下記の記事を訂正しました。
「米ワシントン・タイムズ紙、尖閣諸島が日本領土であることを示す地図 (中国政府作成) を掲載」
英文の日本語訳部分を、日本政府の主張を正確に反映した表現に訂正しています。詳細は当該記事の「追記」部分をご覧ください。
「中国は「尖閣諸島は日本領土である」と認めていたらしい」
中国語の日本語訳部分を、「自然な」日本語に直しています。訳文の意味は変えていません。
日本銀行の拙劣な金融政策を批判していたのは、別にバーナンキだけではありません。
ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンは、低金利下でデフレ不況に陥っている日本経済の状況を「流動性の罠」と名づけたことで知られます。その後も「It's Baaack! Japan's Slump and the Return of the Liquidity Trap (復活だあっ! 日本の不況と流動性トラップの逆襲)」といった論文などで、日本の金融政策の問題点を指摘してきました。
クルーグマンは「子守協同組合」の話をひいて、日本経済の陥ったデフレ不況の仕組みを説明しています。非常にわかりやすい比喩 (ひゆ) なのでここに紹介しておきましょう。
この子守協同組合はジョアン・スウィニーとリチャード・スウィニーという夫妻が一九七八年に「金融理論とキャピトルヒル子守協同組合の大危機」という論文で紹介した、一九七〇年代に実在した組織です。
子どものいる夫婦が何百人か集まって、「子守協同組合」をつくったのです。これは外出などの用事ができたときに、他の夫婦が子どもの面倒を見るという、子持ちの夫婦による互助組織です。
各夫婦にはクーポンが配られ、子守りをしてもらうときには、子どもを預かってもらう夫婦が、子どもを預かってくれる夫婦に、そのクーポンを一枚渡すという仕組みです。各夫婦は、外出をしない間に他の子どもの子守りをしてクーポンを貯め (ため) 、外出するときにそれを使う、という形です。
ところがこの組合はすぐに行き詰まってしまいました。クーポンを貯めようと考えて外出を控える夫婦が、外出する夫婦をはるかに上回ってしまったのです。子どもを預ける人はごく少数になり、組合の活動は「停滞」しました。
このたとえ話では組合は経済、クーポンはお金を意味しています。
老後が不安だったり、仕事の先行きを悲観したりして、「お金を貯めたい」と考える人が増え、「お金を使おう」と思う人が減ると、貯蓄が増えて消費や投資が減り、経済は停滞します。
この停滞からどうすれば抜け出すことができるでしょうか。
答えは簡単です。
クーポンの配布量を増やせばいいのです。手持ちのクーポンが増えれば、それ以上クーポンを貯め込んでもしかたないので、「クーポンを使って子どもを預けて、外出しよう」と思うでしょう。
同じことは、現実の経済についても当てはまります。
つまり貨幣の量を増やしてやれば、人々は貯金をほどほどにして、消費や投資を始めることが期待できるのです。
クルーグマンはこのたとえを使って日本経済の長期停滞についても説明しています。
「子守協同組合」に参加する夫婦の中には、手持ちのクーポン以上に外出したいと考える人もいます。
そういう人のために組合は、クーポンを貸し出す制度を始めました。これまではクーポンがなくなれば外出をあきらめるしかありませんでしたが、貸し出しを受ければ、先に外出して、後でだれかの子守りを引き受ければいいわけです。
この貸し出しには利子がつきます。組合としては、その利子を変えることで、外出する人と子守りする人のバランスをとることができるのです。
先のケースのように、外出を控えてクーポンを貯め込む人が増えたら、利子を下げてあげます。するとクーポンが借りやすくなるので、外出が増えるでしょう。
外出したがる人が増えて子守りの人が足りなくなったら、利子を上げてやれば、クーポンは借りにくくなって、外出が減るでしょう。
これは経済でいう、金融の緩和と引き締めに当たるものです。
さてあるとき、クーポンを貯め込もうという夫婦が急に増えてしまいました。
