箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

自分の非を認めない子とは

2016年10月04日 06時19分22秒 | 教育・子育てあれこれ

「自己肯定感」は、教育用語ですが、いまでは子育ての分野でも、人間関係に関しても、日々ね生活の送り方など、さまざま場面で一般的に使われます。

では、自己肯定感とは何でしょうか? 自己肯定感とは「自己を肯定する感覚」、つまり「自分は大切な存在だ」と感じる心の感覚です。

これは、あくまでその人の感覚です。自己肯定感が高いと、「自分はかけがえのない大切な存在、価値のある存在だ」と感じている、ということです。

さて、たくさんの子どものなかには、たとえば悪いことをしたのに、謝れない(謝れない)子がいます。

自分の非を認めないのは、
素直でないから
我(が)が強いから
プライドが高いから
自分が悪いと思っていないから・・・。

いろいろと理由があるでしょうが、謝らない子に対峙した大人は、なんとか謝らそうとします。

しかし、謝る・謝らないには、自己肯定感が影響している場合があります。このことを、私たちは心に留めておきたいのです。

自己肯定感が高い子は、自分の人を認めることが容易です。だから謝ることができます。

自己肯定感の低下してしまった子は、自分の非を認めたり、謝ったりすると、自分の存在価値がなくなってしまうという気持ちでいるのです。

自分の存在価値がなくなるとは、自分が全否定されていると、大人はそんなつもりではなくても、少なくともその子がそう感じることから生まれます。

いままでに、しょっちゅう叱られている子は、自己肯定感が下がりきっています。
自分の非を認められないのは、自己肯定感が低下している子が、自分を守るため身につけた「鎧」のようなものです。

このような子の場合は、とことん、徹底的に追いつめるのはよくないのです。ひとまずはその子の言い分に耳をかたむける。いったんは認める。

おそらく、本人には本人のいきさつがある、本人なりに叱られないように努力した点を見つけ、認めます。そのあとで、「でも、この点はよくないよ」と指摘すると、すんなりと非を認めることがあります。