言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

リフレ政策のまとめ

2009-11-09 | 日記
 ここまで、読んできた本 ( 安達誠司著 『恐慌脱出』 ) によれば、

 ケインズ政策 ( 財政政策 ) が大恐慌研究によって否定され、経済学の主流は、リフレ政策 ( 金融政策 ) にとって代わられた、と考えられます。その決定打になったのは、大恐慌の際に、

   経済成長率が回復した 「あとで」 、( 経済成長率に対する ) 政府支出の寄与度が上昇した

というデータではないかと思います ( 「ルーズベルトの政策 ( 公共投資 )」 参照 ) 。



 不況脱出には、リフレ政策が有効である、という理論が正しければ、バーナンキやクリスティーナ・ローマーが要職に就いているアメリカは、適切な政策をとっており、遠からず不況を脱出する、と考えられるのですが ( 「オバマ政権の金融政策」 参照 ) 、

 逆に、この理論が誤っていれば、アメリカはトンチンカンな政策を続けるだろう、という、正反対の評価になります。その場合、不況を脱出するどころか、かえって状況が悪化することもあり得ます。



 問題の要点は、「リフレ政策は適切なのか」 ですが、

 私が考えるに、リフレ政策には、一点、問題が存在しています。その問題点とは、金融緩和を行ったところで、「「流動性の罠」 対策」 でみたように、通常の投資にはお金がまわらず、国債にお金がまわるのではないか、というものです。リフレ政策を支持するなら、

   国債にお金がまわるなら、それ以上に ( 大量の ) お金を供給すればよい、

と考えることになると思いますが、



 次は、本当にそれでうまくいくのか、を考えます。

 扱うテキストは、「経済対策の三類型」 で ( さらりと ) 言及した、リチャード・クーの本です。新しい本 『世界同時バランスシート不況』 が出版されました ( 共著 ) ので、それを引用しつつ考えます。