言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

フロッピーディスクデータ改竄問題にみる司法の質

2010-10-02 | 日記
産経ニュース」の「【検事逮捕】大坪前特捜部長と佐賀前副部長の一問一答 「組織と断固として戦う」「トカゲのしっぽ切りだ」」( 2010.10.1 21:31 )

 大阪地検特捜部の前特捜部長、大坪弘道氏と副部長の佐賀元明氏は、それぞれ複数回にわたって産経新聞の取材に応じた。2人は証拠隠滅容疑で逮捕された主任検事の前田恒彦容疑者から「故意にデータを改竄(かいざん)した」との報告は受けていないと明確に否定。大坪氏は「捜査は無理筋。断固として組織と闘う」と語気を強めた。主なやりとりは次の通り。

 --フロッピーディスク(FD)データ改竄問題を把握したきっかけは

 大坪氏「今年2月1日、佐賀前副部長から『前田容疑者がFDデータを書き換えたと同僚検事間で問題になっている」と報告を受け、『えー!』と天を仰いだ。ひょっとしたら(故意に改竄した可能性がある)と一抹の不安を感じ、本人に事情を聴くよう指示した」

 --その結果、どのような報告を受けたのか

 大坪氏「前田容疑者が『捜査の過程でFDの取り扱いを誤り、データを書き換えた可能性がある』と話したと」

 --小林敬検事正や玉井英章前次席検事にどのように報告したのか

 大坪氏「『前田容疑者がFDデータを書き換えたと同僚検事間で問題になっているが、本人は誤って書き換えた可能性がある、と話している。書き換えたFDはすでに押収元に返却されているため変更内容は確認できない。現時点では過失と認定せざるを得ない』と報告した。(小林検事正らが判断するため)隠さない方向で基礎データは渡した」

 --小林検事正らは何と言った

 大坪氏「発言は特になかった。調査の指示もなく、了承されたと考えた」

 --改竄を「過失」と判断した根拠は

 大坪氏「故意にFDデータを書き換えたなら押収元に返却するのは不自然。原本はすでに証拠化されており、公判に影響はない。捜査に熟練した部下を信じる気持ちもあった」

 --前田容疑者から直接「故意に改竄した」と聞いたことはあるか

 大坪氏「記憶にない」

 --犯人隠避容疑で逮捕される可能性があるが

 大坪氏「犯人隠避罪は積極的な隠避行為がなければ成立しない。仮に調査しなかった不作為があったとしても、不作為を隠避と認定するのは強引で捜査は無理筋。組織防衛の怖さを感じる。腹に据えかねるものがあり、断固として組織と闘う」

 --FDデータ改竄問題を最初に把握したのはいつ

 佐賀氏「1月30日に『前田容疑者がFDデータを書き換えた。公表すべきだ』と同僚検事らから聞き、2月1日に大坪前部長に報告した」

 --その報告内容は

 佐賀氏「『前田容疑者がFDデータを故意に書き換えたと同僚間で問題になっている』と報告し、大坪前部長から前田容疑者に事実確認するよう指示された」

 --前田容疑者は何と

 佐賀氏「『FDデータを書き換えられるか確認するため、捜査の一環としてやってみた際に、誤って原本を書き換えた可能性がある』と。大坪前部長にはそのまま報告した」

 --小林検事正らにどう報告したのか

 佐賀氏「『同僚検事間で前田容疑者がFDデータを書き換えたという話が出ているが、本人は過失と主張している。書き換えたFDをすでに返却しているなどの客観的事実から証拠管理上のミスにとどまる』と、大坪前部長と一緒に報告した」

 --小林検事正らは「データ書き換えの話は聞いていない」と話しているが

 佐賀氏「きちんと報告した。私の『執務記録』にも報告の日時や内容が記してある。最高検にも提出している」

 --組織ぐるみで隠蔽したのではないか

 佐賀氏「あり得ない」

 --前田容疑者が「故意に改竄したと大坪前部長、佐賀前副部長に報告した」と供述している

 佐賀氏「当時、そんな話は聞いていない。最高検の描く事件の筋通りに素直に認めることで、罪の軽減を図るために言ったのだろう」 

 --最高検の構図とは

 佐賀氏「『正義感のある部下の進言に対し、幹部は隠蔽するために上層部に報告しなかった』という筋立て」

 --逮捕の可能性は

 佐賀氏「私と大坪前部長を逮捕してトカゲの尻尾切りをするつもりだろう。ただ、部下が証拠を改竄したことには責任を感じており、辞職するつもりだ」


 大阪地検特捜部の「データ書き換え」(証拠の捏造) 疑惑に対し、前特捜部長の大坪弘道氏と副部長の佐賀元明氏は、「故意にデータを改竄(かいざん)した」との報告は受けていないと明確に否定した、と報じられています。



