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Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

ロペス先生裁判 ―「ぼくの好きな先生」―

2006-04-02 21:12:09 | 映画
見栄を張ってGoogleNewsフランス語版をブラウザのトップページに設定している私です。
今はもっぱら初期雇用制度(って言えばいいのかな?)に反対するデモの様子やシラク大統領、ド・ヴィルパン首相の発言が多数掲載されています。
ついふらふらと、Culture のところをクリックしたら、このような記事を見つけました。
L'instituteur n'est décidément pas un acteur(教師は決して俳優ではない

フランスのドキュメンタリー映画「ぼくの好きな先生(etre et avoir)」に”出演”されたジョルジュ・ロペス氏が肖像権侵害にかかわる賠償金の支払いを求めて起こした裁判の結果を伝える記事です。

この映画はフランスの田舎の学校での生活を淡々と伝えるドキュメンタリーです。
いわゆる複式学級で、小学校入学前の子供から高学年の子供までが同じ教室で一人の先生から勉強を、共同生活の仕方を教わっています。

教室での授業の様子、屋外学習の様子、雪の季節にそり遊びをする様子。
子供たちは自然で、先生が大好きなのがよく伝わってきます。
(あまりに淡々としすぎていて、映画館で鑑賞中眠くなってきたほど・・・)

そのロペス先生が、監督を相手に肖像権の侵害に対する賠償金請求の裁判を起こしたのが2003年のことだそうです。
そして、パリ地方裁判所(正式にはパリ大審裁判所と言うらしい)は「ドキュメンタリーの主人公は俳優にあらず」の判決を下し、ロペス先生の訴訟を破棄しました。

ロペス先生は控訴したのですが、その控訴がこのたび棄却されたのですね。

裁判所としては、”ロペス先生は、このドキュメンタリーが成功した―フランスでは180万人を動員、2002年のカンヌ映画祭ではルイ・ドゥリュック賞を獲得―のを知って初めて肖像権云々を言い出した”ことを指摘しているようです。

早い話が、きっとこういうこと。
ロペス先生、この映画(ドキュメンタリー)がこんなにウケるとは思っていなかったので、撮影当初は肖像権のことなどまったく頭になかったのですが、映画が成功したことを知り「それなら、俺にも分け前をくれよ」と思ったのでしょう。

あの映画を観た人間としては、ロペス先生の周りの人間が彼に”悪知恵”をつけて焚き付けたと思いたいのですが・・・。
映画の中のロペス先生は、ほんと~~~に良い人でしたから。



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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裁判所の名前 (vento627)
2006-04-09 09:36:55
遊びにきました

記事をちょっとみましたが、のっけからLa cour d'appel de Paris パリ控訴院や、le tribunal de grande instance de Paris パリ大審裁判所など、辞書を引いてもわからない裁判所の名前で、うひょー、手ごたえありまくり、です。



記事にあるように、ロペス先生は、裁判費用を負担させられるのですかねえ。なんとも、割り切れませんなあ。



あ、TBさせて頂きました
返信する
破棄院っていうのも (miauleuse)
2006-04-10 00:11:50
ventoさんこんばんは。

本当はvento627さんなんですか?

コメント&TBありがとうございます。



フランスの司法制度をネットでチラリと調べたら

「破棄院」っていうのもありました。

これは大審裁判所での判決の破棄を申し立てる裁判所だそうです。

破棄院、なんて突拍子もない名前だと思いますが、意味を知るとなんとか納得・・・。

破棄院をフランス語で何と言うかが分からないんですよ 
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