
中学生のなかには、なかなか自分できめたり、判断したりできない子がいます。
「中学生なんだから、自分で考えなさい」といっても、ジーと黙ってしまい、言葉を発せない場合があります。
幼い頃から、「あーしなさい」「こうしなさい」と、すべて指示されてきた子に多いようです。
失敗したときに、「いう通りにしないからよ」と、子どもが決めたり、判断することを否定した場合、積み重なってくると、自分で考えるのをやめるようになります。
自分で考えても、どうせ反対されるだけ、やってもムダ。だったら、大人がいう通りにしていたらいい。
無意識のうちに、このような意識がはたらき、考えるとしんどいから、傷つくこともないし・・・と考えることをしなくなります。
子どもに自主性が育たない一因は、大人が指示しすぎることにあります。
箕面市のいまの子どもの課題で共通しているのは、「失敗するのをこわがり、チャレンジしないこと」です。
この傾向が強いのは、失敗したきに、受けた傷つきの経験が、子どもにチャレンジをためらわせるという理由からと考えることができます。
加えて、大人が指示しすぎることも、チャレンジ意欲を削いでいくからと思われます。
三中の生徒は、どうでしょうか。4月に行なった全国学力学習状況調査の質問紙調査の結果をみてみます。
「難しいことでも、失敗をおそれず挑戦していますか」を全面肯定して「はい」と答えた子は、全国平均が19.0パーセントでしたが、三中の場合は33.1パーセントでした。
この数字から、一定程度、自主性が育っていると、とらえていいと思います。
もし、保護者のみなさんのなかで、うちの子は指示待ち人間で、自主性に欠けると思われるようでしたら、「自分のことは自分でやりなさい」「自分で考えてやりなさい」と、一切の口出しをやめます。
子どもはとまどうでしょう。親もつらい思いをしなければならなくなります。
しばらくは、子どもはいままでやっていたこともやらなくなります。親は指示したくなります。これを、グッとこらえます。
すると、子どもは自分で判断して、行動するようになります。この力は、社会のなかでたくましく生きる力になります。