのだが、コロナ後に辞めたそうだ。ストレスがなくなり、楽になったと笑顔だった。奥さんのキャロルは看護師としてまだ働いているらしい。
右から、キャロル、アニエス、オリビエ↓
アペリティフをいただく前に、前に広がる庭を散策。プールもあって、シンメトリーなフランス式庭園はまるでロスチャイルド邸のようだと、思ったほどである。
奥さんも「夏に来て、今度は泳いでね」と言った。
アペリティフへと誘導され、ゆっくり話が始まった。
とにかく立派なお屋敷に圧倒されてしまい、何を話していたか覚えていないほどである。
テーブルへと、言われて、晩餐が始まった。
南仏風の前菜の中に、苦手なものが一つあった。ブーダンノワールだ。(私がフランス料理で食べられないものの一つである。もう一つはアンドゥイエット)
これを食べて体調が悪くなったことがあるので、どうしようかと思っていたが、「前に食べたものよりずっとおいしく大丈夫」と言われ、一口食べてみた。確かに今回のは違っていたが、やっぱり味見だけにしておく方が安心だったので、これだけは残してしまった。
メインはポークだったと思うが大きな塊を切り分けてお皿に取ってくれた。
付け合わせの栗やキノコも季節のもので、とても美味しかった。
デザートはプリンのような大きな、フランと言ったと思う。
クレームキャラメルと呼ばれるプリンより少しあっさりしている。
もちろんチーズも出てきた。
そこでお開きにはならない。
また何か日本のものを見せることになり、茶箱での点前をすることになった。
みんなここでは、シャンパンから始まり、白や赤も飲み、もうかなりまわっていたが、そんな状況でも興味深く見てくれていた。
ストライキの洗礼を受け、ショックで一時はどうなるかと思ったが、長い一日の終わりにはすっかりそのこともわすれてしまう大きなお屋敷での優雅な素敵な夕べだった。