
子育てにおいて、子どもの思春期は最後の「山」です。
思春期には、父親と母親の両方がいる家庭の場合、両親の仲がいいことは、とても大切なことです。
子どもが自立する前に仲が良くなかった夫婦が、子どもがいなくなったからといって、急に仲が良くなることはありません。
というより、むしろ父親や夫婦が定年になり、家で一緒にいる時間が増えると、さらに関係が悪くなるなることもあります。
私は、以前に自分が旅行するのに、自分では荷物を作らず、全部妻にしてもらっているという話を聞いて驚いたことがあります。
私は自分が旅行するなら、着替えや服を自分で身つくろい、旅行カバンに詰めるなが当たり前であると思い実行していますし、自分が着る服は全部自分で買っていますので、これには驚きました。
もし、自分のことを何もしないお父さんがいるならば、自立していない人がもう一人家庭にいることになります。
自分のことをしないお父さんを、最後の子育て時期である子どもの思春期に、一緒に自立させることは、子育て終了後の夫婦での生活のために、とても大切です。
退職後、夫婦関係の悪化がよくメディアでとりあげられていますが、それは、夫が妻なしではなにもできないことに、妻がウンザリしてしまうことが多いからでしょう。
こんな人と余生を暮らすの?
もうたくさん。
子どもがいるときは目立たなかったのですが、子どもがいなくなると、やたら歳をとった「子どもみたいな人」が、家にいます。
共通の話題もないし、話せばすぐケンカになる。
だから、これほど、極端な例でなくとも、思春期の子育てのねらいは、子どもを自立させることにあるのですが、お父さんも一緒に自立させるといいのです。
もし、前述のようなお父さんがいるならば、わが子のことで、たくさん話し合い、夫婦で一緒に子育てして、コミュニケーションをとっていれば、お互いのことがよく理解し合えるようになります。
平素から、夫婦が子どものことについてよく話し合っていれば、会話が次の別の会話にもなります。
「それで、あの話はどうなったの?」
「ああ、あれはね・・・」「それから、お父さん、こんな話があるんだけど・・・」
子どもについての話し合いや仲良しの両親の関係が、子どもの健やかな成長にとっていいことはもちろん、じつは夫婦の関係にとってもいいことなのです。