安達誠司 『恐慌脱出』 ( p.185 )
脱石油化による戦争放棄によって、米軍の軍事技術が民間転用され、再び、米国が繁栄への道を歩み始める可能性がある、と書かれています。
引用部冒頭、「第2は」 とありますが、「第1」 は、「脱石油化と世界平和」 で引用した、世界経済の大きな枠組み転換における脱石油化の流れ ( と、それがもたらす世界平和 ) です。
脱石油化の流れは、たんに、環境問題の視点でのみ、捉えていたのでは状況を読み誤る。地政学的・軍事的見地が重要であるばかりか、その帰結として、ハイテク技術の民間転用 ( 軍事技術の民間転用 ) がもたらされる可能性がある――。
言われてみれば、たしかにその通りで、アメリカの未来は明るい、という著者の予想は、現実的なものに思われます。
著者は、電気自動車の普及は、「日米大逆転」 であり、日本がアメリカに負けることにつながる、とされています。私は、「電気自動車がもたらす日本の未来」 で、日本が新興国に負けることにつながる、と予想したのですが、どちらであれ、日本にとっては、厳しい局面になることが予想されます。
「アメリカの没落と新興国」 について、電気自動車のもたらす未来も含め、大きな視野で考えなければならないと思います。
第2は、戦争放棄によって、ハイテク技術の民間転用が実現する可能性である。
たとえば、IT革命のきっかけとなったインターネットは、元来、米軍の情報収集のための情報網(エシュロン)が、冷戦終結によって民間転用されたことをきっかけとして、始まったものである。アフガニスタン戦争やイラク戦争で明らかになったように、アメリカの軍事技術は、日進月歩で進化を実現している。これが民間転用されれば、中長期的には、アメリカ経済は「第2次ニューエコノミー」という新たな繁栄を迎える可能性も否定できない。
筆者には、この「第2次ニューエコノミー」がもし、実現するならば、現在苦境に立たされている自動車産業で起きるような気がしてならない。その鍵は「自動車の家電化」にあるのではないか。
1990年代半ば以降、自動車のメカニックの多くの部分がコンピュータ制御となっているように、自動車にもIT化の波が押し寄せている。この流れに加え、動力源が従来のガソリンから電気や電池になれば、自動車も家電製品化する可能性がある。
もしこれが実現すれば、たとえばアップルの「iPod」がソニーのウォークマンを凌駕したような「日米大逆転」が、自動車産業にも起こるのではないだろうか。
(中略)
いま必要とされている産業政策は、単なる延命措置ではなく、産業の脱成熟化のカタリスト(触媒)でなければならない。これをオバマが実施できるかどうかも注目材料である。
脱石油化による戦争放棄によって、米軍の軍事技術が民間転用され、再び、米国が繁栄への道を歩み始める可能性がある、と書かれています。
引用部冒頭、「第2は」 とありますが、「第1」 は、「脱石油化と世界平和」 で引用した、世界経済の大きな枠組み転換における脱石油化の流れ ( と、それがもたらす世界平和 ) です。
脱石油化の流れは、たんに、環境問題の視点でのみ、捉えていたのでは状況を読み誤る。地政学的・軍事的見地が重要であるばかりか、その帰結として、ハイテク技術の民間転用 ( 軍事技術の民間転用 ) がもたらされる可能性がある――。
言われてみれば、たしかにその通りで、アメリカの未来は明るい、という著者の予想は、現実的なものに思われます。
著者は、電気自動車の普及は、「日米大逆転」 であり、日本がアメリカに負けることにつながる、とされています。私は、「電気自動車がもたらす日本の未来」 で、日本が新興国に負けることにつながる、と予想したのですが、どちらであれ、日本にとっては、厳しい局面になることが予想されます。
「アメリカの没落と新興国」 について、電気自動車のもたらす未来も含め、大きな視野で考えなければならないと思います。