組合はクーポンの利子を低くして借りやすくしようとしますが、効果がなく、ついに利子はゼロに近くなってしまいます。それだけ下げてもまだ貯める人が多いと、組合としてはもう打つ手がありません。
この状況を打破するために、どうすればいいのでしょうか。
クルーグマンのアイデアは、「持っているクーポンの価値は、だんだんと下がってくる」と広くアナウンスすることでした。
受け取ってすぐのクーポンは、一枚で一日分の子守りをしてもらえるけれども、一カ月たってしまうと半日分しか頼めなくなり、半年後には一時間分の価値しかなくなってしまう、という具合です。クーポンを貯め込んでいる夫婦としては、「なるべく早く使った方が得だ」ということになります。
【ロンドン=木村正人】ノルウェーのノーベル賞委員会は8日、中国共産党の一党独裁体制の廃止などを求めた「08憲章」の起草者で、中国で服役中の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏(54)に2010年のノーベル平和賞を授与すると発表した。中国の民主活動家の受賞は初めてで、中国政府が激しく反発するのは必至だ。
劉氏は吉林省出身で、北京師範大や米ハワイ大などで中国現代文学などを講義。1989年の天安門事件の際には、米国から帰国して天安門広場でハンストを実施し、逮捕された。
天安門事件後、民主化運動の指導者や知識人の多くが海外に脱出する中、91年の出獄後も国内で民主化を求める論文を書き続けた。
2008年、共産党の一党独裁体制の廃止や民主選挙の実施とともに、言論、宗教、集会、結社の自由などを求めた「08憲章」を、中国の学者ら303人の署名を添えてインターネット上に発表。劉氏はその直前に拘束された。
10年2月、国家政権転覆扇動罪で懲役11年、政治的権利剥奪(はくだつ)2年の判決が確定。現在、遼寧省錦州市の刑務所で服役している。
ノルウェーのノーベル賞委員会によると、中国の外務省高官が今年6月、「(劉氏に平和賞を)授与すれば、ノルウェーと中国の関係は悪化するだろう」と同委に圧力をかけていた。
劉氏のノーベル平和賞受賞を契機に、国際社会から中国の民主・人権状況に対して非難の声が高まる可能性がある。
1989年にチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞した際、中国政府は激しく反発した。2000年には、フランスに亡命した作家、高行健氏が華人として初めてノーベル文学賞を受賞している。
昨年のノーベル平和賞は、「核兵器のない世界」の実現を掲げたオバマ米大統領に授与された。
【プロフィル】劉暁波氏
りゅう・ぎょうは 1955年、吉林省長春市生まれ。88年、北京師範大文学部で博士号を取得。89年春、研究生活を送っていた米国から帰国し北京の民主化運動に参加。天安門事件後、反革命罪などでたびたび投獄される。
2008年12月、「08憲章」を中心になって起草し発表。国家政権転覆扇動などの容疑で逮捕され、09年12月、北京の第一中級人民法院で懲役11年、政治的権利剥奪(はくだつ)2年の判決を受けた。10年2月には、北京の高級人民法院が劉氏の控訴を棄却、実刑判決が確定した。夫人は劉霞さん(49)。
【北京=川越一】劉暁波氏へのノーベル平和賞授与決定について、中国外務省の馬朝旭報道官は8日、「劉暁波は中国の法律に触れ、中国の司法機関に有罪判決を受けた。その行為はノーベル賞の趣旨に反し、平和賞を侮辱するものだ。中国とノルウェーの関係に損害をもたらすだろう」などとする談話を発表、強い反発姿勢を示した。
受賞阻止に動いていた中国当局の情報統制は徹底していた。新華社通信など速報はせず、馬報道官の反論を伝えた。NHKや米CNN、英BBCなど、授与決定を伝えていた海外放送は突然画面が真っ黒になり、視聴できなくなった。
チャットサイトには発表後間もなく、受賞を伝える短文が書き込まれたが、その後は「中国人は平和を愛する」など遠回しな表現に限られた。携帯電話のショートメールも「劉暁波」の名前を含むものは送信が止められた。