 この事件、詳しく追いかけていなかったのですが、要は、
主任検事の前田恒彦容疑者が「故意に改竄したと大坪前部長、佐賀前副部長に報告した」と供述しているが、

前特捜部長の大坪弘道氏と副部長の佐賀元明氏は、「故意にデータを改竄(かいざん)した」との報告は受けていないと明確に否定している
という構図だと思います。



 ここで気になるのが、上記報道のなかの、
佐賀氏「私と大坪前部長を逮捕してトカゲの尻尾切りをするつもりだろう。ただ、部下が証拠を改竄したことには責任を感じており、辞職するつもりだ」
という部分です。常識的に考えて、
部下が勝手に証拠を改竄したのであれば、「トカゲの尻尾切りをするつもりだろう」といった言葉は出てこないはず
だと考えられますから、記者の質問にもあるように、

   組織ぐるみで隠蔽したのではないか

と考えるのが自然だと思います。つまり、

   (1) 証拠の捏造を組織ぐるみで隠蔽したが、発覚した。

   (2) 「検察はトカゲの尻尾切りをするつもりだろう」が、
     「断固として組織と闘う」、「組織防衛の怖さを感じる」

と述べている状況ではないかと思われます。

 本当の「事実関係がどうなのか」はわかりませんが、すくなくとも、このような問題が発生していることそのものが、なんらかの意味で、捜査機関の質 (司法の質) を表していると考えなければならないと思います。



 この構図、湯山孝弘弁護士 (湯山法律事務所代表者・第一東京弁護士会所属) が思わず、「いままで築き上げてきたものを失いたくないんだ!!」と怒鳴ったことを、あとで「なんのことでしょうか?」ととぼけていることと、似ている気もします。当時、湯山法律事務所に勤務していた弁護士の楓真紀子弁護士 (第一東京弁護士会所属) も、「なんのことですか~あ?」と、とぼけており、

   「組織または自分を守るため」に「事実を否定する」「とぼける」態度は、
   検察、弁護士など、法曹界に広くみられる態度

なのかもしれません。



 これでは、司法に対する社会の信頼は、失われてしまうかもしれません。この問題についても、今後、私なりに考えてゆきたいと思います。

 なお、「犯人隠避罪にあたるか」というのは、「こまかな」話であり、ある意味「どうでもよい」話だと思います。重要なのは「組織ぐるみで証拠を捏造し、捏造を隠蔽しているのか」であり、この問題は、「取り調べの可視化」論議や、「法曹増員問題」(法曹を増員すれば質が落ちるというが、増員とは無関係に質が落ちている) など、さまざまな論点につながる問題だと思います。

米ワシントン・タイムズ紙、尖閣諸島が日本領土であることを示す地図 (中国政府作成) を掲載

2010-10-02 | 日記
世界日報」の「60年代の中国地図、尖閣諸島は日本領と認識―米紙」( 2010/9/17 19:17 )

中国政府の主張と「矛盾」
 【ワシントン早川俊行】16日付の米紙ワシントン・タイムズは、中国政府が1960年代まで尖閣諸島は日本の領土であると認めていたことを示す地図を掲載し、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は昔から中国固有の領土」とする中国外務省の主張は「矛盾する」と指摘した。

 同紙が入手したという地図は1969年に中国政府が作成したもので、同諸島を日本名で「尖閣群島」と表記している。紙面に掲載された地図は全体の一部分だけで、境界線の位置は確認できないが、同紙は「地図には尖閣諸島が日本の領土であることを示す境界線が引かれている」と指摘している。

 クリントン米国務長官は7月に南シナ海における航行の自由は米国の「国益」であると表明するなど、米国は中国の積極的な海洋進出に警戒感を強めている。同紙は「尖閣の争いは他国の領土や国際水域を支配しようとする中国の攻撃性と取り組みに対する米国の懸念を増大させる、もう一つの事例を提供している」と指摘した。


 米紙ワシントン・タイムズは、1969 年に「中国政府が作成した」地図を入手して掲載した。その「地図には尖閣諸島が日本の領土であることを示す境界線が引かれている」と報じた、と報じられています。



 この報道は、「日本は中国に「ごね得」を認めてよいのか?」に引用した日本共産党の主張、
中国が領海法に尖閣諸島を中国領と書き込んだのは92年のことでした。それまでは、中国で発行された地図でも、尖閣諸島は中国側が「領海」とする区域の外に記載されていました。
と一致しています。おそらく、これ (地図の存在) は事実だと思われます。

 なお、私は共産党支持者ではありません。日本共産党ですら、中国共産党の主張は「おかしい」、尖閣諸島は日本領土であると主張しているという趣旨で引用しています。



 問題の地図がどんなものか、見たいですよね?