劉氏の妻、劉霞さんは授与決定前、「彼の存在意義は、彼の努力を通じて多くの人に真実の中国を知らしめたことにある。中国には本当の意味での言論の自由はない」と述べた。劉氏が意見を表明する舞台としてきたインターネットに対する監視も強化された。
警察官らが厳重な警戒態勢を敷く北京市内の劉氏の自宅周辺では、百数十人の海外メディアが殺到したが当局は自宅に近づけさせない措置を講じている。劉霞さんへの電話は通じており、切断などの措置はとっていない。
【ワシントン時事】オバマ米大統領は8日、中国の民主活動家、劉暁波氏へのノーベル平和賞授与決定を歓迎する声明を出し、「劉氏は信念のために自由を犠牲にしてきた」と称賛、中国政府に対し、同氏の早期釈放を求めた。
中国政府が強く反発する劉氏への平和賞授与に対し、米大統領が支持を表明、人権問題で声を上げていく姿勢を鮮明にしたことで、為替・貿易問題や南シナ海の領有権問題などの懸案を抱える米中関係に再びきしみが生じる可能性もある。
中国との関係改善を進める台湾・馬英九政権の呉敦義行政院長(首相)は8日、ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家、劉暁波氏について「人権活動家であり、大陸(中国)で自由、人権を訴えてきた」とたたえ、授賞決定を「人権、自由、民主という普遍的価値観が肯定された」と評価した。中央通信社が報じた。
また、これらの価値観は「中華民国(台湾)が堅持している理念と完全に一致している」と強調し、経済面で関係が緊密化している中国と、政治面では一線を画す姿勢を明確にした。
野党、民主進歩党(民進党)は声明を出し、中国に対し「世界各国の要求に応じ、劉氏を直ちに釈放すべきだ」と呼び掛けた。さらに、馬政権に対し、中台交流の際の議題に「民主と人権」を含め、中国との各種協定に「人権条項」を盛り込んで、中国の民主化を促すよう求めた。(共同)
中国が直面している問題は、日本が明治から昭和にかけて欧米先進国から受けた「問題」に近い面があると感じています。白人主体のロシアは別として、大きいとはいえ黄色人種の東洋の国が、欧米中心(日本と韓国もやっとの事で仲間入りした)の先進国社会へ、かなり強引に割り込んできているのですから、既得権を守る為に、欧米諸国がいろいろな面で過剰に警戒するのは仕方が無いかと思います。
そういう壁を「外交力」で突破する為に、中国は大きな軍事予算を長期的につぎ込んで、陸・海・空・宇宙への軍事力を高めているのでしょう。中国はそういう長期的な戦略を実行できる国だと理解しています。また中国には、それを行うだけの国内資源(国土、人民、資源、技術)があります。中国の指導者(小平)が1970年に改革開放へ国の舵を切り、それから40年間、中国の歴代指導者はブレずに、国の繁栄の為にこの長期戦略を実行してきました。その結果がGDPで世界第二位です。
日本は残念ながら、そういう資源が極めて限られており、憲法で軍事力(敵地攻撃能力、核武装)にも制約がかけられ、輸出産業がなければ国内経済の維持もできません。また、リーマンショック後の日本の税収の落ち込みを思い出してください。日本から輸出産業(と海外の支店や工場から吸い上げる利益)が無くなれば、税収が一気に減り、世界一素晴らしい社会福祉(医療、年金など)は10年以内に崩壊し、まもなく日本は途上国の仲間入りする可能性が極めて高いと感じています。
米国が今後、世界経済を牽引する極端な消費市場に戻ると考えている人は少ないようです。とすれば、中国が世界最大の消費市場を維持し続ける可能性が高い。そういう状況で、すぐ隣国で「領土」や「歴史」問題を抱える日本が、中国に対してとれるオプションの中に、領土や経済で敵対したり、無視する事は、日本の没落を招くだけであり、政治的に困難であろうと考えています。私を含めて、多くの人がそういう日本の未来を望んでいない事は理解していますが、現実は現実として直視しなければ、日本にとって建設的な道は開けません。