 というわけで、ワシントン・タイムズの記事へのリンクを張っておきます。りンク先に飛べば、記事とともに地図が表示されます。



The Washington Times」の「Inside the Ring」( 5:56 p.m., Wednesday, September 15, 2010 )

A classified 1969 map produced by the People's Republic of China official map authority lists the "Senkaku Islands" as Japanese territory, underming Beijing's more recent claims that the islands it calls the Daiyoutai Islands are Chinese territory. The map bolsters Tokyo's claims to the sovereignty.


 ( 日本語訳 )

 中華人民共和国政府地図当局によって作成された、機密扱いの 1969 年地図。「尖閣群島 (尖閣諸島)」が日本領土だとされている。「釣魚島列島(Daiyoutai Islands)」は中国領土であるという最近の北京政府の主張を突き崩し、日本が領有しているという日本政府 (東京) の主張を強化するものである。

 ※ 記事本文は長いので、「地図の説明」部分のみを引用しています。



 ところで、よく見るとこの地図には「鱼钓岛」と書いてあります。中国名 (中国語の名前) では「钓鱼岛」のはずなのですが、日本名 (日本語の名前) で地図に記載されています。このことも、(地図上で日中境界線がどこに引かれているかとともに)「中国政府は尖閣諸島が日本領土であると思っていた」ことを示していると、考えてよいのではないかと思います。



 そしていま、この「中国政府が作成した」地図が、次々に姿を消している、という話があります。



風林火山」の「尖閣諸島が日本領だと示す中共発行の地図が次々と焚書

日本全国の図書館や古本屋から、1970年以前の中国共産党が発行した世界地図が次々と消滅しており、もはや流通していない状態になっているという。

その地図は、中国共産党が発行した世界地図で尖閣諸島の海域は、ハッキリと日本領となっているとの事。

1970年代に尖閣諸島近辺にメタンハイドレートなどの未曾有の資源が眠っていると発表された途端に、中国は自国の領土だと主張し始めたことが真っ赤な大嘘であることが自国の地図で明白に裏付けられる証拠なのだ。

近年、東京神田近辺の古本屋に、数百万円の現金を持った中国人が、それらの古い地図を片っ端から買いあさっているようだ。また国立図書館など貸出をしていない資料として保存してあった古地図も、尖閣諸島を始め領土問題が発覚しているページが破り取られていたり、紛失していたりしている。

抜け目ない中国共産党政府の工作員が日本で大活躍しているという事だ。

中国だけではない。韓国と問題になっている竹島の表記に関する世界中の地図が消滅しているらしい。さらに、平和ボケに加えて腰抜けチキンの日本政府は、これらに対して何のアクションも取っていないとの事。

ジャーナリスト、水間政憲が訴えている動画をアップしておこう。 
【拡散希望】


 尖閣諸島が日本領土であることを示す中国政府発行の地図を、中国人が買いあさっているようだ、図書館にある地図は、問題のページが破りとられたり紛失していたりしている、と書かれています。



 これは本当かどうか、わかりませんが、おそらく事実でしょう。すくなくとも、「ありうる」話だと思います。

 日本の古本屋が、なぜ売ってしまうのか、(売らないのがいちばんだが、売るにしても) 中国政府は「現存する地図をすべて買い取らなければならない」ので「もっと高く売れるだろう」という気もしますが、

 地図の存在はワシントン・タイムズで報じられたようですし、適切な価格で「取引」されているのかもしれません。



■追記 ( 2010.10.09 )
 英文の日本語訳を訂正しました。日本政府の主張を正確に反映した表現にするためです。日本政府の主張については、下記、外務省のサイトをご参照ください。

   訂正前「日本の統治権が及んでいるという日本政府 (東京) の主張」
   訂正後「日本が領有しているという日本政府 (東京) の主張」

外務省」の「尖閣諸島の領有権についての基本見解

 なお、関連記事として、「中国は「尖閣諸島は日本領土である」と認めていたらしい」があります。あわせご参照ください。